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大婆様の元へ

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 「え......」

 「誰だお前?」

 「あの......貴方こそ誰ですか?」

 こんにちは。ルミエールです。私は......いや。私達は大婆様の屋敷に来たのですが、なぜか知らない男の人が居間で堂々と居座っています。

 「俺はクリフ。ここに住んでいるんだよ」

 「え、えっと?大婆様の使用人ってことですか⁇」

 「違うがそうだ」

 「んんんんん⁇」

 意味がわからない。違うけど当ているって何?どうなっているの⁇

 「え、えークリフさん?大婆様はどこですか?」

 「あー。婆さんなら庭に行ったぞ」

 「貴方......口がなっていないのね?」
  
 「ティアお姉様⁇」

 「貴族に対して......いいえ。他人に対してもっと弁えるのとすらできないの⁇」

 「はあ?なんで俺がそれをしなきゃいけないんだよ?意味わからねぇー」
  
 「いいから口の聞き方を直しなさい‼︎」
 
 「て、ティアお姉様!落ち着いて......」

 「ティア。そいつは私の使用人みたいな奴だけど口の聞き方を正すのはやめてくれるか?」

 「大婆様⁉︎」

 「ごめんよ。あいつは口が悪いだけで......いい奴なんだ」

 あの子達に今本当のことを話をしていいのだろうか?きっと傷付くだろう。悪いがもう少し口をつぐませてもらうよ。

 「......大婆様がいいならいいです」

 「連絡も寄越さずに来るなんて珍しいねぇ?何があったんだい⁇」

 「それは......」

 私は今までのこと(死を繰り返し続けていることは伏せてだ。)を説明した。

 「あいつら何をやっているんだい‼︎」

 私の説明を聞き終えた大婆様が怒りを現する。

 「いい歳した大人二人と子供は何をしているんだい?全くどこで育て方を間違ったのか?すまないねぇ。私のせいでこんな目に遭って。もう大丈夫だよ。好きなだけ居ればいいさ」

 「住む家が決まったら出て行きます。だからそれまではお世話になります。よろしくお願いします」

 「いいよ。いいよ。お前さん達に会えて私も嬉しいからね」

 「はい!」

 深夜

 「まさかあいつからこっちに来てくれるなんて思ってなかった」

 「お前さんは自分の正体を明かすのか?同じアクアマリンを持つお前さんはあの子の実の兄じゃないか?」

 「あぁ。だけど俺はもう死んだと認識されている。だからきっとあいつは何度も死んで死んで死にまくりやっと抜け出したんだろ?」

 「その話が本当なら私はあいつらを許すことはできないね」

 「俺もだ。あいつらは自分の利益しか考えてねぇ。だからその子供が不幸になっていくんだ。俺もそうだったように......あいつらも不幸になる」

 「その前に抜け出してくれて私は嬉しいんだよ」

 「安心するのはまだ早ぇ。あいつらはそう簡単に諦める奴じゃない。だから俺がこの手であいつらを抹殺するまではあいつらを守ってやらないといけないんだ」

 ルミエール。お前は何年も閉じ込められていたって聞いた。だから救い出そうとした。だが、それは余計なお世話だったみたいだな?

 彼の本名はクリクガン.シャイニング。彼が本当のシャイニング家の長男で二代目のアクアマリン。

 それを私が知るのことになるのはもう少し先のお話。
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