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宇宙その3

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 「言っておきますが、私はこの星から出るつもりはありませんわよ」
 「は⁇」
 「この先は、ツムグさんを投げ飛ばしますわよ」
 「は?はあああ!?」
 「行きますわよ」
 「ちょっと待ってくれよおおおお‼︎」
 俺は、アナステラによって、地球の外へと放り出された。
 一方宇宙では
 「強い」
 「ザインル」
 「そんなもの、わっちには効かんわ‼︎」  
 「指摘。多少のダメージはあるはずです‼︎」
 「そんなのかすり傷だわ‼︎」
 「否定。ザインルの力をみくびるのも大概にしなさい‼︎」
 「うっさいわ‼︎これで決めてあげる‼︎エリアル‼︎」
 「クルル‼︎」
 「えっ?つ、ツムグ!?どうして此処に⁇」
 「うわあああ‼︎」
 「ツムグ!?このままだと隕石に直撃する‼︎」
 「任せて‼︎グラビテーション‼︎」
 「わあああああ!?」
 ギュッ
 「ほんっと、あんたって馬鹿ね‼︎それに、どうやったかは知らないけど、宇宙で息が出来ているって事は、また、アンドロイドに力を貸してもらったのね⁇」
 「ああ。アナステラが手を貸してくれたんだ」
 「あ、アナステラが!?ありえない。あんな奴、ただの殺人鬼なのに‼︎」
 「ツツリ‼︎アナステラも根っからの悪人じゃないんだよ‼︎あいつも根はいい奴なんだよ‼︎」
 「信じられない。貴方の言葉を信じたいけど、信じるのが怖い」
 「大丈夫だ。俺は、お前達アンドロイドに嘘は絶対に言わない‼︎約束だ」
 「ツムグがそう言うなら、私は信じます」
 「肯定。ツムグは、ユナ達に一度も嘘を言っていません。だから、ユナも、ツムグを信じます」
 「フンッ‼︎あんたの言う事は一応信じてあげるわ‼︎マスターだし......信用しているのよ‼︎悪い‼︎」
 「俺、まだ何も言ってねぇけど⁇」
 「私も、ツムグを信じるわ。怖いけど、ツムグは私のヒーローだから‼︎」
 「ありがとう」
 「なんなのよ‼︎わっちを無視していい感じの雰囲気を出すなよ‼︎」
 「結論。ユナ達の想いは変わりません‼︎ルーアー‼︎こんな事するべきではありません‼︎」
 「うっさいわ‼︎わっちは、ユナの為に......」
 「否定。ユナの為と言いながら、自分の利益になる事しかしていない貴方に、そんな事を言う資格はありません‼︎」
 「!?だったら本気で、この世界をぶっ壊してあげるわ‼︎」
 「そうはさせない‼︎ボム‼︎」
 「爆弾如きに、わしをやれるなんて思うなよ‼︎エリアル‼︎ユニバース‼︎」
 「グラビテーション‼︎あんたの攻撃は全部‼︎私に引き寄せる‼︎」
 「邪魔をするな‼︎」
 「攻撃。アース‼︎」
 「地球ごと、わっちにぶつける気か‼︎」
 「肯定。そうです‼︎」
 「くっ‼︎エリアルううう‼︎」
 「そうはさせないって何度も言っているでしょうが‼︎グラビテーション‼︎」
 「ザインル‼︎」
 バン
 「なんて数!?」
 「リンクバルト‼︎」
 「くっ‼︎」
 「結論。貴方は、ユナ達には勝てません‼︎」
 「ああああああああ‼︎」
 しばらくの間、ルーアーが動かないと思ったら、ユナに話し方始めた。
 「ねぇ、ユナ......わっちが昔言っていた事覚えている⁇」
 「応答。なんの話でしょうか⁇」
 「二人ならどこまでも行けるよねって言ってたよね⁇」
 「回答。そうですね」
 「俺は、二人に争ってほしくねぇんでよ‼︎」
 「いきなり割り込むなよ‼︎」
 「軽蔑。割り込むなんて、小学生以下......いいえ、赤ちゃん以下です‼︎」
 「俺、生まれてもないんだけど‼︎」
 「貴様に何か言う資格なんてないじゃろ⁇」
 「同意。これは、ユナ達の問題です。口を挟まないでください‼︎」
 「俺は嫌なんだよ!二人が争うのが、嫌なんだ‼︎だって、二人ともとっても互いを思っているじゃねぇかよ!」  
 「貴様に何がわかる‼︎」
 「肯定。その通りです‼︎何も知らない貴方にとやかく言われる筋合いはありません‼︎」
 「少なくても、ユナは知っている‼︎アンドロイドは守るって決めたんだよ‼︎」
 「貴様に何が出来るの⁇」
 「質問。どうしてそこまでするのですか⁇」
 「誰かを傷つけてほしくねぇからだよ‼︎だって、お前の事がダチとして好きなんだよ‼︎」
 「へ、変なこと言わないでよ‼︎」
 「ど、同感。その通りです‼︎」
 「俺はもう何も言わない‼︎二人で話せ‼︎」
 「あいつには困ったもんよね‼︎」
 「同意。本当にです。」
 「......ごめん。ユナの気持ちを考えないで、自分勝手な行動をしすぎたよ。わっちはただ、ユナと一緒に居たかっただけたのに......」
 「応答。ユナもです。ルーアーといつまでも一緒に居たいです」
 「ユナ‼︎」
 「ルーアー‼︎」
 二人がそれぞれ手を伸ばしたその時
 「伏せなさい‼︎」
 「なんの騒ぎた⁇」
 「不明。わかりません」
 「隕石が......物凄いでかい隕石が堕ちて来るわ‼︎私の力じゃ止められない‼︎」
 「ちょっと待て‼︎わっちは何もしてないぞ‼︎」
 「可能性だけど、私達の力が激突した事で、隕石がこっちに引き寄せられたのかも‼︎」
 「そんなことになったら......」
 「世界は滅亡」
 「そんな事させるか‼︎」
 「ツムグ‼︎」
 「俺がなんとかする‼︎」
 「あんたに何が出来るの⁇」
 「同意。そうですよ‼︎」
 「わっち達ならまだしも、貴様なんかにどうにか出来る問題じゃないわ‼︎」
 「やれるさ‼︎俺ならな‼︎」
 「ザインル⁇」
 「ザインルが反応している」
 「どういうこと⁇」
 「わっかんないわよ‼︎」
 パキン
 「二つに別れた!?」
 「きっと、ツムグの想いに応えて、ザインルが、ツムグを主人として認めた⁇」
 「そんなことあるわけないわ‼︎ザインルを使いこなせるわけないわ‼︎」
 「やってやるさ‼︎ザインル‼︎」
 堕ちてくる隕石に目がけて、俺はザインルを放った。
 「な、何この光!?」
 「不明。わかりません‼︎」
 「人間にそんな力があるなんて、ありえん‼︎」
 気がつくと、隕石はこっぱみじんになっていた。
 「か、確認。隕石消滅を確認しました」
 「......嘘」
 「......」
 俺は、力が抜けて地球の方へと堕ちていった。
 「ツムグ!?」
 そっと、クルルから抱き締めてくれる。それだけで安心をした。
 ギュッ
 「このまま、博士の所に行こう」
 「えぇ」
 「了承。わかりました」
 「わ、わっちのせいでごめんなさい」
 「その話はまた後で‼︎」
 「さっさと来なさいよ‼︎」
 「わ、わかった」
 俺達は地球へと戻ったのであった。
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