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第一章・俺の価値
一人じゃ生活もできねぇ!前編
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晩御飯は日本のシチューに限りなく似た見た目だけど味がめちゃくちゃトマトのメインに、硬めのパン、俺は食べなかったけどデザートにさっきのガチ虫と、飲み物は「めちゃくちゃ美味しいけど飲みすぎるとお腹を壊す果物」を絞ったものだった。
「このジュースまだ飲みたいな~」
「わかる!僕も小さい頃沢山飲んで翌日脱水で怒られたなぁ~」
「今も時々やるだろう」
「やらないよ!!前はもう3ヶ月前だし!」
(…やってるじゃねぇか)
こんな他愛もない話をしながら食事を終了させた俺たちは、寝る準備に取り掛かる。
「キゥチの部屋、まだ全然可愛くなくてごめんなぁ…金を貯めたら新しいカーペットを買おう!」
「いやいや!今のままでもめちゃくちゃ可愛いよ!なんか木の温かみを感じるし,窓も十字でオシャレだし!」
「キゥチ…!!」
本日二度目の固い抱擁を食らった後、手際よく部屋中を拭き上げてくれているデュランを手伝う。
「お、ありがとう!…僕も水の魔法が使えたら良いんだけどなぁ」
「へぇ、なんか人それぞれ使えるが魔法違うんだ?」
「うん…僕は混血だからね…混血って言ってももうほぼほぼの人類がそうだけど…魔法を使う貴族を除いたら、純血なんて差別のせいでほぼいないんじゃないかな…」
(…差別のせいでほぼいない?差別されてたなら混血より純血の方が増えそうだけどな)
そこで新たな可能性に気づき口をつぐむ。
(…自分の子供だけでも差別されないようにってことか…)
「…混血だったら魔力も筋力も弱まるんだっけ?」
「そうそう、だから僕も筋肉がつきやすい遺伝子を持ってるけど、獣人のベアルより小さいだろ?」
「確かに、ベアルさんの方がデカいよな」
「貴族は多分どんな種類の魔法でもとてつもない魔力量で使えるんだろうけどね…僕ら混血なら多くて3つ、少ない人なら1つかな、平均2つの種類しか使えない。僕も火が付けられるのと…風が吹かせられるくらい。魔力量がすくないから滅多に見せてあげられないけど、風呂の後に蝋燭付けるところ…見る?」
「え!見たい見たい!デュラン、俺のツボ分かってきた?!」
「あはは!子供っぽいもの大体好きなのかなってのは分かってきた、飛んだりね」
おい!とデュランを軽く叩きながら、男の友達がいたらこんな感じだったのかと思い返す。…ここの世界の人間たち…て言ってもまだ2人だけど、顔が普通に良い人たちばっかりでなんか、自分の嫌な部分、ナルシストな面が抑えられている気がする。
「なんか今俺、めちゃくちゃ良いかも」
「…めちゃくちゃ良い?」
「人生楽しいってこと」
SNS中毒の俺が、この世界に来てまだ1日経っていないってのにスマホ絶ちできてるのも、俺の実力じゃなかったとしてもなんだかすごく良い気分だ。
「あの時見つけてくれたのがデュランでよかった~」
「っ、ど、どういうこと…?」
「そのまんまの意味だよ」
顔を赤らめるデュランがまた面白くて笑顔になる、やっぱりこういうのはまだ好きだ。
ナルシストが抑えられるっていうのは嘘かもな。
「キゥチ!風呂の時間だぞ~!」
下の階で風呂を準備してくれていたベアルさんが俺を呼ぶ。
「お、じゃあ風呂入ってこようかな」
「ッあ、僕、ベッド作っとくね」
「うん!ありがと!」
嬉しそうに腕捲りをして木を組み立てるデュランを見て、(ベット作るって、マジでベッド作るんだ…)と思いながら階段を降りる。
そんな数分で作れるもんなのか…いや、崖飛び越えるくらいの筋肉あるから俺らが模型作るみたいな力加減でできるのかな…
クソデカな木を模型のように組み立てるデュラン、想像するだけで面白くてめちゃくちゃ見てみたいけど、ベアルさんが折角呼んでくれたのを待たせるわけにはいかずに素直に階段を降りる。
「ベアルさ~んお風呂…」
先程案内してもらった風呂場の脱衣所へ向かうと、そこには服を脱いでいるベアルさんの姿があった。
「このジュースまだ飲みたいな~」
「わかる!僕も小さい頃沢山飲んで翌日脱水で怒られたなぁ~」
「今も時々やるだろう」
「やらないよ!!前はもう3ヶ月前だし!」
(…やってるじゃねぇか)
こんな他愛もない話をしながら食事を終了させた俺たちは、寝る準備に取り掛かる。
「キゥチの部屋、まだ全然可愛くなくてごめんなぁ…金を貯めたら新しいカーペットを買おう!」
「いやいや!今のままでもめちゃくちゃ可愛いよ!なんか木の温かみを感じるし,窓も十字でオシャレだし!」
「キゥチ…!!」
本日二度目の固い抱擁を食らった後、手際よく部屋中を拭き上げてくれているデュランを手伝う。
「お、ありがとう!…僕も水の魔法が使えたら良いんだけどなぁ」
「へぇ、なんか人それぞれ使えるが魔法違うんだ?」
「うん…僕は混血だからね…混血って言ってももうほぼほぼの人類がそうだけど…魔法を使う貴族を除いたら、純血なんて差別のせいでほぼいないんじゃないかな…」
(…差別のせいでほぼいない?差別されてたなら混血より純血の方が増えそうだけどな)
そこで新たな可能性に気づき口をつぐむ。
(…自分の子供だけでも差別されないようにってことか…)
「…混血だったら魔力も筋力も弱まるんだっけ?」
「そうそう、だから僕も筋肉がつきやすい遺伝子を持ってるけど、獣人のベアルより小さいだろ?」
「確かに、ベアルさんの方がデカいよな」
「貴族は多分どんな種類の魔法でもとてつもない魔力量で使えるんだろうけどね…僕ら混血なら多くて3つ、少ない人なら1つかな、平均2つの種類しか使えない。僕も火が付けられるのと…風が吹かせられるくらい。魔力量がすくないから滅多に見せてあげられないけど、風呂の後に蝋燭付けるところ…見る?」
「え!見たい見たい!デュラン、俺のツボ分かってきた?!」
「あはは!子供っぽいもの大体好きなのかなってのは分かってきた、飛んだりね」
おい!とデュランを軽く叩きながら、男の友達がいたらこんな感じだったのかと思い返す。…ここの世界の人間たち…て言ってもまだ2人だけど、顔が普通に良い人たちばっかりでなんか、自分の嫌な部分、ナルシストな面が抑えられている気がする。
「なんか今俺、めちゃくちゃ良いかも」
「…めちゃくちゃ良い?」
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「あの時見つけてくれたのがデュランでよかった~」
「っ、ど、どういうこと…?」
「そのまんまの意味だよ」
顔を赤らめるデュランがまた面白くて笑顔になる、やっぱりこういうのはまだ好きだ。
ナルシストが抑えられるっていうのは嘘かもな。
「キゥチ!風呂の時間だぞ~!」
下の階で風呂を準備してくれていたベアルさんが俺を呼ぶ。
「お、じゃあ風呂入ってこようかな」
「ッあ、僕、ベッド作っとくね」
「うん!ありがと!」
嬉しそうに腕捲りをして木を組み立てるデュランを見て、(ベット作るって、マジでベッド作るんだ…)と思いながら階段を降りる。
そんな数分で作れるもんなのか…いや、崖飛び越えるくらいの筋肉あるから俺らが模型作るみたいな力加減でできるのかな…
クソデカな木を模型のように組み立てるデュラン、想像するだけで面白くてめちゃくちゃ見てみたいけど、ベアルさんが折角呼んでくれたのを待たせるわけにはいかずに素直に階段を降りる。
「ベアルさ~んお風呂…」
先程案内してもらった風呂場の脱衣所へ向かうと、そこには服を脱いでいるベアルさんの姿があった。
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