2 / 18
再会
しおりを挟む
「僕と一曲踊ってくれませんか⁇」
「すみません。お断りします」
「ど、どうしてでしょうか?」
「名も知らない相手と踊る気はありません」
「......」
姫らしくちゃんと喋らなきゃ。ハキハキと喋り目を背けない。でも怖い!
「失礼いたしまた。僕はアルムース王国の第三王子。アッミンド.クリム.ラージュ.カーリムと申します」
「私は......フェリーナ.キララ.ラ.アムールと申します。以後お見知り置きをお願いいたします」
「では一曲踊ってくれませんか⁇」
「ごめんなさい。私は誰とも踊る気はありません」
「そうですか......では僕はこの辺で失礼します」
「......」
「フェリーナ⁇顔色が先ほどよりも悪いが大丈夫か⁇」
「......はい」
やはり私は人と関わるのは苦手でまだどこかで恐怖心がある。小さい頃の記憶を思い出そうとすればするほど怖くなる。なんでだろう?わからない。
「少し疲れたのでテラスで休んでいます」
「ひとりで大丈夫か⁇」
「はい。私を狙う人など居ませんから」
「......」
「ではお父様。ごきげんよう」
コツコツ
「......」
頭が痛い。人が多い。誰も居ないあの空間に戻りたい。
コツコツコツ
「......」
私はただあの部屋から出られなくなった日から人との関わりを絶ったつもりだった。でもまだ誰かと仲良くする機会があるのでしょうか?それは私にもわからない。
シュー
「夜風が気持ちいい」
「......フェリーナ」
「どなたですか⁇」
「僕のこと覚えていないの?」
「......」
金髪に優しい葉の色の瞳。
「......まさか」
「ああ。僕だよ。フェリーナ」
「ど、どうして?どうしてここにいるのですか?」
「君に会いに来たんだ」
「......」
「君は変わらないね?」
「え......」
「美しいままだ。あの日僕の目に焼きついた景色が今でも目に見えるよ」
「......」
ズキッ
「フェリーナ⁇」
「なんでもありません。ですが、少し休みたいのでひとりにしてください」
「わかったよ」
「またお会いできて嬉しいです」
「僕もだよ。じゃあまたね」
「はい......」
この違和感は何?確かに容姿は同じ。でも私が変わっていない?そんなはずがない。私は人間不信になってしまった。昔はそれなりに活発だったと思う。お父様にももう少しおとなしくしていなさいって言われていた。
「あの人は一体どなたなのですか?」
「やあー!アッミンド」
「......グルーム兄上」
「君のお姫様可愛かったよ」
「会ったのか⁉︎」
「うん。僕が君のふりをしたらあっさりと騙されたよ。可哀想な子だ」
ガシッ
「フェリーナに何を言った‼︎」
「ただまた会いたいなって話をしただけだよ」
「グルーム兄上!もしフェリーナに手を出したら僕は許さない」
「クスクス。そんなふうに言われると欲しくなっちゃうな?」
「絶対に手を出させない」
「......」
「僕はフェリーナに会うためにここまで来たんだ。それを兄上なんかに渡すもんか‼︎」
「わかった。わかった。今はおとなしくしているよ。でもそのうち奪いに行くよ。あの子は騙されやすいようだしね」
「......」
「じゃあまたね」
ゴン
「くそ!油断した。兄上がフェリーナを狙うなんて......僕が守ってみせる」
「フェリーナ。そろそろ帰るぞ」
「はい。お父様」
「今日はどうだった」
「はい。懐かしい人にお会いした気がします」
「懐かしい人?」
「はい。私の名前を知っていたのですが......少し違和感を感じたのです」
「......」
「アッミンド王子様の方がなんだか懐かしい感じがしました。もし叶うのならもう一度お会いしたいかもです」
「そうか。ならよかった」
そう言いつつ。陛下の内心は許さない。そんな怒りの感情で埋め尽くされていることをアッミンド王子は知らない。
「すみません。お断りします」
「ど、どうしてでしょうか?」
「名も知らない相手と踊る気はありません」
「......」
姫らしくちゃんと喋らなきゃ。ハキハキと喋り目を背けない。でも怖い!
「失礼いたしまた。僕はアルムース王国の第三王子。アッミンド.クリム.ラージュ.カーリムと申します」
「私は......フェリーナ.キララ.ラ.アムールと申します。以後お見知り置きをお願いいたします」
「では一曲踊ってくれませんか⁇」
「ごめんなさい。私は誰とも踊る気はありません」
「そうですか......では僕はこの辺で失礼します」
「......」
「フェリーナ⁇顔色が先ほどよりも悪いが大丈夫か⁇」
「......はい」
やはり私は人と関わるのは苦手でまだどこかで恐怖心がある。小さい頃の記憶を思い出そうとすればするほど怖くなる。なんでだろう?わからない。
「少し疲れたのでテラスで休んでいます」
「ひとりで大丈夫か⁇」
「はい。私を狙う人など居ませんから」
「......」
「ではお父様。ごきげんよう」
コツコツ
「......」
頭が痛い。人が多い。誰も居ないあの空間に戻りたい。
コツコツコツ
「......」
私はただあの部屋から出られなくなった日から人との関わりを絶ったつもりだった。でもまだ誰かと仲良くする機会があるのでしょうか?それは私にもわからない。
シュー
「夜風が気持ちいい」
「......フェリーナ」
「どなたですか⁇」
「僕のこと覚えていないの?」
「......」
金髪に優しい葉の色の瞳。
「......まさか」
「ああ。僕だよ。フェリーナ」
「ど、どうして?どうしてここにいるのですか?」
「君に会いに来たんだ」
「......」
「君は変わらないね?」
「え......」
「美しいままだ。あの日僕の目に焼きついた景色が今でも目に見えるよ」
「......」
ズキッ
「フェリーナ⁇」
「なんでもありません。ですが、少し休みたいのでひとりにしてください」
「わかったよ」
「またお会いできて嬉しいです」
「僕もだよ。じゃあまたね」
「はい......」
この違和感は何?確かに容姿は同じ。でも私が変わっていない?そんなはずがない。私は人間不信になってしまった。昔はそれなりに活発だったと思う。お父様にももう少しおとなしくしていなさいって言われていた。
「あの人は一体どなたなのですか?」
「やあー!アッミンド」
「......グルーム兄上」
「君のお姫様可愛かったよ」
「会ったのか⁉︎」
「うん。僕が君のふりをしたらあっさりと騙されたよ。可哀想な子だ」
ガシッ
「フェリーナに何を言った‼︎」
「ただまた会いたいなって話をしただけだよ」
「グルーム兄上!もしフェリーナに手を出したら僕は許さない」
「クスクス。そんなふうに言われると欲しくなっちゃうな?」
「絶対に手を出させない」
「......」
「僕はフェリーナに会うためにここまで来たんだ。それを兄上なんかに渡すもんか‼︎」
「わかった。わかった。今はおとなしくしているよ。でもそのうち奪いに行くよ。あの子は騙されやすいようだしね」
「......」
「じゃあまたね」
ゴン
「くそ!油断した。兄上がフェリーナを狙うなんて......僕が守ってみせる」
「フェリーナ。そろそろ帰るぞ」
「はい。お父様」
「今日はどうだった」
「はい。懐かしい人にお会いした気がします」
「懐かしい人?」
「はい。私の名前を知っていたのですが......少し違和感を感じたのです」
「......」
「アッミンド王子様の方がなんだか懐かしい感じがしました。もし叶うのならもう一度お会いしたいかもです」
「そうか。ならよかった」
そう言いつつ。陛下の内心は許さない。そんな怒りの感情で埋め尽くされていることをアッミンド王子は知らない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜
文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。
花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。
堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。
帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは?
異世界婚活ファンタジー、開幕。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる