愛されなかった私が転生して公爵家のお父様に愛されました

上野佐栁

文字の大きさ
129 / 145

変わらないもの

しおりを挟む
 「ノワール。今から本気の本気で行くから。だから覚悟してよね!!!!!!!」
 今の私じゃあ悔しいことにノワールの自我を引き摺り出せない。だからノルのあの頃の気持ちを思い出させないと。
 「本気の本気?クスクス。やってみろよ?俺には敵わないだろうがなぁ?」 
 ずっと、自分の中にラティスを想う気持ちが強くなっていくのが感じる。ノワールの自我が目覚め始めている。
 厄介だ。
 「ノワール。今助けてあげるから」
 「はっ?俺は俺だぜ?ラティスさんよ?お前はいつまで意地を張るつもりだ⁇もう限界だろ?魔力が底を尽きようとしている。俺でもわかるぜ」
 ノルが言っていることは間違っていない。そう私はもうとっくに限界を迎えていた。ルークとの戦いや記憶を取り戻す前に使った魔力もそうだしマロンが力を使い過ぎた。私の魔力だって、底なしじゃない。マロンと同じ魔力源である以上人よりも消耗が激しいのだ。
 「確かに、私の魔力はもう底を尽きようとしているかもしれない。でもねぇ、私にだって意地があるのよ!」
 私が強気にそう言うと、ノルは嘲笑い、馬鹿にしたかのような口調でこう言った。
 「テメェの意地なんて心底どうでもいいわ」
 その言葉に私は頭にきた。
 「そう?だったらさぁ、ひとつ言わせてもらうけれど、ノルは何がしたいの?」
 「は?言っている意味がわからない」
 本当にわからないと言ったような顔で私を見つめてくる。
 だから私はすごく冷たい表情でこう言ってやった。
 「ノルはルークのためだと言いだから、ルークに人の道を外れそうになっているのにそれを止めようともしない。これって本当に愛だって言えるの?」
 その言葉にカチンときたのか、ノルは発狂した。
 「ふざけんな!俺はルークを愛しているんだ‼︎だからこそ今ここでテメェらと戦っているんだ」
 私はさらに冷たい目線を送りながらこう言った。
 「なら正しい道に導きなさい。それも出来ないくせにルークのためだ?馬鹿も休み休みに言いなさいよ」
 「......」
 なんなんだこいつ?さっきから雰囲気がやばいぞ!まるで汚物を見る目だ。ノワールが好きじゃないのか?
 「ひとつだけ教えてあげる。ノワールは好きだけど、ノルは好きじゃないわ」
 「はあ......⁇」
 まるで心を読まれたかのようだ。
 「読んでいるわよ?」
 「えっ、......」
 すごく驚いた顔になったので、さらに畳み掛けた。
 「ノルはルークが好きだけど、ルークはノルが好きかどうかわからない。これで信じてくれたかしら?」
 「や、やめろ。やめろよ!」
 「ラティスはきっと、俺のこと幻滅するだろうなぁ?」
 「......っ!」
 この声はノワールの心の声だ。やっと聞けた。
 「幻滅なんてしないから」
 「えっ、はぁ?何言ってんの?お前」
 ノルはキョトンとした顔になったが、私は構わずに続けた。
 「前にも言ったよ?私はノワールに対して幻滅なんてしない!してたまるか‼︎」
 「......っ!?」
 「ノワールが自分を信じられないのなら私を信じてよ。私はノワールを一生信じてついて行くって決めたの!!!!!!!だからノワールには帰って来てくれなきゃ困るんだよ。ひとりにしないでよ。勝手に何処かに行こうとしないでよ!ずっと側に居てよ。約束したじゃない。どんな時も一緒だって!言ってたくせにノルなんかに負けないでよ。帰って来てよ」
 もう止まらない。私の感情が溢れ出す。ノワールへの気持ちがずっとずっと心の奥底から湧き出てくる。
 「私はノワールが好きなんだよ。本当に私のことが好きならノルなんかに負けないでよ。早く私のところに帰って来てよ。馬鹿......」
 「俺は......」
 「ルークを見捨てるのか?」
 「......」
 「俺はルークのためならなんだって......」
 ノルがまた余計なことを言う前に私が言ってやった。
 「前のノルならルークを止めてた。今はそれをしないのはただの罪悪感でしょ⁇」
 「......っ!!」
 バレてた!?何もかも見透かされているのか?ラティスは一体何者なんだ?
 「ノル。私に任せてよ。必ずルークを助けるから......だから私達に協力して!」
 変わらない想いが沸々と湧き出てくる。なんで忘れていてんだろ?ルークがレイセリファを作った時に誓ったんだ。何がなんでもルークを人間のままあの世に逝かせると誓っんだ。
 「もう死んでいるからノルはきっと、ルークと共に天へと昇るのね?」
 いくら目の前に生まれ変わりがいてもこの運命は変わらないのだろう。
 「ルークのセリファを取り戻す」
 私はそう心に決めた。
 「アアアアアア!!!!!!!」
 ものすごい悲鳴が背後から聞こえてきた。
 アリアスだ。アリアスが負けそうなんだ。
 「ノワール‼︎ルークを止めるよ」
 もう一か八か、ノワールに頼るしかない
 「ああ、俺もアリアスに死なれるわけにはいかなぇなぁ?」
 ノワールだ。私の知っているノワールが帰って来たんだ。
 「遅いよ。馬鹿」
 私はがそう言うと、少し悲しそうな顔で謝ってきた。
 「ごめんな?お前の元に帰って来るのが遅くなってごめん」 
 私は泣きそうになりながらもグッと堪えて笑った。
 「お帰りなさい」
 「ああ、ただいま」
 「これでもうお終いね」
 ルークがそう言うことを言うので私もノワールも慌てた。  
 ノワールがいち早く、ルークとアリアスの間に割り込んだ。私もノワールに続くかのように割り込んだ。
 「こんなことさせねぇよ!」
 「の、ノル!?」
 「えっ⁇」
 ラティスとノワールがアリアスの間に割り込んで来た。
 「な、なんで!?なんでなの?ノル‼︎」
 「俺はノルじゃない。ノワールだ」
 「......っ!?」
 「ノワールはノワールだよ。ノルはもうこの世には居ないの。だからルークも......」
 「......さ......い」
 「えっ⁇」
 「許さない。絶対に殺してやる!?」
 そう息荒くルークは怒り雷を何箇所も落としてきた。
 私は今のルークの悲しみと向き合えるのだかろうか?わからないけど、でもそれでも私はルークを助けたい。大切なことを気づかせてくれたルークに私は恩を返した。そう思ったのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。 享年は25歳。 周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。 25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

処理中です...