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宇宙その1

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 「疑問。貴方はなぜ、ユナ達アンドロイドに優しくするのですか⁇」
 「よくわからない。でもほっとけないんだ。クルルと出会ってから、俺の人生が百八十度変わったけどな、ティーナ達と出会えて、心がぽかぽかするんだ」
 「納得。つまり貴方は、師匠の事が大好きっと解釈してよろしいのですか⁇」
 「そうだな」
 皆んなさんこんにちは。クルルです。最近の私はどこかおかしい。ツムグは私のマスターで、これからも変わらない。でも、数日前
 「クルル。あんたのマスターは、私のマスターにもなったからね」
 「え......」
 ズキン
 「どうしたの?」
 「なんでもない」
 あれからずっと胸が痛い。ツムグが誰とマスター登録しようと、私には咎める資格もない。それなのに胸が痛くて苦しい。此間、ツムグが、ユナのマスターにした時も胸が張り裂けそうだった。きっと私は、ツムグを独占したいんだっとわかった。私だけのマイマスターで居て欲しいんだ。そんなのはただのわがまま。
 「攻撃。雑賀ツムグを排除します」
 「お前......ユナじゃないだろ⁇」
 「な、なぜわかった!?」
 「だって、髪の長さも違うしそれに......」
 「どこ見て言っておる‼︎」
 「いやその、ごめんな」
 「うっさいわ!わしを馬鹿にしておるのか⁇」
 「いやいやそんなつもりじゃ......」
 「否定。馬鹿にしているわけではないみたいです」
 「ユナ!何をしておる!さっさと帰るぞ」
 「疑問。ユナはあの方とのマスター登録は無くなりました。なので帰る義務がありません」
 「んだとこら!お主が帰らんから心配しておるのじゃ‼︎」
 「否定。貴方はただ、あの方に言われて来ただけです。違いますか⁇」
 「違うわ!わっちは、ユナが心配なだけで......」
 「疑問。さっきと喋り方が違います」
 「そんなの関係ないわ」
 「結論。口調を変えるのはダサいです。ぷっくすくす」
 「笑うな‼︎わっちのこと馬鹿にしているのか⁇」
 「公認。ルーアーから認めました。ぷっくすくす」
 「だから笑うな‼︎あんたとわっちの力は二人で初めてひとつなのよ‼︎」
 「同意。ユナは大地の力。ルーアーは大空......宇宙の力とも言います」
 「あんたね、いい加減に帰って来なさいよ‼︎」
 「無視。ツムグ帰りましょう」
 「あ、ああ」
 「何無視してくれちゃってるのよ‼︎それにあんな男にたぶらかされて恥ずかしくないの⁇」
 「否定。ツムグの事は好きでもなんでもありません。ただ、マスター登録は済ませました。それだけの関係です」
 グサッ
 「うぐっ。直接言われると心に刺さる」
 「はあああ!?何してくれちゃってるの⁇あんたを引きずってでも連れ帰るんだから‼︎」
 「否定。貴方には出来ません。地球にいる限り、ユナの力は何倍にも強くなります」
 「はあああ⁇わっちが、ユナに勝てないって言いたいの⁇」
 「肯定。その通りです」
 「はあああ!?宇宙に行って、地球ごとぶっ壊してやる‼︎」
 「って‼︎あいつマジで、宇宙の方へと飛んで行ったぞ‼︎」
 「同意。追いかけます」
 「その話、私達にも詳しく話しなさいよ」
 「地球を壊されるのは困る。ツムグが生きていけない。他の人達はどうでもいい」
 「どうでも良くはないですよ⁇」
 「要求。ユナと一緒に宇宙に言ってくれますか⁇」
 「マスターの為ならどこにでも行きます‼︎」
 「私達は、ツムグの為に出来ることをするまでよ」
 「まあ、しょうがないわね。ツムグの為だと思って協力するわよ」
 「感謝。皆さんがそう言ってくれて嬉しいです。ありがとうございます」
 「俺も一緒に行くよ」
 「否定。それは駄目です」
 「あんたは、宇宙では息が出来ない。そんな状態で何が出来るの⁇」
 「私達、アンドロイドに任せるべき」
 「必ず生きて帰るから心配しないで」
 「わかった。死んだらただじゃおかないからな‼︎」 
 「承知。わかりました」
 「ふん。マスターだから一応言うこと聞いているだけだし、あんたのためじゃないんだからね‼︎」
 「もう少し、ティーナは素直になってよ。ツムグの言う事は絶対だね」
 「ツムグが悲しむ事はしない」
 「気をつけろよ」
 「はい」
 「うん」
 「えぇ」
 「了承。わかりました」
 俺は、クルル達を見送ることしか出来ないのか⁇そう思った。
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