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第3章
第30話
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タイヨウ宅へと着いたオレとタイヨウ。
タイヨウに続いて玄関にあがらせてもらう。
オレがタイヨウ宅におじゃましてゲームをやるときはいつも一階のリビングルームと決まっている。しかしタイヨウがまず向かったのは2階にある自分の部屋。
荷物を置いて、楽なカッコの部屋着に着替えてから来るつもりなのだろう。
オレが彼の家に遊びに来たときに見られる、彼のいつもの行動パターンだ。
「ちょっと先行っといてくれ」
そうオレに告げるながらタイヨウは玄関で乱雑に自分のクツを脱ぎ捨てて、玄関を上がってすぐのところにある階段をドタドタと登っていった。
「うーっす」
そんなタイヨウに軽く返事を返し。オレは慣れた具合に玄関で、一般常識を身につけた男として、一応きたなく見えない程度にクツを揃えるようにして脱ぐ。
そして、玄関からすぐ右手に見えるドア。リビングへと続くそのドアに手をかけガチャリと開けてリビングへ入る。
ドアを開けると、右手奥にはひらけた空間があり、その一番奥、右の角にあるのはテレビ、その手前にはテーブル、そのテーブルの下に敷かれたマットレス、床に置かれたフローリングクッション、3、4人ほど座れるソファー。
という、アニメの主人公宅にありがちな、センスを感じられるほどよくオシャレな感じの主人公リビングとでも言ったような内観になっている。
とりあえずタイヨウが戻ってくるのを待つことにして、ソファーに座らせてもらう。
ほどなくするとガチャっとドアの開く音がした。
やっと戻ってきたかと、それにつられてドアに目を向けるとリビングに入ってきたのは、さっき2階に行った夏目太陽では無かった。
その人物は、夏目は夏目でも、夏目太陽とは身長も違えば年齢も違う、というか性別までもが違う。
彼女は、ハーレムラブコメ夏目太陽の妹。
夏目彩夜だった。
――夏目彩夜。
現在、中学生3年生で、いわゆる妹キャラというやつだ。
キャラとは言ったが、タイヨウとは、ばっちりと血の繋がっている兄妹でラブコメ展開には発展しないタイプの妹キャラだ。
見た目としては、例のごとくタイヨウ関連の女の子は美少女という法則に基づいていて、間違いなく美少女である。
長めの黒髪に、中学3年生女子の平均よりか高いであろう、そこそこの身長も手伝ってか実年齢よりか大人っぽい見た目。
などと、彩夜の説明を脳内でしていると、ソファーに座るオレに気づいた彩夜が話かけてくる。
「あれ?ツカサじゃん。久しぶりー…でも無いか」
「おお、おじゃましてます」
「またゲームしにきたの?相変わらず暇人?」
オレが、この夏目彩夜に、この家で遭遇するのはしょっちゅうのことで今ではこんな風にフランクな会話が自然に繰り広げられる程度の仲になっている。
…というかフランクすぎて、けっこう辛らつな言葉を浴びせられがちなんでけど。
「おにぃは?」
「自分の部屋」
「ふーん」
自分で質問をしておいて、その答えにはあまり興味無さそうな返事をして、彩夜はドアを開けてすぐ左手側にあるキッチンのほうへと向かう。
最近の子ってみんなこんな感じで冷めてるのかしら…。
そんなオレのオバサン的感想など知るよしもない彩夜はキッチンへと入っていった。
冷蔵庫を開けて大きい紙パックのオレンジジュースを取り出しコップにとくとくとオレンジジュースを注いでいる。
そんな彼女の様子をなんとなくそのまま眺め続けているとそんなオレの視線に気づいたのか、彩夜が話しかけてくる。
「ツカサなに飲むの?」
オレンジジュースを注ぐ姿を見続けてしまったせいで、なにやら催促しているような雰囲気を感じさせてしまったのだろうか。
ある意味、言葉を発さずとも相手を動かしてしまうオレの目力まじ主人公レベル。
「んん、なんでも」
「じゃあ、オレンジジュースでいい?」
そう言ってオレのほうを見ると、左手に持っているオレンジジュースのパックをオレに見せるようにして、『コレのことでっせ』ってなもんで軽くシャカシャカと左右に揺らしている。
「おう。ありがとう」
「ゆあうぇるかむ」
自分で勝手にユニークな返しをしたくせに、表情じたいは口角の1ミリも上がりはしない、フツーの無表情のまま、あらたにコップを取り出しテキパキとオレンジジュースを注いでいる。
最近の子ってみんなこんな感じなのかしら…。
てかむしろその返しなんか古くね?
しかしオレに対する尊敬こそゼロであるものの(むしろけっこう下に見られている)
こうして兄の客人であるオレに、言わば自分の招き入れた客でも無い相手に飲み物を気にして振る舞ってくれるぐらい夏目彩夜はいい子である。
かるく煽られるのも年下のご愛嬌という程度のもので、雨宮のように本気で人を切りにいくようなものでも無く、恋愛感情とかいう意味ではなく『友達の妹』として夏目彩夜のことは普通にけっこう好感の持てるやつだと個人的には思っている。
そして、なりよりも大事なポイントは彼女が【ラブコメ展開には発展しないタイプの妹キャラである】という点だ。
負けないこと、逃げ出さないこと、ヒロイン候補では無いということ、これが一番大事。
ハーレムラブコメにおいて妹とは、ヒロインの1人として存在するか、異性ながらハーレムラブコメのゴチャゴチャした恋愛模様とは無関係の、兄の唯一の味方として存在するかの2パターンにわけられる。
そして前者の場合は妹はメインヒロイン的な扱いになりがちだ。
それもそのはず妹とは、その名のとおり血縁者であり家族である。
そういう色んな制約がある妹キャラをアホみたいな顔して簡単に他のヒロインと同様に横並びでヒロイン候補としてなど置くことはできない。
妹キャラをハーレムラブコメのヒロインにおくならば本腰をいれなくてはならない。
つまり妹キャラがハーレムラブコメのヒロイン候補である場合はどうしたって彼女を軸に物語を進めがちということである。
そして、オレはタイヨウをハーレムラブコメの主人公として認識して以来、起きたイベントや出会う以前のそれまでの過去のエピソードなどを聞いて検証した結果。
このハーレムラブコメは妹がヒロイン候補に入らないパターンのハーレムラブコメだという結論に至った。
つまり妹キャラである夏目彩夜は、タイヨウを主人公としたこのハーレムラブコメにおいて、異性ながらラブコメとは無関係の、兄の唯一の味方という位置づけになる。
そしてそれはオレにとっても同じことが言えるのだ。
どういうことか説明しよう。
――次話でな!!
タイヨウに続いて玄関にあがらせてもらう。
オレがタイヨウ宅におじゃましてゲームをやるときはいつも一階のリビングルームと決まっている。しかしタイヨウがまず向かったのは2階にある自分の部屋。
荷物を置いて、楽なカッコの部屋着に着替えてから来るつもりなのだろう。
オレが彼の家に遊びに来たときに見られる、彼のいつもの行動パターンだ。
「ちょっと先行っといてくれ」
そうオレに告げるながらタイヨウは玄関で乱雑に自分のクツを脱ぎ捨てて、玄関を上がってすぐのところにある階段をドタドタと登っていった。
「うーっす」
そんなタイヨウに軽く返事を返し。オレは慣れた具合に玄関で、一般常識を身につけた男として、一応きたなく見えない程度にクツを揃えるようにして脱ぐ。
そして、玄関からすぐ右手に見えるドア。リビングへと続くそのドアに手をかけガチャリと開けてリビングへ入る。
ドアを開けると、右手奥にはひらけた空間があり、その一番奥、右の角にあるのはテレビ、その手前にはテーブル、そのテーブルの下に敷かれたマットレス、床に置かれたフローリングクッション、3、4人ほど座れるソファー。
という、アニメの主人公宅にありがちな、センスを感じられるほどよくオシャレな感じの主人公リビングとでも言ったような内観になっている。
とりあえずタイヨウが戻ってくるのを待つことにして、ソファーに座らせてもらう。
ほどなくするとガチャっとドアの開く音がした。
やっと戻ってきたかと、それにつられてドアに目を向けるとリビングに入ってきたのは、さっき2階に行った夏目太陽では無かった。
その人物は、夏目は夏目でも、夏目太陽とは身長も違えば年齢も違う、というか性別までもが違う。
彼女は、ハーレムラブコメ夏目太陽の妹。
夏目彩夜だった。
――夏目彩夜。
現在、中学生3年生で、いわゆる妹キャラというやつだ。
キャラとは言ったが、タイヨウとは、ばっちりと血の繋がっている兄妹でラブコメ展開には発展しないタイプの妹キャラだ。
見た目としては、例のごとくタイヨウ関連の女の子は美少女という法則に基づいていて、間違いなく美少女である。
長めの黒髪に、中学3年生女子の平均よりか高いであろう、そこそこの身長も手伝ってか実年齢よりか大人っぽい見た目。
などと、彩夜の説明を脳内でしていると、ソファーに座るオレに気づいた彩夜が話かけてくる。
「あれ?ツカサじゃん。久しぶりー…でも無いか」
「おお、おじゃましてます」
「またゲームしにきたの?相変わらず暇人?」
オレが、この夏目彩夜に、この家で遭遇するのはしょっちゅうのことで今ではこんな風にフランクな会話が自然に繰り広げられる程度の仲になっている。
…というかフランクすぎて、けっこう辛らつな言葉を浴びせられがちなんでけど。
「おにぃは?」
「自分の部屋」
「ふーん」
自分で質問をしておいて、その答えにはあまり興味無さそうな返事をして、彩夜はドアを開けてすぐ左手側にあるキッチンのほうへと向かう。
最近の子ってみんなこんな感じで冷めてるのかしら…。
そんなオレのオバサン的感想など知るよしもない彩夜はキッチンへと入っていった。
冷蔵庫を開けて大きい紙パックのオレンジジュースを取り出しコップにとくとくとオレンジジュースを注いでいる。
そんな彼女の様子をなんとなくそのまま眺め続けているとそんなオレの視線に気づいたのか、彩夜が話しかけてくる。
「ツカサなに飲むの?」
オレンジジュースを注ぐ姿を見続けてしまったせいで、なにやら催促しているような雰囲気を感じさせてしまったのだろうか。
ある意味、言葉を発さずとも相手を動かしてしまうオレの目力まじ主人公レベル。
「んん、なんでも」
「じゃあ、オレンジジュースでいい?」
そう言ってオレのほうを見ると、左手に持っているオレンジジュースのパックをオレに見せるようにして、『コレのことでっせ』ってなもんで軽くシャカシャカと左右に揺らしている。
「おう。ありがとう」
「ゆあうぇるかむ」
自分で勝手にユニークな返しをしたくせに、表情じたいは口角の1ミリも上がりはしない、フツーの無表情のまま、あらたにコップを取り出しテキパキとオレンジジュースを注いでいる。
最近の子ってみんなこんな感じなのかしら…。
てかむしろその返しなんか古くね?
しかしオレに対する尊敬こそゼロであるものの(むしろけっこう下に見られている)
こうして兄の客人であるオレに、言わば自分の招き入れた客でも無い相手に飲み物を気にして振る舞ってくれるぐらい夏目彩夜はいい子である。
かるく煽られるのも年下のご愛嬌という程度のもので、雨宮のように本気で人を切りにいくようなものでも無く、恋愛感情とかいう意味ではなく『友達の妹』として夏目彩夜のことは普通にけっこう好感の持てるやつだと個人的には思っている。
そして、なりよりも大事なポイントは彼女が【ラブコメ展開には発展しないタイプの妹キャラである】という点だ。
負けないこと、逃げ出さないこと、ヒロイン候補では無いということ、これが一番大事。
ハーレムラブコメにおいて妹とは、ヒロインの1人として存在するか、異性ながらハーレムラブコメのゴチャゴチャした恋愛模様とは無関係の、兄の唯一の味方として存在するかの2パターンにわけられる。
そして前者の場合は妹はメインヒロイン的な扱いになりがちだ。
それもそのはず妹とは、その名のとおり血縁者であり家族である。
そういう色んな制約がある妹キャラをアホみたいな顔して簡単に他のヒロインと同様に横並びでヒロイン候補としてなど置くことはできない。
妹キャラをハーレムラブコメのヒロインにおくならば本腰をいれなくてはならない。
つまり妹キャラがハーレムラブコメのヒロイン候補である場合はどうしたって彼女を軸に物語を進めがちということである。
そして、オレはタイヨウをハーレムラブコメの主人公として認識して以来、起きたイベントや出会う以前のそれまでの過去のエピソードなどを聞いて検証した結果。
このハーレムラブコメは妹がヒロイン候補に入らないパターンのハーレムラブコメだという結論に至った。
つまり妹キャラである夏目彩夜は、タイヨウを主人公としたこのハーレムラブコメにおいて、異性ながらラブコメとは無関係の、兄の唯一の味方という位置づけになる。
そしてそれはオレにとっても同じことが言えるのだ。
どういうことか説明しよう。
――次話でな!!
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