1度目の人生では魔女だとバレて処刑されたけど2度目の人生は絶対に処刑されないし魔女だとバレないようにします

上野佐栁

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3話

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 「ディアブロ。私はまだここを出て行くわけにはいかない!」

 私の答えにディアブロは少しの間言葉を失っていたが、すぐに我に返りなぜなのか聞いてきた。

 「皇帝に私の力がバレたの。それと、この城には他の魔女たちが捕まっているの。だから私だけが逃げるわけにはいかない」

 私がそう真顔で言うと、少しディアブロが考えある提案をしてきた。

 「エレインは皇帝に復讐をしたいのか?もしそうなら魔女を助けこの城ごと吹き飛ばすのはどうだ?」

 「それって……」

 それは他の人たちも巻き込まれる。そう皇帝とは全く関係のない人たちも含めて犠牲になる。それじゃ皇帝と同じことをしているのと同じ。それはだめだと私は思った。

 「それはだめ」
  
 私がそう答えると、ディアブロはそれじゃどうするって顔で私を見る。

 「私はここで過ごすから他の魔女たちをお願い。それが今の私にできる精一杯だから」

 私が悲しそうな顔で言うものだからディアブロは首を横に振り他の案も提案してきた。

 「俺がここの使用人に化けてお前を守る。どうだ?」

 「……」

 驚きのあまり私はその場で固まった。

 あの魔王が使用人?想像はできないけど、ディアブロが使用人になるのにもリスクが伴う。

 もし魔王だとバレたらきっと世界戦争になるに違いない。それだけは避けなければならない。そうしなければきっと、大勢の人や魔族そして魔女が犠牲になる。魔女はただでさえ数は多くないのに今回の出来事でさらに数が減った。

 「ディアブロは大丈夫なの?」
  
 いろいろと考えて言葉が出たのはそれだけだった。衝撃が大きすぎる。

 「うむ。俺がもしここで使用人をやってるって知ったら魔族が怒りに任せて攻めて来るかもなぁ」
  
 人ごとのように笑うディアブロ

 「それはだめでしょ⁉︎」
  
 他にも何か言いたかったけど、その前にここのメイドらしき人が来たので、ディアブロを無理やりにタンスに押し込んだ。

 「それから出ないで!!!!!!!」

 ディアブロは黙ったまま俯いたので了承したと思っていた。

 すぐにドアが(ノックもせずに)開いた。

 「エレイン様。入浴のお手伝いを……あら?」

 メイドが私の後ろちらちらと見始めたので、私も後ろを振り返る。

 「わんっ!」

 「……っ!!!!!!!」

 真後ろには真っ黒な仔犬が座っていた。

 でもこの子犬ってディアブロだよね⁉︎

 「あら?可愛らしいですね?エレイン様のペットですか?」

 メイドはそう尋ねてきたので、私もやけくそになって首を縦にブンブンと振った。

 「そうよ!そうなのよ!私の可愛い……ディアくんなの!」

 ディアブロだからディアと名付けたけど、後で怒られないよね?

 汗をダラダラと流したながらバレないことを祈るのであった。

 
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