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第一章・俺の価値
誤解
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「俺、貴族とかじゃねぇから!!」
「……え?」
自分の腹に射精した半裸の俺と、それを片手で拘束し片手には瓶を持った男…これが森に転がってるところを目撃したら一発で警察だろう。
「…だから、俺は一般人だし…」
「ッ一般人!?」
「てか、俺のどこが貴族なんだよ…」
「っあ、て、てっきり筋肉がないから…!王族か、貴族か…でも、本当に綺麗な体だったからその、迷子の貴族とかなのかなと思って…!!」
(…頭いてぇ…)
射精後の脱力感と、話が通じない男にやっと話ができた安堵で一気に疲れが押し寄せる。
謝罪を受け入れた俺は、身体を拭いて、力尽くで脱がされたせいで多少伸びた服を着直し、男が言うおうち、もとい城に用は無くなったのでとりあえず男が所属している大体は護衛を生業にした何でも屋に向かうことにした。
その間一歩も動きたくない俺は、先程のように姫抱きにされながらこの世界に教えてもらうことにした。
「魔法も使え無さそうなのにその体でどうやって…生きてきたんだ…?僕達みたいなのに護衛を頼んでるの…?」
「護衛…?てか、魔法…?魔法とかあんのこの世界」
「魔法とかあんのって…何も知らないな君は…」
「うるせぇな…」
(気付いたらあそこにいたんだから仕方ねぇだろ)
「…えっと、遺伝子って分かる?」
「馬鹿にすんなよ」
まず、この世界には俺みたいな純粋な人間から派生した
『魔法を使うのに長けた人間』
と
『肉体の強増に長けた人間』
の2つの人間が人口の大部分を占めている。
純粋な人間の純血は、ほぼ消えてしまったらしい。
この世界では魔法を使える人間の方が高貴らしく、肉体だけで戦うような人間は下級の存在、まぁ原始的、華がない、キモいとかなんか…自虐なのか今までの差別で言われてきたことなのか…そういう扱いらしいことを教えてもらった。
勿論、全員が全員差別意識を持っているわけではなく、魔法使い(?)と筋肉人間(?)のハーフだって大量に存在しているが、そうなると魔法の力も筋肉を増やす力も半々で平凡になっていくらしい。
純粋な魔法使いだけが貴族になれる…とかなんとか。難しかった。
「…だから、君を初めて見た時に、その…絶対貴族だと思って…でも僕を見ても嫌な顔ひとつしないから…良い人だなって…」
「ふ~ん…貴族嫌いなの?」
「…嫌い、かな…最近は少し良くなってきているらしいんだけど…僕の祖父母の時代とかは差別が凄くて…でも本当に…人違いであんなことを…」
「あー!あー!良いって!思い出させるなよ!」
「ッご、ごめん…!!あ、…き、君の話を聞く限り君は…違う世界から来たってことで良いのかな…」
「多分~?俺のとこでは魔法とか夢の話だったし、筋肉付いてる男も女もみんなかっこいい認定だったし」
「…じゃ、じゃあ僕もかっこいい?」
「…別に?」
「そ、そっか、…」
ここからは他愛もない話、なんで耳に穴を開けてたの~なんで可愛いっていわれて射精しちゃったの~など、色々と話を振られたが全て無視して帰路を辿った。
「……え?」
自分の腹に射精した半裸の俺と、それを片手で拘束し片手には瓶を持った男…これが森に転がってるところを目撃したら一発で警察だろう。
「…だから、俺は一般人だし…」
「ッ一般人!?」
「てか、俺のどこが貴族なんだよ…」
「っあ、て、てっきり筋肉がないから…!王族か、貴族か…でも、本当に綺麗な体だったからその、迷子の貴族とかなのかなと思って…!!」
(…頭いてぇ…)
射精後の脱力感と、話が通じない男にやっと話ができた安堵で一気に疲れが押し寄せる。
謝罪を受け入れた俺は、身体を拭いて、力尽くで脱がされたせいで多少伸びた服を着直し、男が言うおうち、もとい城に用は無くなったのでとりあえず男が所属している大体は護衛を生業にした何でも屋に向かうことにした。
その間一歩も動きたくない俺は、先程のように姫抱きにされながらこの世界に教えてもらうことにした。
「魔法も使え無さそうなのにその体でどうやって…生きてきたんだ…?僕達みたいなのに護衛を頼んでるの…?」
「護衛…?てか、魔法…?魔法とかあんのこの世界」
「魔法とかあんのって…何も知らないな君は…」
「うるせぇな…」
(気付いたらあそこにいたんだから仕方ねぇだろ)
「…えっと、遺伝子って分かる?」
「馬鹿にすんなよ」
まず、この世界には俺みたいな純粋な人間から派生した
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と
『肉体の強増に長けた人間』
の2つの人間が人口の大部分を占めている。
純粋な人間の純血は、ほぼ消えてしまったらしい。
この世界では魔法を使える人間の方が高貴らしく、肉体だけで戦うような人間は下級の存在、まぁ原始的、華がない、キモいとかなんか…自虐なのか今までの差別で言われてきたことなのか…そういう扱いらしいことを教えてもらった。
勿論、全員が全員差別意識を持っているわけではなく、魔法使い(?)と筋肉人間(?)のハーフだって大量に存在しているが、そうなると魔法の力も筋肉を増やす力も半々で平凡になっていくらしい。
純粋な魔法使いだけが貴族になれる…とかなんとか。難しかった。
「…だから、君を初めて見た時に、その…絶対貴族だと思って…でも僕を見ても嫌な顔ひとつしないから…良い人だなって…」
「ふ~ん…貴族嫌いなの?」
「…嫌い、かな…最近は少し良くなってきているらしいんだけど…僕の祖父母の時代とかは差別が凄くて…でも本当に…人違いであんなことを…」
「あー!あー!良いって!思い出させるなよ!」
「ッご、ごめん…!!あ、…き、君の話を聞く限り君は…違う世界から来たってことで良いのかな…」
「多分~?俺のとこでは魔法とか夢の話だったし、筋肉付いてる男も女もみんなかっこいい認定だったし」
「…じゃ、じゃあ僕もかっこいい?」
「…別に?」
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ここからは他愛もない話、なんで耳に穴を開けてたの~なんで可愛いっていわれて射精しちゃったの~など、色々と話を振られたが全て無視して帰路を辿った。
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