1度目の人生では魔女だとバレて処刑されたけど2度目の人生は絶対に処刑されないし魔女だとバレないようにします

上野佐栁

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プロローグ

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 どうして?どうしてこうなったのかなぁ?

 「魔女を殺せー!」

 「そうだそうだ!」

 「死ね!!!!!!!」

 「私たちの前から消えろ!」

 この国と民たちは私たちを嫌っている。

 この世界には三つの人種がある。

 ひとつ目は人間。ふたつ目は魔族そしてみっつ目は魔女。

 魔族も魔女も人間たちは毛嫌いをし勝手に戦争を起こし私たちを殺す。

 それを魔族は怒り人間たちを殺し回っているのだ。

 「殺せ!!!!!!!」

 石を投げられ罵声を浴びながら私は処刑台へと一歩また一歩と歩く。

 「これより魔女エレインを処刑する」

 その声に民のみなは喜びの声をあげ、私が処刑されるのを今か今かと待つ。

 そもそも私がなぜ魔女だとバレたのかわからない。

 なぜなら私は魔女の特徴である髪色ではないからだ。

 魔女はピンク色の髪に紫色の瞳で生まれる。

 私は髪は金髪だけど、瞳だけは魔女の特徴と一致する。目が紫の人は人間の中でもいるのでそこまで気にされない。

 なのにバレた。皇帝の手によって私は殺される。

 ああっ!もう処刑台についてしまった。

 いやだ。死にたくない。生きたい。

 私が何か叫んでもきっと無意味だ。私にはわかる。民の人たちは死を望んでいる。私と言う死を望んでいる。

 私はその場に押し倒れるように膝を突く。

 「ゔぅー!」

 もう本当に死ぬんだ。

 最後に皇帝が私に聞いてきた。

 「最後に何か言うことはないのか?」

 それだけだった。

 そうだ。最後だ。魔法は使えないように魔風石をつけられているので反撃できない。だから言いたいことをだけ言おう。

 「……私が……私たちが、お前たちに何をした⁉︎」

 私の言葉に民たちの罵詈雑言を浴びせてきた。

 「私たちは何もしていない!ただ静かに暮らすことだけを望んでいたんだ!!!!!!!」

 皇帝は剣を空高くに持ち上げ勢いよく下へと振る。

 完全に切られる前に最後にこう言った。

 「もしもう一度やり直せるのならお前たち全員を呪ってやー……」

 グサッ

 最後まで言わせてもらえないまま私は十六歳という若さでこの世を去った。

 十一年前

 「この子は天才よ」

 ひとりの魔女が言った。

 「この子の属性は水、木、空そして光属性よ」
  
 光という言葉を聞くと魔女たちは喜びの声をあげだ。

 この世界で魔族が一番恐れられている。人間に似ているものもいるが、大抵は人間とは思えないほどの化け物の姿をしている。

 魔族が闇なら光で抵抗するしかなかった。

 この世界では長年光属性を思った魔女も人間も生まれなかった。

 だからそここの力人を世界を救う力だ。

 私はその力に目覚めてから人間のいる街に移った。

 人助けは魔女の印象をよくする。そう信じて疑わなかった。

 なのに六年後に私はひとりの男性によって魔女だと暴かれ四年間の幽閉をされたのち殺された。

 エレインが死んだ一年後

 「ううーゔー!」

 「陛下!西の街に魔物が大量発生中!」

 「東の街にも魔物が攻めてきてます!!!!!!!」

 「へ、陛下⁉︎し、城の前にま、魔王が……っ!」

 「くそ!」

 この国はもうお終いだ。魔女たちにも応戦を頼んだが、エレインを処刑したことによって、関係はさらにこじれた。

 魔女は口を揃えて「エレインを殺したせいだ!」と言っていった。エレインがこの世界一帯に結界を張って魔物の侵食を食い止めていたのだと後から知った。

 「エレインがいればこの世界は救われる」

 時間を遡る術はある。魔女の命を数千人生贄にする代わりに時間を遡る術だ。

 そして、皇帝は魔女の命を無惨にも奪い時間を遡ることに成功したのだが、ひとつだけ誤算だったのは自分自身の記憶も曖昧になり未来への出来事がぼんやりとしか思い出せないのだ。ひとりを除いて。

 「魔女エレインを捕えよ」

 「世界に愛された子よ。お前はまた人生をやり直せる。その時お前の大切に思う人が見つかるだろ」

 「はっ⁉︎」

 今の声はいったい⁇

 私は辺りを見渡した。

 「え……」

 昔住んでいた家?私の部屋?

 「なんで⁇」

 私は死んだ。処刑されたはず?なのに生きている⁇

 私は恐る恐る鏡の前に立ち自分の姿を確認した。

 「えええーっ⁉︎」

 自分の容姿に驚いた。私が多分、三歳から四歳半ぐらいの姿に戻っているのだ。

 「嘘でしょ⁇」

 何があったの?全部夢?ううん。あれはきっと未来に起きることなんだ。

 「だったら未来を変える。そして魔族の侵入今度こそ防ぐ!」

 そう心に決意すると同時に皇帝から逃げることも考え復讐の機会も待つのであった。
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