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私が傷つけたあの人のハナシ1
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響介はお父さんの友達で、私にもよくしてくれた。
私に会うたびにお父さんと同じくらい可愛がってくれた。
〝親友の娘〟ってだけのほんの小さな繋がり。
たったそれだけなのに私を何度も何度も救ってくれた。
そんな優しい人を悲しませないために私はイジメられていても黙っていることにした。
響介にイジメられてるって報告するたびに私の代わりに悲しんだ。
私はそんな顔を見たくなくて、苦しませたくなくて、我慢することにした。
バシャッ
「・・・つめたっ・・・」
「ごめーん。手が滑っちゃったぁー。許してぇ?」
「・・・大丈夫。」
「でもぉ、悪いのはあんただからねぇ。私の前に居てジャマだったんだからぁ。」
私はこいつが大っ嫌いだ。
間延びした口調で私に責任を負わせる。
これがイジメだって分かってる。
だから私は我慢する。
次の日も私のイジメは続いた。
日を追うごとに人数が増えていく。
誰もがみんなターゲットになりたくない。
だから彼女に手を貸す。
私に手を差し伸べてくれる人なんて誰も居ない。
次の日、私の靴が無くなっていた。
「・・・探そう。」
「どうしたのぉ?・・・へぇ、靴無くなっちゃったんだぁ。探すの手伝ってあげようかぁ?」
「・・・いい。」
断っても結局は手伝われる。
「お前のこと手伝ってくれるんだから紗奈に感謝しろよ。」
ほらまたあいつに感謝しなきゃいけない。
どうせ隠したのはお前らだろ。
白々しい。
笑ってるのバレバレだから。
結局靴はトイレのごみ箱で見つかった。
「見つかったよぉ。ほらぁ。・・・あっ。」
ボチャン
「ごめぇん。手が滑ったぁ。でもぉ、私に感謝してよねぇ。見つけてあげたんだからぁ。」
「・・・ありがとう・・・スリッパ借りてくる。」
あいつらは私を見て笑った。
(あぁ・・・もういいかな・・・解放されたい・・・死にたい・・・)
だけど私にはそんな勇気がなくて。
結局その日はやめて、響介の前では元気にふるまった。
次の日の放課後、私は体育館裏に呼び出された。
何をされるかはもう分っている。
殴られるんだ。
一対多。
私に勝ち目なんかない。
勝つ気もない。
私はされるがまま。
蹴られても、殴られてもやり返さない。
だけど顔だけは必死に守った。
響介に知られたくなかったから。
顔に傷があれば優しいあの人は心配する。
心配かけないように・・・
悲しませないように・・・
ただその思いで隠し続けた。
暴力を受け続けて一か月。
私は痛みに慣れてしまった。
最初は痛くて泣いていた。
けれどその痛みもだんだん感じなくなっていった。
私は家以外で笑わなくなった。
家での笑みも作り笑いで響介は当然それに気付いていた。
「学校で何かあったか?」
そう聞かれても、
「んーん。大丈夫!何もないよ!心配してくれてありがと響ちゃん!」
と言ってごまかした。
その時の私の体にはたくさんの痣がついていた。
響介に抱き着かれても痛みに顔を顰めることもなくなった。
けれど響介を騙していることに耐えられなくて、担任に状況の改善を求めた。
それでも担任は動くことがなく、私はそのままだった。
その時に私は頼るのをやめた。
もう無駄なことはやめよう。
そう思って・・・
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
こんにちは。
久しぶりに過去の話です。
これは大体11歳の頃の話です。
時系列が分からない人もいると思うので・・・
『昔のハナシ』は篠葉が5歳の頃で
『響介のハナシ』は響介が22歳の頃の。
『今のハナシ』は篠葉が13歳の頃。
『優のハナシ』は優が30歳で、響介が31歳。
『姫というソンザイ』は篠葉が10歳。
『静月のハナシ』は静月が15歳。
って感じですね。
次も『私が傷つけたあの人のハナシ』です。
ぜひ読んでくださいね。
私に会うたびにお父さんと同じくらい可愛がってくれた。
〝親友の娘〟ってだけのほんの小さな繋がり。
たったそれだけなのに私を何度も何度も救ってくれた。
そんな優しい人を悲しませないために私はイジメられていても黙っていることにした。
響介にイジメられてるって報告するたびに私の代わりに悲しんだ。
私はそんな顔を見たくなくて、苦しませたくなくて、我慢することにした。
バシャッ
「・・・つめたっ・・・」
「ごめーん。手が滑っちゃったぁー。許してぇ?」
「・・・大丈夫。」
「でもぉ、悪いのはあんただからねぇ。私の前に居てジャマだったんだからぁ。」
私はこいつが大っ嫌いだ。
間延びした口調で私に責任を負わせる。
これがイジメだって分かってる。
だから私は我慢する。
次の日も私のイジメは続いた。
日を追うごとに人数が増えていく。
誰もがみんなターゲットになりたくない。
だから彼女に手を貸す。
私に手を差し伸べてくれる人なんて誰も居ない。
次の日、私の靴が無くなっていた。
「・・・探そう。」
「どうしたのぉ?・・・へぇ、靴無くなっちゃったんだぁ。探すの手伝ってあげようかぁ?」
「・・・いい。」
断っても結局は手伝われる。
「お前のこと手伝ってくれるんだから紗奈に感謝しろよ。」
ほらまたあいつに感謝しなきゃいけない。
どうせ隠したのはお前らだろ。
白々しい。
笑ってるのバレバレだから。
結局靴はトイレのごみ箱で見つかった。
「見つかったよぉ。ほらぁ。・・・あっ。」
ボチャン
「ごめぇん。手が滑ったぁ。でもぉ、私に感謝してよねぇ。見つけてあげたんだからぁ。」
「・・・ありがとう・・・スリッパ借りてくる。」
あいつらは私を見て笑った。
(あぁ・・・もういいかな・・・解放されたい・・・死にたい・・・)
だけど私にはそんな勇気がなくて。
結局その日はやめて、響介の前では元気にふるまった。
次の日の放課後、私は体育館裏に呼び出された。
何をされるかはもう分っている。
殴られるんだ。
一対多。
私に勝ち目なんかない。
勝つ気もない。
私はされるがまま。
蹴られても、殴られてもやり返さない。
だけど顔だけは必死に守った。
響介に知られたくなかったから。
顔に傷があれば優しいあの人は心配する。
心配かけないように・・・
悲しませないように・・・
ただその思いで隠し続けた。
暴力を受け続けて一か月。
私は痛みに慣れてしまった。
最初は痛くて泣いていた。
けれどその痛みもだんだん感じなくなっていった。
私は家以外で笑わなくなった。
家での笑みも作り笑いで響介は当然それに気付いていた。
「学校で何かあったか?」
そう聞かれても、
「んーん。大丈夫!何もないよ!心配してくれてありがと響ちゃん!」
と言ってごまかした。
その時の私の体にはたくさんの痣がついていた。
響介に抱き着かれても痛みに顔を顰めることもなくなった。
けれど響介を騙していることに耐えられなくて、担任に状況の改善を求めた。
それでも担任は動くことがなく、私はそのままだった。
その時に私は頼るのをやめた。
もう無駄なことはやめよう。
そう思って・・・
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
こんにちは。
久しぶりに過去の話です。
これは大体11歳の頃の話です。
時系列が分からない人もいると思うので・・・
『昔のハナシ』は篠葉が5歳の頃で
『響介のハナシ』は響介が22歳の頃の。
『今のハナシ』は篠葉が13歳の頃。
『優のハナシ』は優が30歳で、響介が31歳。
『姫というソンザイ』は篠葉が10歳。
『静月のハナシ』は静月が15歳。
って感じですね。
次も『私が傷つけたあの人のハナシ』です。
ぜひ読んでくださいね。
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