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やばい執事

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 皆さんこんにちは。私の名前は山吹彩です。私には小さい頃からずっと一緒にいる執事がひとりいるのですが、今日この日をもってクビにしたい。なぜなら

 「彩お嬢様好きです」

 「ごめんなさい」

 「えっ⁉︎なんでですか⁉︎」

 「小さい時からずっと一緒にいるので弟みたいだなぁって思ってしまうの」

 「いやいやいや‼︎おかしくない?おかしくない⁇」

 「え、えーと?何がおかしいのかしら⁇」

 「普通はずっと一緒に異性がいたのだから好きになるはずでしょ⁇」

 「え、えぇーと?どうゆー意味なの?」

 「だから!少女漫画なら絶対にそこは好きになるはずですよ!」

 「......ごめんなさい。何を言っているのか理解に苦しむわ」

 「諦めません」
  
 「えっと?また告白っていうのをやられるの?」

 「今度は惚れ薬を飲ませます!」

 「は、はあああああ⁉︎」

 やっぱりこの執事やばい。クビにしたい。

 数日後

 「お紅茶でございます」

 「あ、ありがとう」

 なぜあんなに機嫌がいいのかしら⁇

 ゴクッ

 「あれ?いつもと違って少し甘いわね⁇」

 「はい。なぜならこのお紅茶には惚れ薬を混ぜましたから!」

 「ブヴヴヴゥゥ⁉︎」

 「いかがですか?」

 「ゲホゲホゲホ⁉︎し、執事⁇な、なにをゲホッ!考えているの⁇」

 「僕の顔を見て何も思いませんか?お嬢様」

 ドクン

 「......」

 何これ?あんなに興味どころか意識すらしてなかった執事がかっこよく見える?

 「お嬢様は僕のこと好きですか?」

 「あ、ああ、あああ......アイス食べたい‼︎」

 「え......アイス⁇」

 「う、うん。へ、部屋に戻ってるね?」

 あ、危なかった。あと少しで愛してるって言うところだった。惚れ薬怖い。

 あんなことされたのに面と向かってクビにするなんて言えない。

 「はぁー。もういっそのこと誰も知らない世界に行きたい」

 学園

 「惚れ薬⁉︎」

 「そうなの!」

 「やばい執事ねぇ?」

 「話には聞いてたけどそれ以上にやばそう」

 「心配ですわ」

 今相談しているのは友達だ。

 金髪で外国人の血を引く可愛らしい子は赤澤遥ちゃん。私の幼馴染で一番の親友だ。

 茶髪で瞳が少し青い子は夢川百合蔓さん。今年この学園に入ってから仲良くなった子だ。

 最後に黒髪で黒目の清楚系女子の原佐崎初美ちゃんは小学の時に出会って以降仲良くしてもらっている子だ。この三人とは集まってよくいろんな話をしている。今日もその話でもちきりだ。

 「やはりクビにすべきです!」

 「で、でも小さい時からのく、腐れ縁だし......お父様の許可をいただかないとクビにできない」

 「大変だね?」
  
 「うんうん」

 「こんな可憐で優しくて美しい彩にはもっと他にいい人がたくさんいるわ!あんなやばいやつに捕まる必要はない!」

 「うんうん」

 「そうよね?頑張ってみる」

 でも惚れ薬は飲んでしまった。これからも飲まされるだろう。だからこそ気をつけなければ!

 私は必ずあのやばい執事をクビにする!

 お嬢様とやばい執事の戦争だ!
 
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