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第一章・俺の価値
※気の良い男※
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布団に入ってから、たっぷり寝た筈なのに眠気が来た俺は、本格的に眠ろうとカーテンを閉めたあと布団を被って目を瞑っていた。
(真っ暗じゃないと眠れないんだよな…)
布団の中で、いつもの癖で耳を触り、予備のピアスを付け忘れたのを忘れる。
(…後でいいか)
1日や2日で塞がるものでは無いので、また起きたらにしよう、そう思い意識を手放そうとした時
「兄様~?」
先程の赤髪の男の声がした。
(…いや、兄様はいねェけど)
黙ってたら帰るだろう、そう思って無視して眠りにつこうとする。
「なあ、開けろよ~」
ガンガン、扉を軽く蹴る音がした。
…足癖悪いな、本当に貴族か?
それなりの音で扉を蹴られるのに眠れるはずもなく…
(…眠いんだから寝かせてくれ…)
そう思いながら耳を塞いでいると
ガンガン扉を蹴っていた音が止んだ。
良かった…これで眠れる。
また眠ろうとした、その瞬間
ドガン!!
物凄い音と衝撃が響いた。
(…は!?)
布団の中でガチゴチに固まる。
と、扉を破壊したのか…?!
コツ,コツと靴がなる音が近付いて、ギ…と足元のマットレスが沈んだ。
「なあ、悪かったって…拗ねてんのか?」
そう言いながら、布団越しに俺の上に乗る。
(こ、こいつ…!実の兄と…そ、そういう間柄なのか?!)
ルカ様が抱かれている様子を妄想すると…うお、ちょ、ちょっと良いな…
卑猥な妄想に興奮して、口を押さえていると
ガバ、と布団が捲られた。
「あれ…さっき隠れてた子かあ?」
美丈夫が、俺の顔をまじまじと見る。
先程まで鎧を纏っていた男は、風呂に入ったのか、髪の毛は湿り、いい香りがした。
っうお…派手な顔してるな…
流石はこの世界のナルシスト、俺でも関心するほど整った顔立ちをしていた。
「可愛い顔してんなあ…兄様が好きな感じだ」
口元を押さえていた俺の手を掴み、シーツに縫い付ける。
俺の髪の毛一本一本まで注意深く観察する様は、まるで捕食者だ。
(…ち、近…!)
徐々に顔が近づき、俺の首元に顔を埋める赤髪の男。
スゥ…
かと思えば、俺の匂いを嗅いだ。
「あ"ぁ……良いな、美味そうだ…」
「…っひ、?!」
俺の首に、暖かい舌が這う。
(な、舐めた…!?)
捕食者、という比喩は、あながち間違いではなかったのかもしれない。
ぴちゃ、ぴちゃ、と耳元で音がする。
赤髪の男の息は上がって、興奮してきた様で、布団越しにもう一方の手で俺の体の形を確かめ始めた。
「体うっすいなあ…どこの子供だ…?こんな体しておきながら、魔力を感じない…」
可愛いからいいけどなあ、と言いながら俺の頭を撫でる。
それから布団越しに、勃起したズボンを俺の腹に擦り付けてきた。
(ひ、昼間から盛るなよ…!)
ベッドがギ、ギと軋む音、腹に感じる質量に頭がクラクラして来たところで
「あぁ…ダメだ、最後までしたい…」
「ッい"ッて…!」
赤髪の男はそう呟いた後に、おれの首筋に歯を立てた。
鋭い痛みに体が硬直すると同時に、
俺を布団から出して抱き上げた。
(さ、最後までって言ったか!?)
「な、何…ッン"ー!!」
俺の口を手で覆った後、
廊下をずんずん進む。
外で待っていた取り巻き…友達かな?の2人に
「…ッ誰だそれ?」
「なあ!飯奢るって話は!」
と話しかけられるも
「うるせえ、今日はもう俺は遊ぶ」
そう答えて置いて行った。
と、友達を無碍にしちゃダメだろ…!
デュランの事がある俺は、置いて行かれた男2人を見つめる。
…が、こんな事は頻繁にあるのか、慣れた様に帰って行った。
廊下をズンズン進み、ある扉を乱暴に開けた後、俺はまた、扉への対応とは裏腹に丁寧にベッドに降ろされた。
部屋の内装は、先程俺がいた部屋は真っ白、少し青がアクセントに加えられていたものなのに比べ、黒と赤を貴重とした、真逆の雰囲気だった。
(…めちゃくちゃ吸血鬼の色じゃん)
ベッドの上から垂れ下がる赤色の薄い幕を見ながら、ぼーっと考えた。
この部屋には窓がない…暗い部屋の鍵をゆっくり閉める音がして、目を瞑る。
さっき噛まれた所が、ジンジンする。
ギ…と男がベッドに乗ってくる音も、他人事のように思えた。
「…あれ、おーい」
俺の目の前で手を振る男。
「もしかして吸血は始めてかあ?耐性ねぇのか…」
仕方ない、と言った感じに、俺の傷口にまた口をつける男。
「血ィ出るの早いな、腹の方まで溢れてる」
(…腹の方まで?)
そんなの初耳の俺は、気が遠くなってくる。
首がドクドク言ってんのは分かったけど、そんなに血が出てんのは聞いてない。
「あーあー、大丈夫だって、死なないから」
俺が心細い表情をしていたのか、頭を撫でながら俺の血を舐めとる男。
肩の傷口を舐め終わったのか、徐々に下に降りていく。
「…兄様の服の趣味は本当に変わってるな、男に着せる服じゃない」
鎖骨あたり、プチプチとフリルの使われたシャツを開けながら男は言う。
「…はッ♡…はッ…♡」
いつの間にか俺は息が上がっていて、
流れ出た血を舐め取られる度に腰が跳ねた。
「はは、耐性がないから催淫も効きやすいか」
面白そうに笑った男は、俺のシャツは中途半端に、自分と俺を布団の中へ入れた。
(…布団で隠れてセックスするタイプなのか…意外だ。)
知らない男に見られながらセックスするルカ様と違って、繊細なんだな…
見た目とは真逆だけど。
「…こう見ると、本当に綺麗な顔をしてる…改めて見ると兄様の趣味とはまた…少し違うな?可愛いより綺麗寄りだ」
俺の好みに近いかも、そう言ってまたシャツを開け始める。
(…やば♡胸…ッ見られる…!♡)
シャツを開ける些細な動きが、乳首に布を擦る。
(乳首勃つ…ッ♡)
穴を開けてから、血が溜まりにくくてあまり勃起しない乳首も、この状況か、はたまた先程この男が話していた催淫のせいか、ピン、と服を押し上げていた。
「さ、大人しく脱ごうな~?万歳できるか?」
幼児に使う様な優しい言葉遣いで、俺の服を脱がせていく。
手を上げようとしても、足が痺れた時のように力が入らなくて、動かせたとしてもビリビリと気持ちいい。
いよいよさっきの吸血がヤバいらしい事を知った。
「…ッう"♡ッゥ"ア"♡」
勝手に声が出て、全身が気持ちいい。
(ま、まだ何もされてないのに…!)
このまま昨晩のようなセックスをされたら、俺は死んじゃうんじゃないか…!?
懲りずに期待で勃起したちんぽに、またデュランに申し訳なくなる。
(俺は…快楽に弱すぎる…ッ、!♡)
「はは、いいよ、俺が脱がせてやる」
快楽に完全敗北した俺は、赤髪の男に服を脱がされる間、ただただ喘ぐ事しか出来なかった。
全裸の俺は、まだ何もされていないのに、乳首とちんぽは勃起しきって、身体中がピクん、ピクンと揺れてる。
「エッロ……なんだこれ…兄様のチョイス…今回ばかりは最高だ…」
興奮した顔で、嬉しそうに腹回りの残りの血を舐め取る男。
(…胸にある血は残してるのか…!)
確信に未だ触れない舌がもどかしくなって、ここも、ここもと胸が浮く。
「気持ち良くなりたいのか?ん?」
俺にそう聞きながら、薄い胸をただなぞるだけで乳首には触れない。
(…ッくそ…!!♡)
「胸の穴は自分で開けたのか?」
(そ、それは…先輩の…兄貴に…"♡)
思い出してまた、目を閉じて、腹の奥がキュンキュンする。
目を開けた俺の上には、ぎゅ、ぎゅと無い胸を揉む男。
それだけでも、少し乳首へ圧がかかって気持ちがいい。
「ッぁ"あ♡ッはぁ"ッ♡はッ…!♡」
息が荒くなって、同時に腰も跳ねた。
(早く…ッ!"♡はやく触ってくれ…ッ♡)
「触って欲しいか?」
嬉しそうに、また俺に聞く男。
腹は舐め終わったのか、俺の太ももを持ち上げて、自身の勃起ちんぽを押し付けるだけだ。
「はッ…♡は…ッ♡」
(ちんぽも欲しいし…♡乳首も触って欲しい…"ッ♡)
欲張りな俺は頭がショートして、どう答えていいか分からなくなる。
浅い呼吸を繰り返しながら、男の顔を見つめた。
「何、その物欲しそうな目」
嬉しそうにした男は、ご褒美だと言った具合に俺の左乳首をつねった。
「ッ"うあ"ッァ"アあ"ッ!?♡」
「はは、すっげェ声!」
ビリビリとした快楽が全身に走り、俺のちんぽが痛いほど勃起する。
我慢汁が、腹に少しずつ、既に垂れて来ていた。
「右も触ってやろうな~?」
嬉しそうに、俺の両乳首をしこしこ♡する男。
「ッぁ"あ"ッ♡ハァ"ッ♡ッァ"!♡」
強すぎる刺激に声が出なくなり、
首を晒す体勢で頭の上部分をマットレスに擦り付ける。
「さっきまでピンクだったのに…もう赤くなってる…」
残りの血液を舐め取ろうと、
男はまた胸に舌を這わせてきた。
「ッぁ"あ"ッ!♡」
(気持ち良すぎる…気持ち良すぎる…ッ"!)
胸の内側がザワザワして、気持ち良さを紛らわせるために深呼吸したいのに、強すぎる刺激に息が吸えない。
はっはっは、と浅い呼吸を繰り返しながら、内股が震える心地がした。
(な、…ッ♡なんかくる…ッ!♡)
「だ…ッぁ"♡だめ…ッ"♡これェ"ッ!!♡」
初めての感覚に怖くなって、
我慢できずに静止の言葉をかける。
「なんだ、乳首でイきそうか?」
男は嬉しそうに、両乳首を唾液で湿らせた後、先程の様に摘むのではなく、中指で優しく乳輪をくるくると刺激し始めた。
「ッぅあ"あッ♡だ…ッ"♡めッ…"!!♡」
(ち、乳首でイく…!?)
喘ぎながら、未知の刺激に恐怖を覚える。
痛いほどの熱が、ちんぽだけじゃなく太もも全体にまで行き渡り、しかし力が入らないせいで、身体中の気持ちいいに、制御が効かなくなる。
「ァ"あ"ッ!♡ハァ"ッァ"♡」
両乳首にも熱が溜まり、乳輪をなぞる指に合わせて俺の腰がグイ、グイ、と動いた。
「ほら、もうすぐイけるぞ」
俺の体の状態が分かるのか、上から楽しそうな声がする。
(ち、乳首だけでイくとか…"ッ♡絶対…ッ♡絶対ダメぇ…"ッ!♡)
セックスの快感を覚えた次の日には乳首でイけるようになってたら、あ、明日はどうすんだよ!!
快楽の比例グラフが頭を掠める。
(ほ、本気で死ぬ…ッ!"♡)
俺の腹は、何も入れてないのにギュンギュンと締め付ける動作を繰り返して、足の震えが腰にまで来ていた。
「ほら、イきたいな?」
未だ乳輪を触るだけでツン、と持ち上がった突起に触れてくれない男は
どうすればいいと思う?といった顔で俺を見る。
「ッは"♡はやッ…くぅ"♡」
怖いのとイきたいので頭が馬鹿になった俺は、力の入らない足に頑張って力を入れて、腰を浮かせては鍛えられている腹にちんぽを擦った。
「おっと、ダメな子だなあ」
四つん這いになっていた男は、膝の位置を上に移動させて、自分の腹の位置を持ち上げる。
(そ、…ッ!そんなことしたら届かない…!♡)
「ほら、イきたいならなんて言うんだ?」
喉の奥で笑いながら、俺の頭を撫でる。
(お、お願いしろってことか…ッ?!)
恥ずかしさなんて既に消え失せていた俺は、遠慮なく男に媚びる。
「イ"ッ♡イきた"ぃッ♡イかせて…ッ"♡ッァ"♡イか"せて"ッ♡くださいッ♡ィ"…ッ!♡」
「ははは」
笑った男に、正解だと安堵した俺は、
今から来るであろう快楽に身を任せようと
期待に満ち溢れていた。
…だが
「違うだろ?…俺の名前を呼ぶんだ」
(…な、名前!?)
知らねぇよ名前なんて!
容易にイけないと分かった俺は、涙を流す。
まさかそんなトラップあるかよ!
自己紹介されたっけ、どこかでこいつの名前呼ばれてた…?
名前、名前…と記憶を探るが、全く出てこない。
「なんだ、イきたいってお願いはできるのに俺の名前を呼べないのか?変な子だなあ」
嬉しそうに俺の頭を撫でる男。
自分の名前を知らない奴なんてこの世にいないような口ぶりだ。
(ゆ、有名人なんだ、コイツ…)
確かにルカ様より国民を愛して、愛されていそうだった。
さっきのナルシストぶりを見る限りでも、対応に慣れていそうだったし…。
「ッはぁ"♡ッはぁ…"ッ!♡」
瞳に涙を滲ませながら、上半身を動かして、どうにか赤髪の指を確信に触れさせようと画策する。
「こらこら!何やってんだよ!全く困ったちゃんだなぁ」
こーら♡と、軽く俺の頭を叩いた後、間違って乳首に触れない為か、乳輪から手を離し、また胸を揉む動きに切り替わる。
「っぅ"、ぅう"ぅ…!♡」
(イきたい…ッ"♡イきだぃ…♡)
乳首から手は離れるし、ちんぽへの刺激も0だ。
体から熱いのが離れなくて、辛い。
「ほら、イきたいなら名前、名前だって」
(だからそれが分かんねぇんだって…!)
体の熱が辛くて、頭を振る。
「なんだよ、そんなに言うのが嫌なのか?」
眉尻を下げ、俺の顔に自分の顔を近づける赤髪の男。
「じゃあ一緒に言ってやるよ、な?」
それでいいだろ、と胸を揉んでいた手を、俺の顔に添える。
暖かい手が顔と耳周りを覆って、こんな状況じゃなければ眠れそうだ。
「ほら、『ロ』っていってみろ、ろ~って、言えるか?」
「…ッろ、"♡ロっォ"…"!♡」
「はは、偉いぞ」
さす、さす、と装飾だらけの耳を擦りながら、眩しい笑顔で俺を偉い偉いと褒める。
(り、理想の上司って感じだ…!)
「次は『イ』、言えるか?い~」
「ィ"…いッ♡い…ッ♡」
「そうそう!あと一文字だ」
あと一文字でイける、そう思った俺は、期待でまた腹の奥が締まった。
忘れない様に、頭で何度も(ロイ…ロイ…)と確かめる。
「じゃあ最後、『ク』だ、続けて言えよ?ロイクって」
「ろ…"ッ♡ロイク…ッ"♡ろい…ッ"ぅぁあ"ッ!?♡」
俺が名前を呼んだ途端、顔から手が離れ、グイッ、と俺のピアスが引っ張られる。
「ッぁ"あ"♡ッ…ゥ"あッ!♡ぁ"…!♡♡」
待ち侘びた刺激に、身体中がビクビクと跳ね、足がガクガクと震えた。
「ははは、焦らした分イき方すッげぇ!」
嬉しそうに、イっている俺を眺めるロイク。
イきながら俺は、ある違和感に気づいていた。
(しゃ、射精してない…!?)
イった筈が、気持ちいいのが終わらない感覚に、意識が飛びそうになる。
足が震え中がギュンギュンして、それがずーーーっと続いていた。
「っぁ"♡ッはぁ"♡はぁ"ッ…!♡」
洗い息を吐きながら、ロイクを睨む。
「怖い顔すんなよ~まだまだこれからだろ?」
そう言うとロイクは、硬くなった自分の物をズボンから取り出した。
(真っ暗じゃないと眠れないんだよな…)
布団の中で、いつもの癖で耳を触り、予備のピアスを付け忘れたのを忘れる。
(…後でいいか)
1日や2日で塞がるものでは無いので、また起きたらにしよう、そう思い意識を手放そうとした時
「兄様~?」
先程の赤髪の男の声がした。
(…いや、兄様はいねェけど)
黙ってたら帰るだろう、そう思って無視して眠りにつこうとする。
「なあ、開けろよ~」
ガンガン、扉を軽く蹴る音がした。
…足癖悪いな、本当に貴族か?
それなりの音で扉を蹴られるのに眠れるはずもなく…
(…眠いんだから寝かせてくれ…)
そう思いながら耳を塞いでいると
ガンガン扉を蹴っていた音が止んだ。
良かった…これで眠れる。
また眠ろうとした、その瞬間
ドガン!!
物凄い音と衝撃が響いた。
(…は!?)
布団の中でガチゴチに固まる。
と、扉を破壊したのか…?!
コツ,コツと靴がなる音が近付いて、ギ…と足元のマットレスが沈んだ。
「なあ、悪かったって…拗ねてんのか?」
そう言いながら、布団越しに俺の上に乗る。
(こ、こいつ…!実の兄と…そ、そういう間柄なのか?!)
ルカ様が抱かれている様子を妄想すると…うお、ちょ、ちょっと良いな…
卑猥な妄想に興奮して、口を押さえていると
ガバ、と布団が捲られた。
「あれ…さっき隠れてた子かあ?」
美丈夫が、俺の顔をまじまじと見る。
先程まで鎧を纏っていた男は、風呂に入ったのか、髪の毛は湿り、いい香りがした。
っうお…派手な顔してるな…
流石はこの世界のナルシスト、俺でも関心するほど整った顔立ちをしていた。
「可愛い顔してんなあ…兄様が好きな感じだ」
口元を押さえていた俺の手を掴み、シーツに縫い付ける。
俺の髪の毛一本一本まで注意深く観察する様は、まるで捕食者だ。
(…ち、近…!)
徐々に顔が近づき、俺の首元に顔を埋める赤髪の男。
スゥ…
かと思えば、俺の匂いを嗅いだ。
「あ"ぁ……良いな、美味そうだ…」
「…っひ、?!」
俺の首に、暖かい舌が這う。
(な、舐めた…!?)
捕食者、という比喩は、あながち間違いではなかったのかもしれない。
ぴちゃ、ぴちゃ、と耳元で音がする。
赤髪の男の息は上がって、興奮してきた様で、布団越しにもう一方の手で俺の体の形を確かめ始めた。
「体うっすいなあ…どこの子供だ…?こんな体しておきながら、魔力を感じない…」
可愛いからいいけどなあ、と言いながら俺の頭を撫でる。
それから布団越しに、勃起したズボンを俺の腹に擦り付けてきた。
(ひ、昼間から盛るなよ…!)
ベッドがギ、ギと軋む音、腹に感じる質量に頭がクラクラして来たところで
「あぁ…ダメだ、最後までしたい…」
「ッい"ッて…!」
赤髪の男はそう呟いた後に、おれの首筋に歯を立てた。
鋭い痛みに体が硬直すると同時に、
俺を布団から出して抱き上げた。
(さ、最後までって言ったか!?)
「な、何…ッン"ー!!」
俺の口を手で覆った後、
廊下をずんずん進む。
外で待っていた取り巻き…友達かな?の2人に
「…ッ誰だそれ?」
「なあ!飯奢るって話は!」
と話しかけられるも
「うるせえ、今日はもう俺は遊ぶ」
そう答えて置いて行った。
と、友達を無碍にしちゃダメだろ…!
デュランの事がある俺は、置いて行かれた男2人を見つめる。
…が、こんな事は頻繁にあるのか、慣れた様に帰って行った。
廊下をズンズン進み、ある扉を乱暴に開けた後、俺はまた、扉への対応とは裏腹に丁寧にベッドに降ろされた。
部屋の内装は、先程俺がいた部屋は真っ白、少し青がアクセントに加えられていたものなのに比べ、黒と赤を貴重とした、真逆の雰囲気だった。
(…めちゃくちゃ吸血鬼の色じゃん)
ベッドの上から垂れ下がる赤色の薄い幕を見ながら、ぼーっと考えた。
この部屋には窓がない…暗い部屋の鍵をゆっくり閉める音がして、目を瞑る。
さっき噛まれた所が、ジンジンする。
ギ…と男がベッドに乗ってくる音も、他人事のように思えた。
「…あれ、おーい」
俺の目の前で手を振る男。
「もしかして吸血は始めてかあ?耐性ねぇのか…」
仕方ない、と言った感じに、俺の傷口にまた口をつける男。
「血ィ出るの早いな、腹の方まで溢れてる」
(…腹の方まで?)
そんなの初耳の俺は、気が遠くなってくる。
首がドクドク言ってんのは分かったけど、そんなに血が出てんのは聞いてない。
「あーあー、大丈夫だって、死なないから」
俺が心細い表情をしていたのか、頭を撫でながら俺の血を舐めとる男。
肩の傷口を舐め終わったのか、徐々に下に降りていく。
「…兄様の服の趣味は本当に変わってるな、男に着せる服じゃない」
鎖骨あたり、プチプチとフリルの使われたシャツを開けながら男は言う。
「…はッ♡…はッ…♡」
いつの間にか俺は息が上がっていて、
流れ出た血を舐め取られる度に腰が跳ねた。
「はは、耐性がないから催淫も効きやすいか」
面白そうに笑った男は、俺のシャツは中途半端に、自分と俺を布団の中へ入れた。
(…布団で隠れてセックスするタイプなのか…意外だ。)
知らない男に見られながらセックスするルカ様と違って、繊細なんだな…
見た目とは真逆だけど。
「…こう見ると、本当に綺麗な顔をしてる…改めて見ると兄様の趣味とはまた…少し違うな?可愛いより綺麗寄りだ」
俺の好みに近いかも、そう言ってまたシャツを開け始める。
(…やば♡胸…ッ見られる…!♡)
シャツを開ける些細な動きが、乳首に布を擦る。
(乳首勃つ…ッ♡)
穴を開けてから、血が溜まりにくくてあまり勃起しない乳首も、この状況か、はたまた先程この男が話していた催淫のせいか、ピン、と服を押し上げていた。
「さ、大人しく脱ごうな~?万歳できるか?」
幼児に使う様な優しい言葉遣いで、俺の服を脱がせていく。
手を上げようとしても、足が痺れた時のように力が入らなくて、動かせたとしてもビリビリと気持ちいい。
いよいよさっきの吸血がヤバいらしい事を知った。
「…ッう"♡ッゥ"ア"♡」
勝手に声が出て、全身が気持ちいい。
(ま、まだ何もされてないのに…!)
このまま昨晩のようなセックスをされたら、俺は死んじゃうんじゃないか…!?
懲りずに期待で勃起したちんぽに、またデュランに申し訳なくなる。
(俺は…快楽に弱すぎる…ッ、!♡)
「はは、いいよ、俺が脱がせてやる」
快楽に完全敗北した俺は、赤髪の男に服を脱がされる間、ただただ喘ぐ事しか出来なかった。
全裸の俺は、まだ何もされていないのに、乳首とちんぽは勃起しきって、身体中がピクん、ピクンと揺れてる。
「エッロ……なんだこれ…兄様のチョイス…今回ばかりは最高だ…」
興奮した顔で、嬉しそうに腹回りの残りの血を舐め取る男。
(…胸にある血は残してるのか…!)
確信に未だ触れない舌がもどかしくなって、ここも、ここもと胸が浮く。
「気持ち良くなりたいのか?ん?」
俺にそう聞きながら、薄い胸をただなぞるだけで乳首には触れない。
(…ッくそ…!!♡)
「胸の穴は自分で開けたのか?」
(そ、それは…先輩の…兄貴に…"♡)
思い出してまた、目を閉じて、腹の奥がキュンキュンする。
目を開けた俺の上には、ぎゅ、ぎゅと無い胸を揉む男。
それだけでも、少し乳首へ圧がかかって気持ちがいい。
「ッぁ"あ♡ッはぁ"ッ♡はッ…!♡」
息が荒くなって、同時に腰も跳ねた。
(早く…ッ!"♡はやく触ってくれ…ッ♡)
「触って欲しいか?」
嬉しそうに、また俺に聞く男。
腹は舐め終わったのか、俺の太ももを持ち上げて、自身の勃起ちんぽを押し付けるだけだ。
「はッ…♡は…ッ♡」
(ちんぽも欲しいし…♡乳首も触って欲しい…"ッ♡)
欲張りな俺は頭がショートして、どう答えていいか分からなくなる。
浅い呼吸を繰り返しながら、男の顔を見つめた。
「何、その物欲しそうな目」
嬉しそうにした男は、ご褒美だと言った具合に俺の左乳首をつねった。
「ッ"うあ"ッァ"アあ"ッ!?♡」
「はは、すっげェ声!」
ビリビリとした快楽が全身に走り、俺のちんぽが痛いほど勃起する。
我慢汁が、腹に少しずつ、既に垂れて来ていた。
「右も触ってやろうな~?」
嬉しそうに、俺の両乳首をしこしこ♡する男。
「ッぁ"あ"ッ♡ハァ"ッ♡ッァ"!♡」
強すぎる刺激に声が出なくなり、
首を晒す体勢で頭の上部分をマットレスに擦り付ける。
「さっきまでピンクだったのに…もう赤くなってる…」
残りの血液を舐め取ろうと、
男はまた胸に舌を這わせてきた。
「ッぁ"あ"ッ!♡」
(気持ち良すぎる…気持ち良すぎる…ッ"!)
胸の内側がザワザワして、気持ち良さを紛らわせるために深呼吸したいのに、強すぎる刺激に息が吸えない。
はっはっは、と浅い呼吸を繰り返しながら、内股が震える心地がした。
(な、…ッ♡なんかくる…ッ!♡)
「だ…ッぁ"♡だめ…ッ"♡これェ"ッ!!♡」
初めての感覚に怖くなって、
我慢できずに静止の言葉をかける。
「なんだ、乳首でイきそうか?」
男は嬉しそうに、両乳首を唾液で湿らせた後、先程の様に摘むのではなく、中指で優しく乳輪をくるくると刺激し始めた。
「ッぅあ"あッ♡だ…ッ"♡めッ…"!!♡」
(ち、乳首でイく…!?)
喘ぎながら、未知の刺激に恐怖を覚える。
痛いほどの熱が、ちんぽだけじゃなく太もも全体にまで行き渡り、しかし力が入らないせいで、身体中の気持ちいいに、制御が効かなくなる。
「ァ"あ"ッ!♡ハァ"ッァ"♡」
両乳首にも熱が溜まり、乳輪をなぞる指に合わせて俺の腰がグイ、グイ、と動いた。
「ほら、もうすぐイけるぞ」
俺の体の状態が分かるのか、上から楽しそうな声がする。
(ち、乳首だけでイくとか…"ッ♡絶対…ッ♡絶対ダメぇ…"ッ!♡)
セックスの快感を覚えた次の日には乳首でイけるようになってたら、あ、明日はどうすんだよ!!
快楽の比例グラフが頭を掠める。
(ほ、本気で死ぬ…ッ!"♡)
俺の腹は、何も入れてないのにギュンギュンと締め付ける動作を繰り返して、足の震えが腰にまで来ていた。
「ほら、イきたいな?」
未だ乳輪を触るだけでツン、と持ち上がった突起に触れてくれない男は
どうすればいいと思う?といった顔で俺を見る。
「ッは"♡はやッ…くぅ"♡」
怖いのとイきたいので頭が馬鹿になった俺は、力の入らない足に頑張って力を入れて、腰を浮かせては鍛えられている腹にちんぽを擦った。
「おっと、ダメな子だなあ」
四つん這いになっていた男は、膝の位置を上に移動させて、自分の腹の位置を持ち上げる。
(そ、…ッ!そんなことしたら届かない…!♡)
「ほら、イきたいならなんて言うんだ?」
喉の奥で笑いながら、俺の頭を撫でる。
(お、お願いしろってことか…ッ?!)
恥ずかしさなんて既に消え失せていた俺は、遠慮なく男に媚びる。
「イ"ッ♡イきた"ぃッ♡イかせて…ッ"♡ッァ"♡イか"せて"ッ♡くださいッ♡ィ"…ッ!♡」
「ははは」
笑った男に、正解だと安堵した俺は、
今から来るであろう快楽に身を任せようと
期待に満ち溢れていた。
…だが
「違うだろ?…俺の名前を呼ぶんだ」
(…な、名前!?)
知らねぇよ名前なんて!
容易にイけないと分かった俺は、涙を流す。
まさかそんなトラップあるかよ!
自己紹介されたっけ、どこかでこいつの名前呼ばれてた…?
名前、名前…と記憶を探るが、全く出てこない。
「なんだ、イきたいってお願いはできるのに俺の名前を呼べないのか?変な子だなあ」
嬉しそうに俺の頭を撫でる男。
自分の名前を知らない奴なんてこの世にいないような口ぶりだ。
(ゆ、有名人なんだ、コイツ…)
確かにルカ様より国民を愛して、愛されていそうだった。
さっきのナルシストぶりを見る限りでも、対応に慣れていそうだったし…。
「ッはぁ"♡ッはぁ…"ッ!♡」
瞳に涙を滲ませながら、上半身を動かして、どうにか赤髪の指を確信に触れさせようと画策する。
「こらこら!何やってんだよ!全く困ったちゃんだなぁ」
こーら♡と、軽く俺の頭を叩いた後、間違って乳首に触れない為か、乳輪から手を離し、また胸を揉む動きに切り替わる。
「っぅ"、ぅう"ぅ…!♡」
(イきたい…ッ"♡イきだぃ…♡)
乳首から手は離れるし、ちんぽへの刺激も0だ。
体から熱いのが離れなくて、辛い。
「ほら、イきたいなら名前、名前だって」
(だからそれが分かんねぇんだって…!)
体の熱が辛くて、頭を振る。
「なんだよ、そんなに言うのが嫌なのか?」
眉尻を下げ、俺の顔に自分の顔を近づける赤髪の男。
「じゃあ一緒に言ってやるよ、な?」
それでいいだろ、と胸を揉んでいた手を、俺の顔に添える。
暖かい手が顔と耳周りを覆って、こんな状況じゃなければ眠れそうだ。
「ほら、『ロ』っていってみろ、ろ~って、言えるか?」
「…ッろ、"♡ロっォ"…"!♡」
「はは、偉いぞ」
さす、さす、と装飾だらけの耳を擦りながら、眩しい笑顔で俺を偉い偉いと褒める。
(り、理想の上司って感じだ…!)
「次は『イ』、言えるか?い~」
「ィ"…いッ♡い…ッ♡」
「そうそう!あと一文字だ」
あと一文字でイける、そう思った俺は、期待でまた腹の奥が締まった。
忘れない様に、頭で何度も(ロイ…ロイ…)と確かめる。
「じゃあ最後、『ク』だ、続けて言えよ?ロイクって」
「ろ…"ッ♡ロイク…ッ"♡ろい…ッ"ぅぁあ"ッ!?♡」
俺が名前を呼んだ途端、顔から手が離れ、グイッ、と俺のピアスが引っ張られる。
「ッぁ"あ"♡ッ…ゥ"あッ!♡ぁ"…!♡♡」
待ち侘びた刺激に、身体中がビクビクと跳ね、足がガクガクと震えた。
「ははは、焦らした分イき方すッげぇ!」
嬉しそうに、イっている俺を眺めるロイク。
イきながら俺は、ある違和感に気づいていた。
(しゃ、射精してない…!?)
イった筈が、気持ちいいのが終わらない感覚に、意識が飛びそうになる。
足が震え中がギュンギュンして、それがずーーーっと続いていた。
「っぁ"♡ッはぁ"♡はぁ"ッ…!♡」
洗い息を吐きながら、ロイクを睨む。
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そう言うとロイクは、硬くなった自分の物をズボンから取り出した。
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