ある日突然、アンドロイドが家に居た件について

上野佐栁

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反撃

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 「いいか、クルル。人を襲っては、いけない事だ‼︎もう絶対にするなよ⁇ 喧嘩をもするなよ⁇」
 「はい」
 「何かあったら、俺が守ってやるから」
 「ありがとうございます」
 「......」
 放課後
 「ツムグ遅いな......」
 数十分前
 「雑賀、ちょっと来い」
 「あっはい」
 「私も行きます」
 「クルルは駄目だ‼︎校門の前で待っていろよ⁇絶テェー喧嘩するなよ⁇」
 「はい」
 今
 「はじめまして。貴方もアンドロイドですよね⁇」
 「はいそうです」
 「じゃ、死んでください‼︎」
 「はい⁇」
 バンッ
 「きゃあああ!?」
 「拳銃‼︎」
 「アンドロイドが襲われている‼︎」
 「だ、誰か警察呼んで‼︎」
 「せ、先生も呼んで‼︎」
 「うっ......」
 「どうかしましたか⁇攻撃しないのですの⁇あははは‼︎このまま壊されてしまいますよ⁇いひひ‼︎」
 「いいか、クルル。人を襲っては、いけない事だ‼︎もう絶対にするなよ⁇ 喧嘩をもするなよ⁇」
 「マスターの言葉は絶対」
 「ん?なんの騒ぎだ⁇」
 「雑賀君‼︎ちょうど良かった‼︎貴方のアンドロイドが襲われているの‼︎」
 「はあ!?」
 「抵抗もしないなんて、なんてつまらない人なのでしょう⁇あっそうでしたわ。貴方は人間ではありませんでしたね⁇いひひひひひ‼︎」
 「クルル‼︎」
 「ま、マスター⁇」
 「なんで、攻撃しないんだ⁇」
 「言われたから」
 「は?」
 「絶対に人を襲うな。喧嘩をするなって言われましたから」
 「その言葉を守る為に戦わないのか⁇俺の命令を聞く為だけに⁇」
 「はい」
 「なんだよそれ。俺のせいで、クルルが......ちくしょう‼︎じゃ、クルル‼︎命令だ‼︎目の前の奴をぶっ倒せ‼︎」
 「いいのですか⁇」
 「ああ‼︎責任は俺が取る‼︎だからやれ‼︎クルル‼︎」
 「はい。マスター‼︎」
 「なっ!?」
 バン
 「これはこれは、驚きましたわ。まさか、貴方も私の同じ、境遇なのですね⁇」
 「なんの話かわからない」
 「もしかして、メモリーが全部吹っ飛んでしまったのですの⁇いひひ。あははは‼︎面白すぎますわ‼︎あははは......ぐぇ!?」
 バンバンバン
 「同じ拳銃を使えるなら、私の方が有利ですわ‼︎」
 「きゃあああ‼︎」
 「......っ‼︎」
 「人間を守りながら、戦っている⁇ありえませんわ!アンドロイドは人を守る力なんてありませんのよ⁇ましてや、不正に作られたアンドロイドが人間を守るなんて、ありえませんわ‼︎」
 「私は、マスターに......ツムグに従う‼︎」
 「怪我もしているのに、私と同等の力を持っていますのね⁇人間なんて、私達の足元にも及ばないのに、守るなんて、愚かですわね‼︎いひひ‼︎今日の所は引き下がりますわ。ですが......次は壊して差し上げますわよ。いひひ」
 「はぁー」
 「クルル‼︎平気か⁇怪我は⁇どのぐらい酷いんだ⁇俺に見せてくれ‼︎」
 「このぐらい平気です」
 「なんで、そんな無表情のままで、居られるんだ‼︎痛いんだろ⁇」
 「はい。少しですが、痛みます」
 「なら、自分の体を大事にしろよ」
 「何故ですか⁇」
 「は?」
 「私は、アンドロイドです。壊れても問題ありません」
 「俺が嫌だから‼︎」
 「......え⁇」
 「俺が守るって言ったのに、何も出来なくて情けない‼︎だから、クルルは無茶すんな‼︎いいなぁ⁇」
 「はい。わかりました」
 なんだろう⁇私には心なんて、存在しないはずなのに、どこか暖かい。
 「帰るぞ‼︎傷を手当てしに行こう‼︎」
 「はい」
 この時初めて、クルルに何かが芽生えた。その事に、俺が気づくのはもう少し後になる。
 
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