ある日突然、アンドロイドが家に居た件について

上野佐栁

文字の大きさ
35 / 41

一人は嫌だ

しおりを挟む
 「質問。この方は誰ですか?」
 「またアンドロイド?あんたも物好きだね?」
 「ツム君!あたし達が居るのにまだアンドロイドのマスターになる気ですか?むぅー!」
 「え、えーと、俺にはよくわからん」
 「お主らも此奴のアンドロイドか?」
 「はい。そうでーす‼︎」
 「うむ。そうだ。わし達は、ツムグのアンドロイドであり、わしらのマスターであるぞ」
 「肯定。ツムグがマスターになってくれてとてもユナは嬉しいです」
 「ふーん。愛されておるのう」
 「......」
 俺の名前は、雑賀ツムグだ。よくわからないうちにアンドロイドのステラが、俺達が住んで居るアンドロイドハウスにやって来た。
 「ツムグ殿。お主はアンドロイドに愛されておるのう。妾もお主を気に居るかもしれんのう。くくく。妾もツムグと呼ぶとしようぞ」
 「は、はぁー?」
 「ツムグ君!僕達に出来る事があったらなんでも言ってね?」
 「あ、ああ。ありがとうな?」
 「うちのマスターを取られるのは嫌なんだし!」
 「あんたねぇ、いきなり来て、ツムグを独占しようとすんじゃないわよ!」
 「いきなりの横槍は許さない」
 「ツムグさんって、色んなアンドロイド......しかも女の子にモテますね」
 「ツムグ。私が最初のアンドロイドだよ?忘れないで」
 「なんの話だ‼︎」
 「拙僧な奴らだな」
 「何ですって‼︎」
 「お、落ち着け‼︎」
 「確認。ツムグはこのアンドロイドのマスターになる気ですか?」  
 「え?あ、ああ。俺はアンドロイドを救いたいからな」
 「......面白いのう」
 「え?」
 「妾はお主を気に入りつつある。感謝せよ」
 「は、はぁー?」
 「あの、ツムグさん。少しいいですか?」
 「ん?どうした?」
 「此処では何なんで、少し外に出てもらえますか?」
 「別にいいけど......」
 とある空き地
 「此処ならいいですね」
 「で、話って何だ?」
 「ステラの事ですが、気を付けてください」
 「え?気を付けろって......何で?」
 「あの子は人に依存するタイプです。一度依存されれば死ぬまで解放してくれません。それに......ステラは一度依存したらその人以外いらないって思って消すかもしれないんです」
 「......」
 「この話を信じるかどうかは、ツムグさん。貴方自身です」
 「......わかった。肝に免じておくよ」
 「はい」
 次の日学校
 「えー。また、この学校にアンドロイドが来た。マスターは居ないがお前ら襲うなよ?」
 「だから襲わないってば!?」
 「誘拐もするなよ?」
 「するかよ!」
 「入れ」
 ガラガラ
 「通いの季節じゃのう」
 「通いの季節って何!?」
 「妾は、天之川ステラじゃ。お主らのことは興味持たんが好きになりかけの人が居るのじゃよ。その人を追って此処まで来た。まぁよろしく頼むぞ」
 「......好きになりかけねぇ?」
 「何だ?ティーナ⁇」
 「ツムグ。浮気者」
 「何なんだよ!」
 「マスター」
 「なんだ......」
 「......」
 「......」
 「......」
 「......」
 「なんか言えよ!」
 「ツムグあんた、また女の子を引っ掛けるの?最低なんだし」
 「違うわ!」
 「つ、ツムグ君。僕は君を信じているからね」
 「あははは。レット君は正直言って、ツムグはヘタレだって思ってるよ」
 「いきなりの悪口」
 「おい。ツムグ。わっち達と言うものがありながら他の女子と和気藹々とするなどあっていいと思っておるのか?」
 「立腹。ユナ達は、ツムグを生涯愛すると誓ったのに......ツムグはそうではなかったのですね?」
 「間際らしい言い方やめて!?」
 「ツムグ。妾に勉強を教えろ」
 「は?」
 「妾は勉強が苦手なのじゃよ」
 「え、えーと?」
 「ツムグ」
 「マスター」
 「呼びかけ。ツムグ」
 「おい。ツムグ」
 「ツムグ君」
 「ツムグ」 
 「ツムグ‼︎」
 「......」
 色んな意味でのピンチだ。男子生徒からの視線がめちゃくちゃ痛い。
 数日後の朝
 「......起きたか?」
 「ん?うーん?あ......ステラか?おはよ......って、おい!何俺の部屋に入っているんだよ!」
 「数日間、お主を見て来たが悪い奴ではないな?少し気に入ってぞ」
 「そ、そうか」
 「さて、お主の周りに居る奴らは邪魔じゃのう」
 「......え」
 「もう妾は一人は嫌なのじゃよ。だからお主を生涯の伴侶として迎えてやってもいいぞ」
 「......」
 何を言っているのかわからなかった。生涯の伴侶って、それまだ高校生なんだけど!?その時、ふと思い出した。リーフの忠告を。
 「あの子は人に依存するタイプです。一度依存されれば死ぬまで解放してくれません。それに......ステラは一度依存したらその人以外いらないって思って消すかもしれないんです」
 本当にそんな事になったら俺は、ステラを今まで通りに見れるだろうか?
 そのことはまだわからない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...