ある日突然、アンドロイドが家に居た件について

上野佐栁

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一番古いアンドロイド

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 俺の名前は、雑賀ツムグだ。俺は今、クルルとデートをしている。何故そうなったかというと、少し前に俺が暴走して、クルル達アンドロイドが俺を止めてくれた。だからそのお礼にデートをする事になった。順番は、ティーナ、ツツリ、リーフ、ミルク、沙由里、ルーアーとユナ、空、クルルだ。
 このデートまじで大変だった。妙に距離近いし、すぐに抱きつくし色々とされるしもう大変って言葉じゃあ言えないかもしれん。
 「ツムグ。今日は公園で休みましょう?」
 「え?それでいいの?」
 「うん。今日のデートは、ツムグを癒すことだから」
 「い、癒す?」
 そう言って、クルルはベンチに座り膝をポンポンと手で軽く叩いた。
 「あの......これは一体?」
 「膝枕」
 「ひ、膝枕!?」
 「うん。おいで」
 「は、はい」
 そっと、クルルの太ももに頭を乗せる。
 「や、柔らかい」
 「そう。良かった」
 って、何を言っているんだよ!俺は!?
 「此処数日間お疲れ様です。マスター」
 「あ、ああ......サン......キュー......な」
 疲れていたせいもあって、横になった瞬間に寝てしまった。
 「おやすみなさい。マスター」
 シャラン
 「ん?なんの音?」
 「お主はマスターが大事か?」
 「......誰?」
 「妾は......天之川ステラ。お主達よりも更に古いアンドロイドじゃ。もう百年近くは生きおるな」
 「......え」
 「見えんじゃろう?こう見えても婆様なんじゃよ」
 「......」
 「そう警戒せんでも良いじゃろ?妾はお主に問いかけに来たんじゃ。お主は幸せか?」
 「え?しあわ......」
 そう言いかけた時、あの時の胸の痛みを思い出した。私だけのマイマスターだったはずのツムグはもう皆んなのマスターなんだと思い知らされる。
 「独占したいじゃろ?だったらその男を殺せばお主だけの物になるぞ」
 「......」  
 「妾が願いを叶えてあげようか?妾はの力を風じゃが、人一人殺すぐらいなのは簡単じゃ」
 「......させない」
 「ほぉう?お主は強い。しかし......マスター登録をして弱くなった。お主には妾を倒す事は出来ぬ。大人しく諦めるのじゃな」
 「ザインル‼︎」
 どのぐらい経っただろうか。俺はドーンと言う音で目を覚ました。
 「......んー?なんの音だ?」
 「おー。起きたか?」
 「......は?クルル⁇」  
 「......」
 「くくく。お主は起きるのがちっとばかし遅かろう」
 「おい。クルルに何したんだよ?」
 「少し眠らせたと言っておこう。お主は其奴が大事なのか?」
 「当たり前だ!アンドロイドは俺の家族だ!」
 「そう言ってもらえて其奴も嬉しかろう。しかしお主には死んでもらうぞ。その方が其奴のためになるじゃろう」
 「グラビテーション‼︎」
 「なっ!?」
 「クルルちゃん!大丈夫なんだし?」
 「気を失っているだけみたいです」  
 「よ、よかった」
 「うむ。久しいな。リーフ殿」
 「......ステラ⁇」
 「知り合いなの?」
 「はい。ステラは私達の中でも一番最初に造られたアンドロイド旧型のチップを使っているはずです。皆さんのは私よりも一つ世代が下の新旧型です」
 「へ、へぇー」
 「此奴何者?」
 「ツムグさんのことですか?」
 「そうじゃ。この者何者じゃ?普通はこんなにもアンドロイドのマスターなどになれはずなかろう?」
 「そうですね。ですが、なれるんですよ。ツムグさんならですけどね」
 「......お主に興味を持った。少しの間お主の側に居ようぞ」
 「は?」
 「気に入ったらマスターにしてやらん事もないぞ」
 「あ、相変わらず気まぐれ屋さんですね?」
 「良いではないか。良いではないか」
 こうして、新たなアンドロイド、天之川ステラが俺達の元に来た。このアンドロイドがのちにとんでもないことをする事はまだ知らない。
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