引き篭もり姫

嘘つき

　「フェリーナ容体は?」

　「今は落ち着いています」

　「原因はなんだ?」
　
　「多分なのですが......今まで引き篭もっていた分外に手で人と会いストレスがかかったことによる疲れが原因だと思います」

　「......そうか。もうよい。下がれ」

　「御意」

　「......フェリーナ」

　数日前

　「お父様といろんなところでパーティーやお仕事をしているのは楽しいと思っているのですが......」

　「フェリーナ⁇」

　「い、いいえ。なんでもありません。お父様！私は頑張りますね」

　「ああ。期待している」

　ズキン

　「......はい」

　お父様に嘘をついてしまいました。本当は大丈夫なんかじゃない。なんでもなくもない。疲れた。人と関わるのはがこんなにも怖いなんて......。

　「フェリーナ姫様！私と一曲踊ってください」

　「ごめんなさい。今からテラスで少し休もうと思っていたところなんです」

　「も、申し訳ございませんでした⁉︎そうとは知らずに誘ってしまって......」

　「い、いえ！そんなことはありません。誘っててくださいありがとうございました。機会があればまた......誘ってくださいね」

　「はい。もちろんです！」

　コツコツ

　「......もうやだ」

　ガチャ

　「お家に帰りたい......」

　疲れが溜まる一方だ。

　「このままじゃ駄目。私自身変わらなちゃ！じゃないとお父様にご迷惑をかけてしまう」

　私は嘘つきです。本当は外の世界に行きたくもないですし......パーティーもお仕事も人と関わりすぎてあんまり楽しくなんてない。

　「お父様......私はどうしたいいのですか?」

　「やあっ！フェリーナ。また会ったね」

　「......王子様⁇」

　「あれ?顔色がかなり悪いけど大丈夫なの?」

　「はい......私は......大丈夫です。姫たるものこの程度で......へこたれている場合では......あり......ません」

　バタン

　「フェリーナ⁉︎」

　「......」

　目の前が暗い?どうしてでしょうか⁇目の前に居る王子様の声すら届かない。

　私はそっと目を閉じ深い眠りについた。

　そして数日後

　「......っ」

　「フェリーナ⁉︎」

　「おとう......さま⁇」

　「よかった。本当によかった」

　「何がですか?まだパーティーは終わっていませんよ?」

　「いや。もうパーティーは数日前に終わった」

　「何を言っているのですか?数日前?まるで私が何日も眠っていたかのように......」

　「お前が倒れてからもう五日は経っているんだ」

　「え......」

　「とても心配した。なぜ何も言ってくれなかったんだ?」

　「......」
　　
　「私はそんなに頼りない父親なのか?」

　ばっ！

　「それは違います⁉︎」

　「フェリーナ⁇」

　「お父様はいつも私を守ってくださいました。だからご迷惑をおかけするわけにはいかないのです。そう思いずっと嘘をついていました。私は嘘つきです。本当はこの部屋から出たくなかった。人と会うのがまだとても怖いのです」

　「......」

　「それでもお父様と前みたいな関係になれるなら頑張らなくっちゃって思っていたんです。そのせいでお父様に多大なご迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ございませ......」

　「フェリーナ‼︎」

　ギュッ

　「お、お父様⁉︎」

　「すまなかった。お前の気持ちを考えずに私の気持ちを押し付けて......倒れるまで無理をされて気付けずに本当にすまなかった。こんな父を許してくれるか?」

　「なぜお父様が謝るのです?謝らなければいけないのは私の方です」

　「いや。お前は悪くない。お前がこの部屋から出られなくなった本当の理由を知っているのに無理をさせすぎた。本当にすまなかった」

　「私がこの部屋から出られなくなった本当の理由ですか⁇」

　「ああ......必ず話す。だから少しだけ待てってくれないか⁇」

　「はい。お父様」

　私はお父様に本音で話すのがいつの日からか怖くなっていたようです。だけどお父様と本音でぶつかり合って少しだけ肩の荷が降りたように気がします。

　私は知らなかった。お父様もまた私に嘘をついていたことを私はまだ知らない。