1度目の人生では魔女だとバレて処刑されたけど2度目の人生は絶対に処刑されないし魔女だとバレないようにします

1話

　私は一度死んで二度目人生を手に入れた。

　「嘘だって思うけど、事実なのよね?」

　それに私が過去に戻ってきたのはきっと、魔族のことだ。この世界では魔族は魔女も恐れる存在だから結界を張っていた私がいなくなったことで世界が成り立たなくなったんだ。

　「魔族は魔王以外は話が通じるタイプじゃないからね?」
　　
　私はそう独り言を言い、魔法を使えるかどうか試してみた。

　「この歳はまだ魔法は使えないけど、体が覚えてないだけで呪文を唱えればいけるのでは?」

　そう思い呪文を唱えた。

　「我らの守護神様よ。我らに聖なる加護をお与えください。ホーリーベル」

　すると、どこからか鐘が鳴り響いた。

　「嘘?」

　本当にこの歳で魔法が使えた?まじで?

　「前よりも力が強くなってる?」

　すごい。過去を遡っているから対抗手段も持ってる。今度こそ私は生きるんだ。

　そう決意を固めた数週間後の早朝に魔女の村で戦争が起こった。

　なんでも皇帝が私たちの領地を奪うために全面戦争を申し込んだのだ。

　とっても唐突だったので大勢の魔女が犠牲になった。

　「エレイン！あんたはお逃げ！」

　ベーリーおばさんはが私の肩を掴みながらそう言う。

　「あんたが捕まったお終いだ！」

　そう。今回の戦法はこの領地と魔女エレインを捕獲することが目的なのだ。

　私がもたもたしている間にも大勢の魔女が死んでいく。

　「ベーリーおばさん。私この争いを止めて来る」

　私がそ言うと、ベーリーおばさんは首を横に振り私を小さい抜け道へと押し込んだ。

　「あんたはお逃げ。お前さんの母親との約束だからね」

　ベーリーおばさんは意味深にそう言い、私を抜け道へと押し込む。

　「魔女エレインはどこだ?」

　穴に入った後に聞き覚えのある声がした。皇帝だ。

　「知らんよ。それに知っていたのしてもエレインをあんたらに渡さん！！！！！！！」

　ベーリーおばさんは堂々とそう答える。

　「ならば死ね」

　皇帝は容赦なく刃を振るおうとした。

　だめ。だめだ。ベーリーおばさんだけはだめ。お母さんを亡くした時に私を引き取ってくれたのも一番そばで私を支えてくれたのも幽閉されている時に何度も私を逃がそうとしてくれた。その結果ベーリーおばさんは私が処刑される二年前に死んだ。

　「我らの守護神様よ。この者をお救いください。プロテクション！！！！！！！」

　ベーリーおばさんの首に刃が通る前にプロテクションがベーリーおばさんの周りを張り巡らす。

　「こ、これは光の魔法⁉︎」

　皇帝はそう呟きベーリーおばさんを蹴飛ばし抜け道の穴を覗き込んだ。

　「そこにいるのはわかっている。未来のお前みたいに殺されたくないのなら早く出て来い」

　その言葉にサァーと血の気が引く。

　「な、んでそのことを?」

　私が言葉を失いそうになっていると、皇帝はにっこり微笑みこちらへ来いと言わんばかりに手を伸ばす。

　私はその手を取るしかなかった。じゃないと私もベーリーおばさんも他の人たちもこれ以上命を狩られることはないのだから。