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双子のアンドロイド

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 俺達は地球に戻って手当を受けていた。
 「貴様......あんた、ツムグって言うんでしょ⁇」
 「そうだけど、それがどうした⁇」
 「あんたには感謝しているわ。地球を守ってくれてありがとう」
 「さっきまで、地球をぶっ壊そうとした奴の出てくる台詞だとは思えん。」
 「う、うるさいわ‼︎わっちはあんたの事、その気に入ったわ‼︎愛してあげるわ‼︎」
 「敬愛。ユナも貴方を生涯愛してあげます」
 「は、はあああ!?なんだこの状況!?」
 ユナと、ルーアーはそれぞれ俺の両腕にしがみついた。
 「あんたって変わっているけど、かっこいいわ。わっちはあんたならマスターになってもらってもいいと思っているわ」
 「同感。ユナもそう思います」
 「......」
 「クルル‼︎ちょうど良かった。こいつらを引き剥がすの手伝っ......」
 ガシッ
 「く、クルル......さん⁇」
 クルルは、俺の真正面にしがみついた。
 「え、えーと......これはどういう状況なの!?」
 「私のマスターです‼︎」
 「復唱。ユナのマスターでもあります」
 「わっちもこれからマスター登録してもらうし、貴様だけのマスターだと思うなよ⁇」
 「それでも最初に、ツムグを見つけたのは私です‼︎私の方が愛しています‼︎」
 「見つけたのは俺なんだけど‼︎ってか、クルルが俺の事が好き!?嘘だろ!?」
 「あああー‼︎あんたら何しているのよ‼︎」
 「ツムグは渡さない‼︎」
 「全員で俺にしがみつくなよ‼︎」  
 この後、俺は散々な目にあった。その事については、想像にお任せする。ちなみに、ルーアーと無事にマスター登録を済ました。
 次の日
 「えー。また、アンドロイドの転校生が来た。今回は二人だ。二人ともマスターが居るみたいだ。ちなみにそのマスターは、雑賀だ。襲うなよ⁇」
 「だから襲わないって‼︎何がしたいんだ‼︎あの先生は‼︎」
 「はぁー。入れ」
 ガラガラ
 「皆の者、わしの名前は、ルーアーだ‼︎わしを崇め続けろ‼︎」
 「なんて挨拶しているんだよ‼︎」
 「会釈。ユナです。早く馴染めるように頑張りますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」
 「こっちはこっで、堅苦しい‼︎」
 「愛しておるぞ‼︎ツムグ‼︎」
 「は?」
 「敬愛。何があっても貴方を愛します。見捨てる選択肢はありません」
 「あ、ああ」
 「良かったわね」
 「ちょっと待って‼︎勝手に割り込んで置いて、ツムグを自分達の者になったなんて、思わないで‼︎」
 「ツツリ!?」
 ダンッ
 「く、クルル⁇」
 「この中で、ツムグを一番愛しているのは私です‼︎」
 「ツムグの愛なら誰にも負けない‼︎」
 「ほぉうん⁇わしらに勝つ気か⁇無理があるのう。なぁ、ユナ‼︎」
 「肯定。その通りです‼︎ユナ達の愛は二人分もあります‼︎なので負けません‼︎」
 「ちょっと‼︎私だけ除け者にすんじゃないわよ‼︎私だって、ツムグを愛しているわ‼︎この気持ちは負けないんだから‼︎」
 「俺のために争わないで‼︎」
 「陰きゃからこの台詞が出てくる日が来るなんて......世界滅亡か?」
 「重いわ‼︎」
 「愛なら負ける気がしない‼︎」
 「マスターを渡すわけがない‼︎」
 「復唱。たとえ、師匠の頼みでも、ツムグを渡すわけありません‼︎」  
 「わしならに勝つなんて百年早いわ‼︎」
 「割り込みするんじゃないわよ‼︎」
 「むぅー‼︎」
 「ツムグは誰を選ぶの⁇」
 「ツムグは誰を選ぶんじゃ⁇」
 「質問。ツムグは誰を選ぶのですか⁇」
 「この話はパスうううう‼︎」
 「あっ!逃げだ‼︎」
 「捕まえるわよ!」
 「了解‼︎」
 「ツムグ‼︎」
 「わっち達から逃げ切れると思うな‼︎」
 「追跡。逃がしません‼︎」
 この後、ツムグはめちゃくちゃ追いかけられたのであった。
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