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5話 独りぼっち
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バスチアンたちに連れられて、応接室へバスチアンとカンティークと3人で入った。高そうなソファに促されるまま座ると、対面にはカンティークとバスチアンが座った。出された紅茶に手をつける気にはならず、悠希は下を向き続けた。膝の上で震える自分の手が情けない。こんなとき涼太なら…と涼太にすがろうとする自分も情けない。
「…改めまして、副神官長のカンティークと申します。神官長が現在お務めができない状況ですので、私が代わりに対応させていただきます」
何も反応しない悠希を気にしながらもカンティークは話を続けた。
「まだ混乱していらっしゃるのは重々承知ですが、お伝えすることがありますので少しだけお付き合いください」
悠希を安心させるためにカンティークは笑みを浮かべたが、彼の笑顔は相変わらず胡散臭い。
「これから聖女様には、魔族と戦うために多くを学んでいただかねばなりません。そのために王立学園に編入していただきます。貴族のご子息・ご令嬢が多く通っていらっしゃいますから、きっとご友人もできるでしょう。それに-」
リラックスしてもらえるかと言った友人という言葉は逆効果だった。ゆっくりと顔を上げた悠希の目に映るのは涼太じゃない。
「…ゆうじん」
髪をくしゃっと握りしめるように悠希は頭を押さえた。独りであることを自覚し、息苦しさに呻いた。
様子のおかしい悠希にカンティークよりも先にバスチアンが動いた。
「聖女様」
ひざまづいて悠希の目を真っ直ぐに見つめる。
「聖女様…いえハルキ様、大丈夫ですよ」
涼太のような、悠希に宛てた言葉に彼は少し落ち着いた。
「お疲れのようですから、お話はここまでにいたしましょう。お部屋をご用意させていただきましたからそちらでお休みください」
カンティークに手を支えられてのろのろと立ち上がった。扉へ向かう2人にカンティークは最後に1つだけ、と追いすがった。
「勝手なことを申しているのは分かっております。…ですが、何卒私たちを、世界をお救いください」
深々と頭を下げるカンティークに、悠希は思わず身体を引いてしまいバスチアンにぶつかった。この世界で生きる覚悟も世界を救う覚悟もない悠希はうなずくことができなかった。返事もしないままバスチアンに促され、部屋を出た。
1人残された部屋でカンティークは、自身の情けなさに唇を噛み締めた。
「ハルキ様、先程のカンティークの申したことはしばらくお忘れください」
どうして?と思ったのが顔に出ていたらしい。バスチアンは話を続けた。
「確かにハルキ様にお救いいただくためにお呼びしました。ですが、魔族の脅威にはまだ少し距離があります。ハルキ様には脅威が訪れるまでに、この世界に慣れ、お力をつけていただきたいのです。救ってくれという願いは今のハルキ様には重たく、邪魔になってしまいますから」
ハルキを思っての言葉に、心が傾いていく気がした。はい、と小さく返すと、バスチアンは微笑んでくれた。
「本日はこちらでお休みください。お食事もご用意しておりますから、冷めない内に召し上がってください」
だだっ広い部屋に通されて、バスチアンも行ってしまった。独りになって、扉の前で立ちすくんだまま動けない。疲れてしまった。ご飯も美味しそうだが、何故か食べる気にはなれない。
しばらく経ってやっと動き出した悠希はベッドに倒れ込んだ。自分のベッドとは違う感触と匂いに顔をしかめた。
「りょうた…」
独りぼっちの部屋で、悠希は身体を縮こまらせた。
「…改めまして、副神官長のカンティークと申します。神官長が現在お務めができない状況ですので、私が代わりに対応させていただきます」
何も反応しない悠希を気にしながらもカンティークは話を続けた。
「まだ混乱していらっしゃるのは重々承知ですが、お伝えすることがありますので少しだけお付き合いください」
悠希を安心させるためにカンティークは笑みを浮かべたが、彼の笑顔は相変わらず胡散臭い。
「これから聖女様には、魔族と戦うために多くを学んでいただかねばなりません。そのために王立学園に編入していただきます。貴族のご子息・ご令嬢が多く通っていらっしゃいますから、きっとご友人もできるでしょう。それに-」
リラックスしてもらえるかと言った友人という言葉は逆効果だった。ゆっくりと顔を上げた悠希の目に映るのは涼太じゃない。
「…ゆうじん」
髪をくしゃっと握りしめるように悠希は頭を押さえた。独りであることを自覚し、息苦しさに呻いた。
様子のおかしい悠希にカンティークよりも先にバスチアンが動いた。
「聖女様」
ひざまづいて悠希の目を真っ直ぐに見つめる。
「聖女様…いえハルキ様、大丈夫ですよ」
涼太のような、悠希に宛てた言葉に彼は少し落ち着いた。
「お疲れのようですから、お話はここまでにいたしましょう。お部屋をご用意させていただきましたからそちらでお休みください」
カンティークに手を支えられてのろのろと立ち上がった。扉へ向かう2人にカンティークは最後に1つだけ、と追いすがった。
「勝手なことを申しているのは分かっております。…ですが、何卒私たちを、世界をお救いください」
深々と頭を下げるカンティークに、悠希は思わず身体を引いてしまいバスチアンにぶつかった。この世界で生きる覚悟も世界を救う覚悟もない悠希はうなずくことができなかった。返事もしないままバスチアンに促され、部屋を出た。
1人残された部屋でカンティークは、自身の情けなさに唇を噛み締めた。
「ハルキ様、先程のカンティークの申したことはしばらくお忘れください」
どうして?と思ったのが顔に出ていたらしい。バスチアンは話を続けた。
「確かにハルキ様にお救いいただくためにお呼びしました。ですが、魔族の脅威にはまだ少し距離があります。ハルキ様には脅威が訪れるまでに、この世界に慣れ、お力をつけていただきたいのです。救ってくれという願いは今のハルキ様には重たく、邪魔になってしまいますから」
ハルキを思っての言葉に、心が傾いていく気がした。はい、と小さく返すと、バスチアンは微笑んでくれた。
「本日はこちらでお休みください。お食事もご用意しておりますから、冷めない内に召し上がってください」
だだっ広い部屋に通されて、バスチアンも行ってしまった。独りになって、扉の前で立ちすくんだまま動けない。疲れてしまった。ご飯も美味しそうだが、何故か食べる気にはなれない。
しばらく経ってやっと動き出した悠希はベッドに倒れ込んだ。自分のベッドとは違う感触と匂いに顔をしかめた。
「りょうた…」
独りぼっちの部屋で、悠希は身体を縮こまらせた。
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