3 / 26
赤②
月曜日、黒は出社しなかった。
9時のチャイムで自分のデスクに向かい、誰も座っていない隣の席を見る。
PCを開き、作業を開始する。
いつも通り作業をこなしてはいたが、心の中ではあの日の出来事を思い出した。
金曜日にあの出来事があって、土日の二日間で一応休めるから、出社する可能性もあるかなと思っていたのだが。
まあ、そりゃそうだよな・・・
がっかりしたような、ほっとしたような。
主のいない整えられた綺麗な机を、横目でちらりと見て、俺は仕事に集中しようとした。
が、そんなことできるはずもなく、ほとんど仕事が進まなかった。
たまに会社の先輩が「あれ、今日黒休みなんだ?」と声をかけられドキリとする。
「あーーー・・・はい、そうみたい、です・・・」
少し動揺してる俺を不思議そうに見てくる人もいたが、まさか金曜にあんな出来事があったとは思ってもないだろう。
特に不審がられることもなく、信じられないくらい会社はいつも通りだった。
たまに同僚と世間話をし、上司からは書類の期限を聞かれたりと、いつもと変わらない日常がそこにあった。
あれは、夢だったのかな、とも一瞬思った。
だが夢じゃない事は一番よく分かっている。
あいつ今何してんだろな・・・今週はもう来ないかも・・・それどころか数カ月来ない可能性も全然あるな・・・
他人事のように同情した。俺があいつの立場だったら絶対に会社来れないな。
・・・・・・最悪会社、辞めるかもしれねぇな
それはそれでいい気もした。あいつがここで働いてる限り、何食わぬ顔をして仕事を続けられる気がしなかった。
もっと最悪な可能性も、ふと頭をよぎる。
・・・・・・・・・・まさか・・・自殺・・・はしねえよ・・・な?
そこまでの事じゃねぇだろ・・・
そしてもう一つ、恐ろしい可能性にも気がつく
・・・・・・だれかに話してねえよな?
とたんに、周りの上司や同僚の様子が気になりだした。
心臓の音がだんだん大きくなる。
ちらちらと周りの様子を窺うが、皆特に変わりなく仕事をしているように見える。
いや、会社のやつに話してるとは限らない。
警察に話してるかも・・・
その瞬間、胸がドクンと大きく動いた。頭がくらくらする、冷や汗が止まらない。全身汗びっしょりになった。
どうして自分はその可能性を今まで考えなかったのか・・・どうしてあいつが誰にも言わないと決めつけてたのか。
もし、警察に、話してたら・・・会社をクビどころか、下手すりゃ捕まる、、社会的に俺は、終わる・・・
汗がデスクの上にぽたぽた落ちる。口の中はもうカラカラだ。
だ、大丈夫だ、大丈夫だろ
必死に心を安静に保とうと、都合の良い解釈をして、自分に言い聞かせる。
9時のチャイムで自分のデスクに向かい、誰も座っていない隣の席を見る。
PCを開き、作業を開始する。
いつも通り作業をこなしてはいたが、心の中ではあの日の出来事を思い出した。
金曜日にあの出来事があって、土日の二日間で一応休めるから、出社する可能性もあるかなと思っていたのだが。
まあ、そりゃそうだよな・・・
がっかりしたような、ほっとしたような。
主のいない整えられた綺麗な机を、横目でちらりと見て、俺は仕事に集中しようとした。
が、そんなことできるはずもなく、ほとんど仕事が進まなかった。
たまに会社の先輩が「あれ、今日黒休みなんだ?」と声をかけられドキリとする。
「あーーー・・・はい、そうみたい、です・・・」
少し動揺してる俺を不思議そうに見てくる人もいたが、まさか金曜にあんな出来事があったとは思ってもないだろう。
特に不審がられることもなく、信じられないくらい会社はいつも通りだった。
たまに同僚と世間話をし、上司からは書類の期限を聞かれたりと、いつもと変わらない日常がそこにあった。
あれは、夢だったのかな、とも一瞬思った。
だが夢じゃない事は一番よく分かっている。
あいつ今何してんだろな・・・今週はもう来ないかも・・・それどころか数カ月来ない可能性も全然あるな・・・
他人事のように同情した。俺があいつの立場だったら絶対に会社来れないな。
・・・・・・最悪会社、辞めるかもしれねぇな
それはそれでいい気もした。あいつがここで働いてる限り、何食わぬ顔をして仕事を続けられる気がしなかった。
もっと最悪な可能性も、ふと頭をよぎる。
・・・・・・・・・・まさか・・・自殺・・・はしねえよ・・・な?
そこまでの事じゃねぇだろ・・・
そしてもう一つ、恐ろしい可能性にも気がつく
・・・・・・だれかに話してねえよな?
とたんに、周りの上司や同僚の様子が気になりだした。
心臓の音がだんだん大きくなる。
ちらちらと周りの様子を窺うが、皆特に変わりなく仕事をしているように見える。
いや、会社のやつに話してるとは限らない。
警察に話してるかも・・・
その瞬間、胸がドクンと大きく動いた。頭がくらくらする、冷や汗が止まらない。全身汗びっしょりになった。
どうして自分はその可能性を今まで考えなかったのか・・・どうしてあいつが誰にも言わないと決めつけてたのか。
もし、警察に、話してたら・・・会社をクビどころか、下手すりゃ捕まる、、社会的に俺は、終わる・・・
汗がデスクの上にぽたぽた落ちる。口の中はもうカラカラだ。
だ、大丈夫だ、大丈夫だろ
必死に心を安静に保とうと、都合の良い解釈をして、自分に言い聞かせる。
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
魔性の男
makase
BL
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー