テンペスト

上野佐栁

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勝利

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 「これで全部おしまいですわよ」  
  
 そう甲高い声で笑い数えきれないほどの鎖と棘を出し私たちを覆い尽くす。

 「砥部さん。どうしますか?」

 風華は冷静だ。

 「風華は周りの遺物どもを斬り落とせ!」

 俺がそう指示すると、風華は右に逸れて後ろに下がりそのまま助走をつけてテンペストに向かうふりをした。

 俺は異物に紛れて範囲の外へと出ていき様子を疑う。

 「なんなんですの?」
  
 風華がなかなか自分のところに来ないので不思議に思いながらも応戦している。

 風華も負けていない。刀で異物を斬り裂きテンペストにもダメージを与えている。

 「本当に互角だ」

 風華は急速に強くなっている。砂蔓が死んだのは自分のせいだと責めて責めて続けていた。

 怪我が治るとすぐに鍛錬をした。

 だが、刀の使い方がめちゃくちゃだ。やはり誰かがしっかりと教え込む必要がある。

 もし正しい使い方をしたのならきっと、風華は誰よりも強くなるだろう。

 そうこうしているうちに風華がほとんどの異物を斬りテンペストとの距離を詰める。

 そのタイミングで俺もテンペストとの距離を一気に縮めて刀で手足を斬り動けなくした。

 テンペストは黄色い悲鳴を上げてその場に倒れ込む。

 「うわあああ!!!!!!!」

 ちぎれた手足を見てテンペストは発狂した。

 「手が!足が!アアアアアア⁉︎わたくしの体が!いや。いやああああ!!!!!!!」

 もう戦う気力すらないのか体を仰向けにして笑いながらこう言った。

 「これで満足ですの?テンペストだからって簡単に核を破壊するあなた方の方がよっぽどひどい人間ですわね⁇」

 俺が何か言う前に風華が口を挟んだ。

 「テンペストだから。人間だからって関係ないと思います」

 辺りがシーンと静まり返り尚も風華は続けた。

 「誰かを失う痛みは人間でもテンペストでも変わらない。私はそう思います。その罪を受けるのも人もテンペストも同じ。そうじゃないんですか?」

 風華は真顔だが、目の前のテンペストには何か思うことがあったのかそのまま目を閉じ核を破壊されるのを待った。

 「わたくしも人のことがもう言えない立場なのですね?」

 全てを諦めた顔で早く核を壊せとこちらを見る。

 「わたくしの核は心臓の中。さぁ、早くお壊しなさい。もういいですわ。あのお方に支えるのは疲れましたわ」

 そう言った。
  
 「待ってください。まだテンペストの始祖の話を聞けていません。それを聞くまでは私も砥部さんも終われない」

 たしかに風華が入っているからは俺たちの目的である。始祖を倒すまでは俺も風華もテンペスト学園のみんなも終われない。

 「わたくしはお話しするつもりはございませんわ。たとえ拷問されようとも言えることはありませんわ。ですが、ひとつ言うのなら雨晴 風華様。あなた様はテンペストストーンをお使いなさい。そうすれば勝つ確率は上がるはずですわ」

 それだけ言ってテンペストは黙ってしまった。

 これ以上はなにも聞き出せないと思いテンペストの核を壊した。

 テンペストはすぐに崩れ落ち消えた。

 「砥部さん。本当に良かったんですか?」
  
 風華は不安げにそう言った。

 それもそうだ。始祖のことについて知るちゃんするを俺は不意にしたのだから。

 そのあとは風華は無理やりにでも学園へと戻しいつも通りの生活に戻るのであった。
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