15 / 26
第14章
再開する復讐劇「もう時間が無いわ」
しおりを挟む
まどろみから目覚める。
いつもと同じ部屋に私はいた。
配線が張り巡らされ、私を照らすモニター画面のみそこにある。
機械的な洞穴のような、私の住処。
もしかして夢を見ていたのかしら。
自分の身体を改造してから、何十年も眠るという行為をしていない。
私には、人と同じ生活をする必要は無くなっていた。
食事も排泄も必要ない。
食事は人のフリをするために必要なものだけれど。
こんな身体のせいで、国家防衛管理局に勤めてから早い段階であのランダという女に不審がられる破目になってしまった。
あの女の嫌がらせは徐々にエスカレートし、私の飲み物に薬を入れたり履物に針を仕込んだりした。
当然、機械の身体になってしまった私には何も効かなかった。
睡眠薬も下剤も効果は無い。
靴に針を入れられても、気付かずに履いてしまった。
私を怪しんだ彼女は、私を尾行するようになり、このままでは私の正体がばれると思ったから始末した。
ただそれだけ。
クリスドールには、後一回だけゴーレムを作動させたら終わりにすると伝え、見逃してもらった。
あの子には人を疑うという機能は無いもの。
でも、約束を破れば今度こそ私を殺しにくるだろう。
私には時間がない。
見逃してもらう一回と、約束を破るもう一回で私は野望を成し遂げなければならない。
職場の皆も私を不審がるだろうし、善は急げね。
本日、一回目のゴーレムを仕掛けよう。
いつもよりも足取りが重く、出社時間が狂ってしまった。
遅刻はしなかったけれど、ギリギリね。
私が出社するとルチルが私を目で捉えたけれど、特に何も言わずに視線を逸らせた。
こういう対応をしてくれると助かる。
けれど、リアはそうはいかない。
私を見つけて駆け寄ってきた。
「先輩先輩先輩。昨日のことなんですけど」
面倒だわ。
一応小声では話してくれているけれど。
「どうして教えてくれなかったんですか? クリスドール様と付き合っているって」
何を言っているのかしらこの子。
「やっと謎が解けましたよ。戦闘課の男性にどんなにアプローチされても振り続けていた理由が。英雄と付き合っていたのなら、そりゃそうですよね。あ、でも、あんまり言わない方がいいですよね。大丈夫ですよ。これは私達の秘密にしましょう。ブライトさん失恋確定で可哀そうですけど、仕方ないですよね」
リアは早口でまくし立てる。
どうやら私とクリスドールが闇夜に消えた後、その時遭遇した皆は私とクリスドールが付き合っているという結論をつけたようだった。
おそらくリアがそう思い込んで、皆に口走った可能性が高いけれど。
とても複雑な心境だけれど、勝手に勘違いをしてくれるならわざわざ覆す必要もない。
「ごめんなさいね。いろいろ問題があったの」
「大丈夫ですよ。愚痴でも悩みでも何でも聞きます! いつも私の愚痴聞いてもらってますし」
リアはにっこりと微笑んだ。
この笑顔を見れるのも、後わずかね。
出社して早々、警報が鳴り響く。
戦闘課の出番が来た。
今まで得た情報を基に、ゴーレムのプログラムを変更した。
ただ暴れるだけでは無い。
戦闘課の動きを予測し、人員を割く。
一番の狙いはジェイドよ。
彼の実力は折り紙付きだから。
私が初めてこの国にゴーレムを仕向けた時、自信作だったゴーレムを破壊されてしまった。
その為、次のステップまで時間をくうことになった。
ジェイドが作戦を無視して勝手に前に出てしまうなら、こちらにも勝算がある。
彼を殺せなくても、戦力外にすることは可能だと確信していた。
リアの付き添いで病院の待合室に座っている。
リアは大泣きしていた。
可愛い目元が赤く腫れている。
手術が終わるまで泣き止まないつもりかしら。
彼女は祈っている、ジェイドが助かることを。
私も祈っている、彼が死ぬことを。
「ダチュラさん、リアさん。来てくれたんですね」
顔にガーゼを当てたトリンと、その後ろからブライトが近づいてきた。
二人とも表情が暗い。
当然よね。
信頼している先輩が死にそうなんだもの。
私の読みは的中した。
作戦を無視して前に出たジェイドは、いつもと違うゴーレムの動きに翻弄され、他の戦闘課から引き離された。
そこへ地中に埋まっていたもう一体のゴーレムにより突き上げられ、文字通り叩き潰されたのだ。
それでもジェイドは戦闘センスが高く、肉体を強化してガードしていた。
何度も打ちのめしてやったけど、すぐには死なない。
そして、私が危惧していたトリンが駆けつけ、ジェイドを抱えてそこから離脱した。
ジェイドはすぐに緊急手術となり、それを聞いたリアが私を連れて病院に駆け付けた。
そして今に至る。
「リアさん、大丈夫ですよ。ジェイド先輩は強いですから」
トリンがリアの頭をなでる。
そんなトリンの目も潤んでいた。
「僕、何もできませんでした」
ブライトが呟いた。
「ダチュラさん。どうして今回、クリスドールは来なかったんですか!」
ブライトが私にこんな目を向けたことは無かった。
私を非難するかのように、とてもとげとげしい瞳。
「ごめんなさい。私には分からないの」
きっとこれが最後だから、クリスドールは邪魔しに来なかったのね。
私が与えた出来損ないの知能だけれど、長い年月をかけてあの子も成長したようだったし。
クリスの命令はきっと、私がこのままこの国への復讐を止めない場合は、それを邪魔すること。
私がゴーレムを復活させ、この国が危機に陥ればゴーレムを破壊すること。
余計なことは言わず、人を助けるためだと言えと。
いろいろ想像がつくわ。
クリスは私がここまで生きながらえると予想していたのかもしれない。
さすがは双子の弟だわ。
それでもクリスドールは今回、自分で考えて私の肩を持ってくれたということね。
私は、そう解釈することにした。
ジェイドの手術が終わった。
医者の話によると、肉体の損傷は酷いが命に別状は無いとのこと。
本当にしぶとい男。
けれども当分の間はベッドでの生活を余儀なくされる。
リハビリも数か月かかるという。
私の作戦は、概ね成功した。
「ジェイド先輩! 分かりますか!」
「……お前は病院でもうるさいんだな」
ジェイドが目を覚まし、トリンの大声に答えた。
あれだけの攻撃を受けたのに、彼はいつもの軽口をたたく。
元気そうで不安だわ。
「よか……よか……良かったあ」
リアがまた泣き始めた。
リアにつられて、トリンもブライトもこらえていた涙を流し始めた。
ジェイドが苦笑いをする。
この流れだと、私も泣いた方がいいのかしら。
涙を流す機能を付けておけば良かったわ。
「これで凝りましたか?」
淡々と語られる、聞き覚えのある声が病室の感動ムードを払拭させる。
病室の入り口にルチルが立っていた。
ルチルは今日起きた事態の収拾に追われ、ジェイドの手術には立ち会っていない。
全ての仕事をようやく終わらせて、この時間になったのだろう。
もうとっくに日は沈んでいる。
「恐れていた事態が起きましたね。あれ程戦略を無視するなと言ったはずですが」
ルチルは無表情でジェイドに近づいた。
瞳の奥では、少しだけ怒りが見える。
「ルチルさん、今は止めてください」
ブライトが涙を拭いながらルチルを制しようとする。
「いえ、今言わなければジェイドさんは聞いてくれません。僕は、この出来事を感動話にするわけにはいきません。たまたま助かっただけなんですよ、あなたは。同じことをしたら、次はもうありません!」
ルチルにしては、珍しく語気が荒い。
けれども彼は、間違ったことを言ってはいない。
いつだって、国家防衛管理局の中で一番正しい。
ジェイドは神妙な面持ちでルチルを真っ直ぐ見据えていた。
「悪かった」
ジェイドもルチルも目を逸らさない。
それからルチルは踵を返し、病室を後にした。
ジェイドは今回ばかりは反省をしているようで、ルチルが帰った後は押し黙っていた。
リア達もジェイドの回復を邪魔してはならないと、その日はすぐに帰ることにした。
次は無いとルチルは言った。
全くその通り。
もう次は無い。
ただしジェイドだけではなく、このハモネー諸共だけれどね。
いつもと同じ部屋に私はいた。
配線が張り巡らされ、私を照らすモニター画面のみそこにある。
機械的な洞穴のような、私の住処。
もしかして夢を見ていたのかしら。
自分の身体を改造してから、何十年も眠るという行為をしていない。
私には、人と同じ生活をする必要は無くなっていた。
食事も排泄も必要ない。
食事は人のフリをするために必要なものだけれど。
こんな身体のせいで、国家防衛管理局に勤めてから早い段階であのランダという女に不審がられる破目になってしまった。
あの女の嫌がらせは徐々にエスカレートし、私の飲み物に薬を入れたり履物に針を仕込んだりした。
当然、機械の身体になってしまった私には何も効かなかった。
睡眠薬も下剤も効果は無い。
靴に針を入れられても、気付かずに履いてしまった。
私を怪しんだ彼女は、私を尾行するようになり、このままでは私の正体がばれると思ったから始末した。
ただそれだけ。
クリスドールには、後一回だけゴーレムを作動させたら終わりにすると伝え、見逃してもらった。
あの子には人を疑うという機能は無いもの。
でも、約束を破れば今度こそ私を殺しにくるだろう。
私には時間がない。
見逃してもらう一回と、約束を破るもう一回で私は野望を成し遂げなければならない。
職場の皆も私を不審がるだろうし、善は急げね。
本日、一回目のゴーレムを仕掛けよう。
いつもよりも足取りが重く、出社時間が狂ってしまった。
遅刻はしなかったけれど、ギリギリね。
私が出社するとルチルが私を目で捉えたけれど、特に何も言わずに視線を逸らせた。
こういう対応をしてくれると助かる。
けれど、リアはそうはいかない。
私を見つけて駆け寄ってきた。
「先輩先輩先輩。昨日のことなんですけど」
面倒だわ。
一応小声では話してくれているけれど。
「どうして教えてくれなかったんですか? クリスドール様と付き合っているって」
何を言っているのかしらこの子。
「やっと謎が解けましたよ。戦闘課の男性にどんなにアプローチされても振り続けていた理由が。英雄と付き合っていたのなら、そりゃそうですよね。あ、でも、あんまり言わない方がいいですよね。大丈夫ですよ。これは私達の秘密にしましょう。ブライトさん失恋確定で可哀そうですけど、仕方ないですよね」
リアは早口でまくし立てる。
どうやら私とクリスドールが闇夜に消えた後、その時遭遇した皆は私とクリスドールが付き合っているという結論をつけたようだった。
おそらくリアがそう思い込んで、皆に口走った可能性が高いけれど。
とても複雑な心境だけれど、勝手に勘違いをしてくれるならわざわざ覆す必要もない。
「ごめんなさいね。いろいろ問題があったの」
「大丈夫ですよ。愚痴でも悩みでも何でも聞きます! いつも私の愚痴聞いてもらってますし」
リアはにっこりと微笑んだ。
この笑顔を見れるのも、後わずかね。
出社して早々、警報が鳴り響く。
戦闘課の出番が来た。
今まで得た情報を基に、ゴーレムのプログラムを変更した。
ただ暴れるだけでは無い。
戦闘課の動きを予測し、人員を割く。
一番の狙いはジェイドよ。
彼の実力は折り紙付きだから。
私が初めてこの国にゴーレムを仕向けた時、自信作だったゴーレムを破壊されてしまった。
その為、次のステップまで時間をくうことになった。
ジェイドが作戦を無視して勝手に前に出てしまうなら、こちらにも勝算がある。
彼を殺せなくても、戦力外にすることは可能だと確信していた。
リアの付き添いで病院の待合室に座っている。
リアは大泣きしていた。
可愛い目元が赤く腫れている。
手術が終わるまで泣き止まないつもりかしら。
彼女は祈っている、ジェイドが助かることを。
私も祈っている、彼が死ぬことを。
「ダチュラさん、リアさん。来てくれたんですね」
顔にガーゼを当てたトリンと、その後ろからブライトが近づいてきた。
二人とも表情が暗い。
当然よね。
信頼している先輩が死にそうなんだもの。
私の読みは的中した。
作戦を無視して前に出たジェイドは、いつもと違うゴーレムの動きに翻弄され、他の戦闘課から引き離された。
そこへ地中に埋まっていたもう一体のゴーレムにより突き上げられ、文字通り叩き潰されたのだ。
それでもジェイドは戦闘センスが高く、肉体を強化してガードしていた。
何度も打ちのめしてやったけど、すぐには死なない。
そして、私が危惧していたトリンが駆けつけ、ジェイドを抱えてそこから離脱した。
ジェイドはすぐに緊急手術となり、それを聞いたリアが私を連れて病院に駆け付けた。
そして今に至る。
「リアさん、大丈夫ですよ。ジェイド先輩は強いですから」
トリンがリアの頭をなでる。
そんなトリンの目も潤んでいた。
「僕、何もできませんでした」
ブライトが呟いた。
「ダチュラさん。どうして今回、クリスドールは来なかったんですか!」
ブライトが私にこんな目を向けたことは無かった。
私を非難するかのように、とてもとげとげしい瞳。
「ごめんなさい。私には分からないの」
きっとこれが最後だから、クリスドールは邪魔しに来なかったのね。
私が与えた出来損ないの知能だけれど、長い年月をかけてあの子も成長したようだったし。
クリスの命令はきっと、私がこのままこの国への復讐を止めない場合は、それを邪魔すること。
私がゴーレムを復活させ、この国が危機に陥ればゴーレムを破壊すること。
余計なことは言わず、人を助けるためだと言えと。
いろいろ想像がつくわ。
クリスは私がここまで生きながらえると予想していたのかもしれない。
さすがは双子の弟だわ。
それでもクリスドールは今回、自分で考えて私の肩を持ってくれたということね。
私は、そう解釈することにした。
ジェイドの手術が終わった。
医者の話によると、肉体の損傷は酷いが命に別状は無いとのこと。
本当にしぶとい男。
けれども当分の間はベッドでの生活を余儀なくされる。
リハビリも数か月かかるという。
私の作戦は、概ね成功した。
「ジェイド先輩! 分かりますか!」
「……お前は病院でもうるさいんだな」
ジェイドが目を覚まし、トリンの大声に答えた。
あれだけの攻撃を受けたのに、彼はいつもの軽口をたたく。
元気そうで不安だわ。
「よか……よか……良かったあ」
リアがまた泣き始めた。
リアにつられて、トリンもブライトもこらえていた涙を流し始めた。
ジェイドが苦笑いをする。
この流れだと、私も泣いた方がいいのかしら。
涙を流す機能を付けておけば良かったわ。
「これで凝りましたか?」
淡々と語られる、聞き覚えのある声が病室の感動ムードを払拭させる。
病室の入り口にルチルが立っていた。
ルチルは今日起きた事態の収拾に追われ、ジェイドの手術には立ち会っていない。
全ての仕事をようやく終わらせて、この時間になったのだろう。
もうとっくに日は沈んでいる。
「恐れていた事態が起きましたね。あれ程戦略を無視するなと言ったはずですが」
ルチルは無表情でジェイドに近づいた。
瞳の奥では、少しだけ怒りが見える。
「ルチルさん、今は止めてください」
ブライトが涙を拭いながらルチルを制しようとする。
「いえ、今言わなければジェイドさんは聞いてくれません。僕は、この出来事を感動話にするわけにはいきません。たまたま助かっただけなんですよ、あなたは。同じことをしたら、次はもうありません!」
ルチルにしては、珍しく語気が荒い。
けれども彼は、間違ったことを言ってはいない。
いつだって、国家防衛管理局の中で一番正しい。
ジェイドは神妙な面持ちでルチルを真っ直ぐ見据えていた。
「悪かった」
ジェイドもルチルも目を逸らさない。
それからルチルは踵を返し、病室を後にした。
ジェイドは今回ばかりは反省をしているようで、ルチルが帰った後は押し黙っていた。
リア達もジェイドの回復を邪魔してはならないと、その日はすぐに帰ることにした。
次は無いとルチルは言った。
全くその通り。
もう次は無い。
ただしジェイドだけではなく、このハモネー諸共だけれどね。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!
つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。
冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。
全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。
巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる