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試練
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前回のあらすじ。
テンペスト学園に連れて来られた私はなぜか両手を拘束されて会議室に「砥部さんが私をまた脇腹に抱え込んだまま」連行されました。
そして現在
私を会議室に待っていたのは小さな子供だった。
「……」
私が言葉を失っていると、小さな女の子がてちてちと歩いて来て、私を冷たい目線でこう言い放った。
「図が高いぞ?テンペスト。アディに平伏しなさい」
「……子供」
私は無意識にそう言った。
私の言葉が頭にきたのか何かを喚き散らした。
「何が子供よ!少なくてもあんたよりは年上よ!こう見えても二十歳超えているのよ?」
そうは言ったが、見た目がどう見ても五歳から七歳前後だ。
「……」
「はーいはーい。アディさん。そこまでですよ」
夢さんが手を叩きながらアディさんを宥めた。
「それにしても砥部さんはいつまで、風華さんを脇腹に抑え込む気ですか?」
そういえば、私はずっと砥部さんに抱えられたまま移動している。なんで?
「俺が持つ方が(このテンペストも連れないし)早い」
「変態!!!!!!!」
アディさんが砥部さんにそう怒鳴りつけた。
砥部さんは心外と言わんばかりにみんなを見た。
「砥部さん。とりあえず、風華さんを離してくだい」
「(風華が他のやつに)襲われるぞ?」
「襲われる?」
私もうあなたに襲われている気がします。
「砥部さんが言うとブーメランになりますね!」
そう不敵な笑みを浮かべたまま私たちを交互に見た。
「とりあえず。このテンペストを一番負の感情を纏っている患者に連れて行く」
アディさんがそう提案してきた。
「一時間耐え抜いたら認めてあげる。テンペストがこの学園に入って来たって知らせを受けた時は今すぐに八つ裂きにしたかった。でも砥部の勝手な判断だったとは言え、これは大きな一歩になるかもしれない」
そう真面目に答え、私をとある病室の前に立たせた。
モヤッ
「……っ!!!!!!!」
何これ?身体中が痛い。熱い。
「グルルル」
私が必死に耐えていると、アディさんが呆れたような顔で私を見ていた。
「ほら。このテンペストも他のテンペストとは違う。早く核を壊してあげる方がこの子の救いになるわよ?」
でもおかしいわ。この子の核が全く見えない。まるで核がないみたいに見えないわ。
「一時間後に様子を見るわ。その前に襲いかかるようだったら殺しなさい」
そう言って、アディさんはいなくなった。
「……」
ギュッ
「風華。そんなに腕を握りしめるな。血が出ている」
「……」
負の感情が欲しい。そう言っている。
欲しい……欲しい……欲しい……欲しい。欲しい!!!!!!!
自分の自我がなくなるようで怖い。
必死に自分を抑えるので精一杯だ。
「「あなたはどんなテンペストになりたいの?」」
不意にそんな声が聞こえてきた。
「……」
どんなテンペストになりたいか?
前にもそんな質問をされた気がする。だけど思い出せない。
「私は……」
私がなりたいテンペストはなに⁇
ポタポタ
「風華!腕を強く掴みすぎだ」
「風華さん」
「こいつは確かに他のテンペストとは違うな」
「「あなたは完全なるテンペストになりたくないの?」」
またこの声が尋ねてきた。
私がなりたいテンペスト……ううん。なりたい自分は!
「強く、なりたい」
私がそっと答えるとその場にいた三人は驚いた顔をして私を見た。
「誰も……傷つけないテンペストになりたい!」
「風華……」
やっぱり俺は間違っていなかった。このテンペストは他のやつは違う。それにこのテンペストとはどこがで会った気がする。思い出せないが、このテンペストは風華は俺たちに光をもたらしてくれると信じている。
「誰にも負けないぐらい強くなって、みんなを守りたい!!!!!!!」
「「そう。それがあなたの答えね?」」
そう少し寂しそうに答え。一言こう言った。
「「何度も質問しても答えは変わらないわね」」
「……」
声が私に近づき「もうお眠り」と言った。
「あ……」
意識が薄れていく。でも負の感情は取り込んでいない。よかった。
「風華逃げて!!!!!!!」
誰?よく見えないけど、必死に誰かが叫んでいる。
「ごめん……俺が弱いから……お前を守れなかった」
誰かが泣いている。泣かないでよ。お願い。泣かないで。
「ど、どうか……みんなを……未来を……世界を……すく、って」
「……夢?」
夢の内容は思い出せないけど、とても大事な夢だった気がする。
「起きたか」
コクリ
私はそっと頷いた。
「ここは俺の部屋だ。お前は(しばらくの間は)俺が監視する」
「……」
「俺が監視するって、トイレやお風呂まで監視するつもり?変態‼︎」
そう後ろからぬっと現れたアディさん。
「俺は変態じゃない」
そう言った。
「あんたをこの学園に迎え入れる。本当は嫌だけど、あんたは一時間耐えた。だから少なくても今は認めてあげるわ」
「ありがと、ございます」
私がお礼を言うと少しで照れ臭そうな顔で笑った。
「あんたこの狐のお面つけなさ」
「えっ?」
私が戸惑っていると説明をしてくれた。
私が気を失っている間に、夢さんがテンペスト化を抑えるための道具を作ってくれたみたいだ。この狐のお面を体のどこかにつけておくと人間と同じ気配になれるらしい。
「あんたは正式にうちの学園に入るわ。この学園には階級があるのよ」
説明。この学園には階級制度があり下から 下級の六、下級の五と言った感じにあり一何上は上級の一らしい。
上級の一は砥部さん、夢さん、サビトさん、アディさんの他にあと九人いるらしい。そう簡単にはその階級になれないし中級の三にならないと単独の任務を与えられないらしい。
訳 それ以降の下の階級ではテンペストに勝つ確率が非常に低く殺されればテンペストになり得るかもしれないから中級の三以下はそれ以上の階級者と共同任務をすることになる。
説明以上
「あんたは一番下から始まるから砥部の言うことを聞くことね」
「わかり、ました」
こうして私はテンペスト学園に正式的に身を置くことになった。
でもこのすぐ後にテンペストと戦うことになるとは今の私は知らない。
テンペスト学園に連れて来られた私はなぜか両手を拘束されて会議室に「砥部さんが私をまた脇腹に抱え込んだまま」連行されました。
そして現在
私を会議室に待っていたのは小さな子供だった。
「……」
私が言葉を失っていると、小さな女の子がてちてちと歩いて来て、私を冷たい目線でこう言い放った。
「図が高いぞ?テンペスト。アディに平伏しなさい」
「……子供」
私は無意識にそう言った。
私の言葉が頭にきたのか何かを喚き散らした。
「何が子供よ!少なくてもあんたよりは年上よ!こう見えても二十歳超えているのよ?」
そうは言ったが、見た目がどう見ても五歳から七歳前後だ。
「……」
「はーいはーい。アディさん。そこまでですよ」
夢さんが手を叩きながらアディさんを宥めた。
「それにしても砥部さんはいつまで、風華さんを脇腹に抑え込む気ですか?」
そういえば、私はずっと砥部さんに抱えられたまま移動している。なんで?
「俺が持つ方が(このテンペストも連れないし)早い」
「変態!!!!!!!」
アディさんが砥部さんにそう怒鳴りつけた。
砥部さんは心外と言わんばかりにみんなを見た。
「砥部さん。とりあえず、風華さんを離してくだい」
「(風華が他のやつに)襲われるぞ?」
「襲われる?」
私もうあなたに襲われている気がします。
「砥部さんが言うとブーメランになりますね!」
そう不敵な笑みを浮かべたまま私たちを交互に見た。
「とりあえず。このテンペストを一番負の感情を纏っている患者に連れて行く」
アディさんがそう提案してきた。
「一時間耐え抜いたら認めてあげる。テンペストがこの学園に入って来たって知らせを受けた時は今すぐに八つ裂きにしたかった。でも砥部の勝手な判断だったとは言え、これは大きな一歩になるかもしれない」
そう真面目に答え、私をとある病室の前に立たせた。
モヤッ
「……っ!!!!!!!」
何これ?身体中が痛い。熱い。
「グルルル」
私が必死に耐えていると、アディさんが呆れたような顔で私を見ていた。
「ほら。このテンペストも他のテンペストとは違う。早く核を壊してあげる方がこの子の救いになるわよ?」
でもおかしいわ。この子の核が全く見えない。まるで核がないみたいに見えないわ。
「一時間後に様子を見るわ。その前に襲いかかるようだったら殺しなさい」
そう言って、アディさんはいなくなった。
「……」
ギュッ
「風華。そんなに腕を握りしめるな。血が出ている」
「……」
負の感情が欲しい。そう言っている。
欲しい……欲しい……欲しい……欲しい。欲しい!!!!!!!
自分の自我がなくなるようで怖い。
必死に自分を抑えるので精一杯だ。
「「あなたはどんなテンペストになりたいの?」」
不意にそんな声が聞こえてきた。
「……」
どんなテンペストになりたいか?
前にもそんな質問をされた気がする。だけど思い出せない。
「私は……」
私がなりたいテンペストはなに⁇
ポタポタ
「風華!腕を強く掴みすぎだ」
「風華さん」
「こいつは確かに他のテンペストとは違うな」
「「あなたは完全なるテンペストになりたくないの?」」
またこの声が尋ねてきた。
私がなりたいテンペスト……ううん。なりたい自分は!
「強く、なりたい」
私がそっと答えるとその場にいた三人は驚いた顔をして私を見た。
「誰も……傷つけないテンペストになりたい!」
「風華……」
やっぱり俺は間違っていなかった。このテンペストは他のやつは違う。それにこのテンペストとはどこがで会った気がする。思い出せないが、このテンペストは風華は俺たちに光をもたらしてくれると信じている。
「誰にも負けないぐらい強くなって、みんなを守りたい!!!!!!!」
「「そう。それがあなたの答えね?」」
そう少し寂しそうに答え。一言こう言った。
「「何度も質問しても答えは変わらないわね」」
「……」
声が私に近づき「もうお眠り」と言った。
「あ……」
意識が薄れていく。でも負の感情は取り込んでいない。よかった。
「風華逃げて!!!!!!!」
誰?よく見えないけど、必死に誰かが叫んでいる。
「ごめん……俺が弱いから……お前を守れなかった」
誰かが泣いている。泣かないでよ。お願い。泣かないで。
「ど、どうか……みんなを……未来を……世界を……すく、って」
「……夢?」
夢の内容は思い出せないけど、とても大事な夢だった気がする。
「起きたか」
コクリ
私はそっと頷いた。
「ここは俺の部屋だ。お前は(しばらくの間は)俺が監視する」
「……」
「俺が監視するって、トイレやお風呂まで監視するつもり?変態‼︎」
そう後ろからぬっと現れたアディさん。
「俺は変態じゃない」
そう言った。
「あんたをこの学園に迎え入れる。本当は嫌だけど、あんたは一時間耐えた。だから少なくても今は認めてあげるわ」
「ありがと、ございます」
私がお礼を言うと少しで照れ臭そうな顔で笑った。
「あんたこの狐のお面つけなさ」
「えっ?」
私が戸惑っていると説明をしてくれた。
私が気を失っている間に、夢さんがテンペスト化を抑えるための道具を作ってくれたみたいだ。この狐のお面を体のどこかにつけておくと人間と同じ気配になれるらしい。
「あんたは正式にうちの学園に入るわ。この学園には階級があるのよ」
説明。この学園には階級制度があり下から 下級の六、下級の五と言った感じにあり一何上は上級の一らしい。
上級の一は砥部さん、夢さん、サビトさん、アディさんの他にあと九人いるらしい。そう簡単にはその階級になれないし中級の三にならないと単独の任務を与えられないらしい。
訳 それ以降の下の階級ではテンペストに勝つ確率が非常に低く殺されればテンペストになり得るかもしれないから中級の三以下はそれ以上の階級者と共同任務をすることになる。
説明以上
「あんたは一番下から始まるから砥部の言うことを聞くことね」
「わかり、ました」
こうして私はテンペスト学園に正式的に身を置くことになった。
でもこのすぐ後にテンペストと戦うことになるとは今の私は知らない。
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