16 / 17
16
しおりを挟む
「はぁ?!ペット?!」
「ちょっ、声おっきっ、!!」
昨日ペットとして夜を過ごして
朝起きてみるともうヒロはいなかった。
朝早くからの出社だったらしく
テーブルには、パンと合鍵と置き手紙が置かれていて
”パン食って鍵してけよ~”
って、乱雑に記されてた。
「ペットってなに…、
何考えてんの…?」
そして今。
仕事が終わってからまだ開店前の行きつけの居酒屋に来た私は
早速、リコちゃんにご報告した。
どうしても誰かに打ち明けたくてさ。
「いや、ほんとおかしいよね。
自分でもなにやってんだ、って思うの」
「だったらなんで、」
「分っかんないけどぉ……、」
何となく引き寄せられてしまうものがあるんだよ。
あの人は。
「……まぁ、近々連れてきてみてよ?
ちょっと興味あるし」
「あ、面白がってるでしょ」
「そりゃ面白いよ~。
私みたいに普通に生きてたらそんなペットになる、だなんて出来事おこんないもん」
・・・いや、
私だって別に普通に生きてきたつもんなんだけど。
「とりあえずこれからどうするの?」
「八時前くらいに家に来てくれるらしいから
最低限の荷物持って、本格的に同棲はじめる」
「……へぇ、」
「……なにっ?」
開店準備をしながらのその冷ややかな視線と相槌に
もう意地になるしかないし。
「頑張りなよ、ペット」
「頑張るとか別にないもん…、」
「のちのち、辛い思いしなきゃいいね?」
「辛い思い?」
「本当の動物なわけじゃないんだもん。
一緒に過ごしていったら、何らかの感情は出てきちゃうんじゃない?」
「・・・」
「ま、前例がないからなんとも言えないけど」
ふふふー、って笑いながら
厨房の奥へと消えていくリコちゃんを見送りながら
私もそろそろ荷造りに帰らないと、と店をあとした。
━━━
チッチッチッ・・・、
───20時30分。
「来ないじゃない…っ、」
とりあえず生活に必要な荷物をまとめて
一人家で待ってるのに
全然来ないし、連絡すらもない。
えっ、まさかこの期に及んで冗談だったとか、
───ピンポーン、
「はっ!きたっ!」
良かった。冗談じゃなかった。
と、胸を撫で下ろして玄関へと向かった。
「はーい」
「ばんわ~!」
・・・え?
「もう、この辺めちゃくちゃ道ややこしいんだけど」
目の前には私が待っていたご主人様じゃなく
長身イケメンの出で立ちで
疲れたよーって騒ぎ立てるシロさんの姿があった。
「えっ?あれ?なんでっ?!」
「さて、行きますか。」
「はっ?!」
「荷物は?それ?随分と大荷物だね」
「ちょっと待っ、
「うわ、おもーい!」
・・・話、聞いてます?
困惑してる私のことなんてまるで無視で
玄関先に準備しておいた荷物をひょいっと持ち上げて、
「行こ。おもてに車停めてるから」
荷物片手に、玄関の扉に手をかけて笑顔を見せた。
「あの……、ヒロは?」
「ひろ?誰それ?」
「えっ?!」
「あ、ミツのことか。
ひろって言われると誰だか分かんなかった」
ひろって呼んでるんだ~、って
おっきな黒い車に私の荷物を放り込んで
助手席に乗るように促された。
「ミツから連絡いってなかった?
仕事抜けらんなそうだから、俺が代わりに迎えに行くよ~って」
「ぜんっぜん来てないんですけど」
「んはは、そういうとこあるよねミツ」
「…へぇ~」
一緒に会社を立ち上げただけあって
色んな面を知り尽くしてるんだろうな。
出発しまーす、ってハンドルをきって
そのままシロさんとヒロが住んでるマンションへと向かった。
「ちょっ、声おっきっ、!!」
昨日ペットとして夜を過ごして
朝起きてみるともうヒロはいなかった。
朝早くからの出社だったらしく
テーブルには、パンと合鍵と置き手紙が置かれていて
”パン食って鍵してけよ~”
って、乱雑に記されてた。
「ペットってなに…、
何考えてんの…?」
そして今。
仕事が終わってからまだ開店前の行きつけの居酒屋に来た私は
早速、リコちゃんにご報告した。
どうしても誰かに打ち明けたくてさ。
「いや、ほんとおかしいよね。
自分でもなにやってんだ、って思うの」
「だったらなんで、」
「分っかんないけどぉ……、」
何となく引き寄せられてしまうものがあるんだよ。
あの人は。
「……まぁ、近々連れてきてみてよ?
ちょっと興味あるし」
「あ、面白がってるでしょ」
「そりゃ面白いよ~。
私みたいに普通に生きてたらそんなペットになる、だなんて出来事おこんないもん」
・・・いや、
私だって別に普通に生きてきたつもんなんだけど。
「とりあえずこれからどうするの?」
「八時前くらいに家に来てくれるらしいから
最低限の荷物持って、本格的に同棲はじめる」
「……へぇ、」
「……なにっ?」
開店準備をしながらのその冷ややかな視線と相槌に
もう意地になるしかないし。
「頑張りなよ、ペット」
「頑張るとか別にないもん…、」
「のちのち、辛い思いしなきゃいいね?」
「辛い思い?」
「本当の動物なわけじゃないんだもん。
一緒に過ごしていったら、何らかの感情は出てきちゃうんじゃない?」
「・・・」
「ま、前例がないからなんとも言えないけど」
ふふふー、って笑いながら
厨房の奥へと消えていくリコちゃんを見送りながら
私もそろそろ荷造りに帰らないと、と店をあとした。
━━━
チッチッチッ・・・、
───20時30分。
「来ないじゃない…っ、」
とりあえず生活に必要な荷物をまとめて
一人家で待ってるのに
全然来ないし、連絡すらもない。
えっ、まさかこの期に及んで冗談だったとか、
───ピンポーン、
「はっ!きたっ!」
良かった。冗談じゃなかった。
と、胸を撫で下ろして玄関へと向かった。
「はーい」
「ばんわ~!」
・・・え?
「もう、この辺めちゃくちゃ道ややこしいんだけど」
目の前には私が待っていたご主人様じゃなく
長身イケメンの出で立ちで
疲れたよーって騒ぎ立てるシロさんの姿があった。
「えっ?あれ?なんでっ?!」
「さて、行きますか。」
「はっ?!」
「荷物は?それ?随分と大荷物だね」
「ちょっと待っ、
「うわ、おもーい!」
・・・話、聞いてます?
困惑してる私のことなんてまるで無視で
玄関先に準備しておいた荷物をひょいっと持ち上げて、
「行こ。おもてに車停めてるから」
荷物片手に、玄関の扉に手をかけて笑顔を見せた。
「あの……、ヒロは?」
「ひろ?誰それ?」
「えっ?!」
「あ、ミツのことか。
ひろって言われると誰だか分かんなかった」
ひろって呼んでるんだ~、って
おっきな黒い車に私の荷物を放り込んで
助手席に乗るように促された。
「ミツから連絡いってなかった?
仕事抜けらんなそうだから、俺が代わりに迎えに行くよ~って」
「ぜんっぜん来てないんですけど」
「んはは、そういうとこあるよねミツ」
「…へぇ~」
一緒に会社を立ち上げただけあって
色んな面を知り尽くしてるんだろうな。
出発しまーす、ってハンドルをきって
そのままシロさんとヒロが住んでるマンションへと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
戦いの終わりに
トモ
恋愛
マーガレットは6人家族の長女13歳。長く続いた戦乱がもうすぐ終わる。そんなある日、複数のヒガサ人、敵兵士が家に押し入る。
父、兄は戦いに出ているが、もうすぐ帰還の連絡があったところなのに。
家には、母と幼い2人の妹達。
もうすぐ帰ってくるのに。なぜこのタイミングで…
そしてマーガレットの心には深い傷が残る
マーガレットは幸せになれるのか
(国名は創作です)
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる