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運命の相手
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「リリス⁉︎」
ドーン
ドアの向こうから怒鳴り声が聞こえてきたと思ったらドアを蹴破って、ソフィアが入ってきた。
「お、お母様?」
私の腕を見るやすぐに執事に医者を呼ぶように言った。
「あんな大きな声で叫んでいるのを初めて見た」
私がここに来た以上に私を心配し「痛かったね?」「辛かったね?」と言ってくれる。
「リリス。なにがあったのかもう一度話せる?」
「はい」
私はさっき起きたことを説明した。
ヒロインであるエリエールとの出会いは思った以上に驚きなんだけど、もっと驚いているのはヒロインと準主人公がずっと見つめ合っていることだ。
「……」
「……」
もうかれこれ三十分は見つめ合ってるよね?もう恋に落ちたの?一目惚れでもしたの?
そう思いながら見ていると、不意にカルテが私の方を見てこう言った。
「この女どう罰を受けさせる⁇」
「……はあ?」
なに言っているの?あなたの運命の相手でもあるんだよ?乙女ゲームのヒロインだよ?みんなの運命の相手だよ?なのにどう罰を受けさせるですって⁉︎馬鹿にしているの?ねぇ!
「え、ええーと?お兄様。私はエリエールを罰するのは良くないと思います。彼女も被害者ですから」
私はそう言うが、カルテはさらに怖い顔になりこう言う。
「お前を巻き込んで階段から転げ落ちたんだろ?だったらこいつにも非がある」
「えっ?それを言うなら私にも非はありますよね?」
「……」
そう言うと黙った。
「リリス様!本当に申し訳ありません。故意ではありませんが、私が不注意だったからリリス様にお怪我をなさって……」
涙目になりながら自分を責めるヒロイン
「そんなことないわ。だから安心して」
「リリス様!」
ズキッ
「いっ⁉︎」
「俺の妹から離れろ!この女狐白髪!お前の如きが俺の妹に触れるな。不吉の女め」
カルテのいきなり暴言に私は頭に来た。さっき痛んだ腕よりもさらに怒りが沸々と湧いて頭に血が上る。そっちの方が痛い。
「お兄様‼︎いくらなんでも言い過ぎです!エリエールと知り合ってまだそんなに時間も経っていませんが……彼女を責めるのはお門違いです。お兄様がこんな人間だったなんて、実の妹である私は恥ずかしいです」
「り、リリス?」
あの子がカルテに対してああも言うなんて、よっぽど彼女を信用しているのね?
「お、俺はただ……」
「言い訳は結構です。しばらくの間はエリエールと過ごしますので、お兄様はどうぞご勝手に!」
「わっ!り、リリス様⁉︎」
私はそう怒鳴り部屋を後にし自分の部屋に戻っていた。
「あ、あの……」
「はっ!」
私ふと我に帰りさっきのことをひどく後悔した。カルテにあんなこと言っちゃった⁉︎殺させる‼︎でもやっぱり私が好きなヒロインのエリエールをあんなに悪く言われたら頭にもくるわ!
「エリエール大丈夫だよ。怪我が治るまでうちにいてよ。私のお友達として」
「い、いいんですか⁉︎」
ぱあああっ
顔が一気に明るくなった?
流石はヒロインね。笑顔が眩しくて直視できない。
みんなの運命の相手でもあるエリエールを見つけることができてよかったと思う。これで、少なくても残酷のバッドエンドは回避できるはず。
「シャルエルエットバルーエルさんはまだこの世界を攻略していないのか?」
「仕方ないだろ‼︎ここはゲームとはまた違うんだ」
「しかしこのことがバレたらこのゲームは……」
「確実にデータも履歴も削除だな?」
「そうなったらもう彼女を救う手立てがなくなる」
「大丈夫だ。まだ猶予はある。それに今のこのゲームが我々にはフィクションでも彼女にとっては現実だ。だからそう簡単には攻略はできないだろ?」
「そうだな」
「そろそろあいつが出てきてもおかしくない。魔導士のナツール.グリッチ」
「おっ?珍しい魔力反応が二つもある。僕の直々に見にいってやるか」
ドーン
ドアの向こうから怒鳴り声が聞こえてきたと思ったらドアを蹴破って、ソフィアが入ってきた。
「お、お母様?」
私の腕を見るやすぐに執事に医者を呼ぶように言った。
「あんな大きな声で叫んでいるのを初めて見た」
私がここに来た以上に私を心配し「痛かったね?」「辛かったね?」と言ってくれる。
「リリス。なにがあったのかもう一度話せる?」
「はい」
私はさっき起きたことを説明した。
ヒロインであるエリエールとの出会いは思った以上に驚きなんだけど、もっと驚いているのはヒロインと準主人公がずっと見つめ合っていることだ。
「……」
「……」
もうかれこれ三十分は見つめ合ってるよね?もう恋に落ちたの?一目惚れでもしたの?
そう思いながら見ていると、不意にカルテが私の方を見てこう言った。
「この女どう罰を受けさせる⁇」
「……はあ?」
なに言っているの?あなたの運命の相手でもあるんだよ?乙女ゲームのヒロインだよ?みんなの運命の相手だよ?なのにどう罰を受けさせるですって⁉︎馬鹿にしているの?ねぇ!
「え、ええーと?お兄様。私はエリエールを罰するのは良くないと思います。彼女も被害者ですから」
私はそう言うが、カルテはさらに怖い顔になりこう言う。
「お前を巻き込んで階段から転げ落ちたんだろ?だったらこいつにも非がある」
「えっ?それを言うなら私にも非はありますよね?」
「……」
そう言うと黙った。
「リリス様!本当に申し訳ありません。故意ではありませんが、私が不注意だったからリリス様にお怪我をなさって……」
涙目になりながら自分を責めるヒロイン
「そんなことないわ。だから安心して」
「リリス様!」
ズキッ
「いっ⁉︎」
「俺の妹から離れろ!この女狐白髪!お前の如きが俺の妹に触れるな。不吉の女め」
カルテのいきなり暴言に私は頭に来た。さっき痛んだ腕よりもさらに怒りが沸々と湧いて頭に血が上る。そっちの方が痛い。
「お兄様‼︎いくらなんでも言い過ぎです!エリエールと知り合ってまだそんなに時間も経っていませんが……彼女を責めるのはお門違いです。お兄様がこんな人間だったなんて、実の妹である私は恥ずかしいです」
「り、リリス?」
あの子がカルテに対してああも言うなんて、よっぽど彼女を信用しているのね?
「お、俺はただ……」
「言い訳は結構です。しばらくの間はエリエールと過ごしますので、お兄様はどうぞご勝手に!」
「わっ!り、リリス様⁉︎」
私はそう怒鳴り部屋を後にし自分の部屋に戻っていた。
「あ、あの……」
「はっ!」
私ふと我に帰りさっきのことをひどく後悔した。カルテにあんなこと言っちゃった⁉︎殺させる‼︎でもやっぱり私が好きなヒロインのエリエールをあんなに悪く言われたら頭にもくるわ!
「エリエール大丈夫だよ。怪我が治るまでうちにいてよ。私のお友達として」
「い、いいんですか⁉︎」
ぱあああっ
顔が一気に明るくなった?
流石はヒロインね。笑顔が眩しくて直視できない。
みんなの運命の相手でもあるエリエールを見つけることができてよかったと思う。これで、少なくても残酷のバッドエンドは回避できるはず。
「シャルエルエットバルーエルさんはまだこの世界を攻略していないのか?」
「仕方ないだろ‼︎ここはゲームとはまた違うんだ」
「しかしこのことがバレたらこのゲームは……」
「確実にデータも履歴も削除だな?」
「そうなったらもう彼女を救う手立てがなくなる」
「大丈夫だ。まだ猶予はある。それに今のこのゲームが我々にはフィクションでも彼女にとっては現実だ。だからそう簡単には攻略はできないだろ?」
「そうだな」
「そろそろあいつが出てきてもおかしくない。魔導士のナツール.グリッチ」
「おっ?珍しい魔力反応が二つもある。僕の直々に見にいってやるか」
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