1度目の人生では魔女だとバレて処刑されたけど2度目の人生は絶対に処刑されないし魔女だとバレないようにします

上野佐栁

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2話

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 予想外の出来事が起きた。まさか皇帝が未来で起きる出来事を知っている上に私の力知っていた。

 なぜなのかわからないけど、わかるのはもうこの状況が最悪なのだということだ。

 皇帝は私を自分の城へと連れて帰ると、小さな小屋を私の家だと言いそこへ過ごすようにと命じてきた。

 「……わかりました」

 今は逆らわない方がいい。私も皇帝も未来を見たのなら私の死んだ後の未来は知らないけど、多分地獄だったのだろう。なぜならこの世界を覆っていた結界が完全に破られた上に魔女と魔族の逆鱗に触れたのだから。

 人間は特に魔族を見つけると殺す。それを面白く思っていない魔族が宣戦布告したのだ。

 私は元々魔王との繋がりがあった。本当に昔の話で、今の時点ではまだ魔王との繋がりはない。

 あれは過去に遡る前の話で、同時の私は五歳だった。

 魔王が行き倒れてたのだ。

 理由は人間化けたのはいいが、お金を持っていたなかったためご飯が買えずに森で倒れているところを偶然にも私が見つけどうしたのかと聞き魔王は一言だけこう言った。

 「……腹が減った」

 「えっ?」

 私も最初は戸惑ったが、慌てて家へと戻りクッキーなどお菓子やパン飲み物を持って魔王がいるところまでとんぼ返りしたのだ。

 そしてその後お礼を言われて、自分は魔王だと言い、私の頭を撫ででまた来ると一言言ってそのまま帰って行った。

 その後も交流は続き二年近くいろいろと所にも行ったし魔族のいる世界に何度か足を踏み入れた。

 私は魔王とひとつの約束をしていた。それは私が生きている限り人を襲わない。

 魔王は不満そうだったが、私のお願い聞き入れ約束してくれた。

 「お前が生きている限りは俺だけは人を襲わない。だが、お前が死ねばその約束は無効とする」

 魔王との約束を今でも覚えている。でも今はまだ出会えていない。

 そして、魔王は自分の名前を呼べば私のそばにいてくれるとも言ってくれた。私は嬉しかった。

 でも幽閉されている時は名前をいくら呼んでも答えてくれなかった。だから多分今回も名前を呼んでも答えてくれないんだろうなぁ?

 そう思いつつ名前を口にする。

 「ディアブロ」

 名前を呼ぶと部屋がカタカタと揺れ動き目の前には魔王が立っていた。

 「えっ……」

 これは夢なのか?今私の目の前に魔王が立っている?本当に魔王なの?

 「久しいな?エレインよ」

 私の名前を呼んでくれた。皇帝と同じく魔王も未来の出来事を知っている。

 「ほ、ほんと、にディアブロなの?」

 私がそう質問すると頷き私を優しく抱きしめる。

 「すまなかった。助けられなくてごめん!」

 魔王はディアブロは私の頭を優しく撫でて私に微笑む。

 「お前を迎えに来た。だから安心しろ」

 その言葉に安堵する。でも私が今いなくなれば他の人たちはどうなるの?他の魔女たちが殺されるのは見たくない。

 「ディアブロ。私は……」
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