新緑の候

みなも・もなみ

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9 家族

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 道の駅のレストランはお昼時だったこともあって混んでいた。
  地元でとれた食材がメインとあって、謎めいたメニューが並んでいた。それでも、ラーメンやカレー、スパゲッティは当然のようにあった。わたしは外食に関してはチャレンジャーじゃないので、こんな場合はスパゲッティミートソースかナポリタンを選んでいる。
「スパゲッティだろ?」
 エスパー椿くん現る。
「どっち選ぶの?」
「俺はミートソース」
「じゃぁ、わたしはナポリタン」

 6人バラバラの注文にもかかわらず、いっぺんに配膳された。
「これからは親戚として、家族ぐるみでおつ きあいしましょう。」
 わたしのパパが満点の笑顔で言った。 
「そうですね、たまには一緒に夕食をするの も良いですね。」
 椿くんの父親がそう答えると、となりの母親の表情が一瞬こわばった。わたしのパパは良いことを閃いたという手振りで
「たまにとは言わずに今晩、うちでいかがで すか?」
 その言葉でママの表情は曇った。
 盛り上がるパパたちと、頑張りましょうとアイコンタクトをとるママたち。
  低血圧のわたしは、食後の眠気と心地よい日差しに包まれていた。

 その夜、日記帳を新調した。
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