テンペスト

上野佐栁

文字の大きさ
27 / 29

共同作業

しおりを挟む
 「砥部さんは絶対に死なせない‼︎」

 「風華か?」

 あの傷を治したのか?それに目が赤い。確実にテンペスト化している。このまま戦わせていいのか?

 俺は迷っていると、風華は俺の手をそっと取り微笑みながらこう言った。

 「ひとりでは無理でも二人一緒なら勝てます」

 「……」

 大丈夫。風華は普通のテンペストとは違う。テンペスト化はしない。なぜだがわからないがそう確信した。

 「風華!お前は俺の援護をしろ。俺があのテンペストの核を壊す」

 俺がそう命令すると風華は頷き少し後ろに下がり指示を待つ。

 「笑わせないでくださいます?わたくしに勝つ?ばかも休み休みに言ってくださいまし!」

 テンペストは怒った顔でそう言い、鎖を俺たちを囲むように絡めた。

 「これに逃れられた者はいませんのよ⁇」

 そう叫びさらに鎖を増やす。

 「砥部さん。私が鎖を切り落とします。なので、テンペストに集中してください!!!!!!!」
  
 風華は刀で鎖を片っ端から切り落とす。

 「な、なっ⁉︎」

 これは予想外だったのか驚き一瞬怯む。

 「うふふ。あははは!」

 不意に狂ったかのように笑い俺たちを交互に見てくすりと笑う。

 「これがわたくしの本気だと思ってもらっては困りますわ?」

 そう言って、二、三歩下がったかと思うと手を地面につけて叫んだ。

 「鎖の茨城!!!!!!!」

 そう言うと、俺と風華の周りに鎖と棘が俺たちを囲むように円を作る。

 「これはわたくしの大技ですわ。ここから逃れられた者はいない。風華様は助けるとしてもあなたは助けて差し上げませんこと!」

 そう勝ち誇ったかのように声を上げる。

 「砥部さん。どうします?見る限り出口は見当たりませんね?」

 風華が冷静にそう言う。
  
 俺が何か言う前に鎖と棘があっちこっちから俺たちの方へと伸びてきて攻撃をする。

 「砥部さん。この鎖と棘を任せてもいいですか?」

 風華がそう叫び俺たちを囲む鎖を蹴りつける。

 ゴンッ

 「硬い。でもこれなら突破できます!」

 風華がそう言うので、俺はその言葉を信じ伸びてくる攻撃をがむしゃらに斬りつける。

 「あと少し!」

 数十分後

 「そろそろ死んだ頃かしら?」

 ドコォ

 「な、なんと音ですの?」

 ブスッ

 「えっ?なぜわたくしの腕に刀が刺さっているのですの⁉︎」

 意味がわからないと首を振り理解される前に風華がテンペストを叩く。

 ドンッ

 「ぐああ!」

 あまりにも痛かったのか悲鳴を上げた。

 「よくも。よくもよくもよくも!一度ならぬ二度までもわたくしの体に傷を!許しませんわよ!」

 そもそもどうやってあの空間を?

 鎖が不思議に思い辺りを見渡すと、さっき自分が作った檻の一部が穴が空いていた。

 「ま、まさか!何度も何度も何度も同じ箇所を攻撃し続けて壊したんですの⁉︎」

 そう鎖が聞いてきた。

 風華は頷いた。

 「ありませんわ!」

 だとすると、壊した後、わたくしに刀を投げつけると同時にあの男を置いて自分だけ捨て身を覚悟で突っ込んだ?

 「ばかでいますわよ。そんなでたらめが通じるなど思っていたなんて……」

 鎖はふらふらと前に出て行き数えきれない鎖と棘を繰り出した。

 「これで本当に終わりですわよ!」

 そう言って甲高い声で笑うのであった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「美少女157人も召喚できるだと!?」社畜の俺、尖ったトラウマを全部『まあるく』収めて大賢者になる。── やっぱりせかいはまあるいほうがいい

あとりえむ
ファンタジー
『ヒロイン全員 挿絵付き』の異世界セラピーファンタジー。あなたの推しのヒロインは誰ですか? 「やはり、世界は丸いほうがいい……」 過労死した元データアナリスト参 一肆(まいる かずし)が女神様から授かったのは、アホみたいな数式から導き出された究極のハーレム召喚だった。 157人のヒロインたちに埋もれて、尖った世界を『まあるく』浄化しくしていく…… Dカップの村娘からIカップの竜の姫君まで、あらゆる属性のヒロイン達と一緒に、襲い来る「社畜のトラウマ」に立ち向かう。 全人類の半分の夢が詰め込まれた、極上のスキンシップの冒険譚が今開幕する!

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と側室母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣

織部
ファンタジー
 ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。  背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。  母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。  セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。  彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。  セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。 「セラ、ウミ」 「ええ、そうよ。海」 ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します! カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。

無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。  不定期投稿作品です。

処理中です...