縁を繋げて

上野佐栁

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鬼のテミ

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 「あの......お家に帰りたいのですが......」
 ゴンボコッ
 「えーと平気?」
 「朝になれば自然と未来に帰れるよう......ガクッ」
 「ぎゃああああああ!?大丈夫⁇」
 「平気だろ⁇この程度で鬼は死なん」
 「あ、あの......此処って夢の世界なんですか⁇」
 「そうとも言えるしそうとも言えん」
 「は?」
 「この世界の人間は気が荒い。気をつけるのだぞ」
 「は、はい」
 「それにこの服では目立ってしまう。この服に着替えろ」
 「こ、これって......巫女の服」
 「そうじゃぞ」
 「それともう一ついいですか⁇」
 「なんじゃ?」
 「あの......あの人いつまで、私に引っ付いているんですか⁇」
 「おい、テミ離れんか?」
 「......」  
 ぷい
 「こいつ‼︎」  
 「そろそろ時間じゃあな」
 「は?」
 「縁は結ばれている。この縁を切ってはならぬ。縁を繋げろ。この身がいつかは滅びる運命じゃ。だなら、テミには真の縁を繋いでくれる人の側に居て欲しいのじゃ。梅雨と言ったな⁇其方には何も感じはせんが、強い縁だけは感じる。妾の生まれ変わりとして、テミを幸せでしてやってくれ。頼むぞ」
 私は何かを言おうとしたけど、いつの間にかベットの上に横たわって居た。
 「ゆ......め⁇」
 それにしては生々しい、本当に起きた事みたいだ。
 「......テミ」 
 「呼んだ?」
 「わ......」
 「わ?」
 「わあああああああああ!?」
 バーン
 「梅雨!?何かあったの?」  
 「かかか、母さん‼︎あああああ、あの人‼︎」
 「あの人?誰も居ないけど?」
 「は?」
 「縁が弱まったこの時代では、俺達鬼は見えないみたいだ。」
 「嘘でしょ......」
 「おはよう」
 「梅雨が遅刻して来ないなんて......人類滅亡か⁇」
 「先生......私の事なんだと思っているんですか⁇それと都合が悪い時に下の名前で呼ぶのやめてください」
 「そんな事よりも......その男はなんだ?お前の彼氏か?彼氏を学校に連れ込む......」
 「ちちちち、違います‼︎何故か引っ付いているんです‼︎てか、先生‼︎見えるんですか?この鬼‼︎」
 ピク
 「今なんて言った?」
 「鬼って言いましてけど......」
 「ふーん。人間に取り憑いたか。悪霊目‼︎」
 「は?悪霊⁇」
 「鬼は人を襲う。今は大人しいがいつ牙を剥くかもわからん。ここで始末する」
 「て、テミ‼︎逃げるわよ」
 「......」
 すりすり
 「すりすりすんな‼︎」
 「......梅雨味」
 「梅雨だ‼︎」
 「どこに逃げるのかなぁ?」
 「マジでやばいマジでやばい‼︎」
 「......梅雨味」
 「だから‼︎梅雨だってば‼︎てか重い‼︎」
 「......梅雨味」
 駄目だこれ‼︎重たい、テミを引きずって、なんとか屋上まで逃げだ。
 「行き止まりだね。それに......この感じ縁だね。君は一体何を考えているのかなぁ⁇」
 「......上杉先生。テミが悪い鬼なんですか⁇」
 「そうだとも」
 「証拠を持ってきてください‼︎じゃないと私......絶対信じませんから‼︎」
 「へぇー?君って本当に無恥だね‼︎」
 「あっ!」
 「梅雨味様⁇どうかなさいましたか⁇」
 「テミについて言うのを忘れておった。」
 「何をですか?」
 「彼奴は......超が付くほどの甘えん坊だと言う事を......」
 「別にどうだっていいじゃないですか?」
 「そうじゃな」
 もう遅いです。手遅れです。
 「テミいいいい‼︎離れなさいよ‼︎」
 「......梅雨味」
 「だから何度言えば気がするもの?梅雨だってば‼︎」  
 「その鬼をこっちに寄越すんだ。」
 先生がじりじりと近づいて来た。
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