喉から猫がいなくなるとき

みつしげ

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7話 夢②

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「ところで、召喚に応じていただいたお礼として私にできる範囲で望むものを差し上げているのですが、

 望むものと聞いて思い浮かべたのは地球へ、家へ帰ることだが、きっとこれは叶わないと悠希は察した。

予定外であったリョータさんの件がありましたので勝手ながら”リョータ・ハタを連れてくる”をお礼としました。ご了承くださいね」
 
 涼太を巻き込んでしまった罪悪感が胸の中でうごめく。

「それから、お礼とは別に武器を1つ私から授けているのですが…、リョータさんがこちらで生き抜くための力を授けるべきと判断し、こちらも勝手ながら、ハルキさんの初めての武器はリョータさんということにしました」

 涼太のことも気にしてくれている女神に悠希は深く頭を下げた。 
   女神は紅茶をまた一口飲み、さて、と言葉を続けた。

「今日はこのくらいでお開きにしましょう。また、お会いしましょうね」

 手を振る女神の収まった視界がどんどん閉じていき、暗転。


 ハッと目を開いた。窓から差し込む光が朝を知らせている。

「ぁれ…っ?」
 
 視界には白い空間ではなく教会の部屋の天井があった。ベッドから起き上がろうとしたが、身体が思うように動かない。

 (なんか…だるい…?)

 さっきのはなんだったのか、考えたいのに頭が上手く働かない。

 (夢だったのかな…?あぁ、そっか。夢か…。あれもこれも、ぜぇんぶゆめだ…!)

 扉をノックする音と共にバスチアンの声が聞こえてきた。

「ハルキ様、起きていらっしゃいますか?」

 返事をする元気はなくて、荒い呼吸音しか出なかった。

「失礼します」

 ガチャと扉の開く音がして、バスチアンが入ってきた。

「ハルキ様、朝で…ハルキ様!?」

 荒い呼吸を繰り返す顔の赤い悠希に、バスチアンは慌てて駆け寄った。失礼しますと言い置いて彼の額に触れると、その熱さに顔をしかめた。

「ハルキ様、大丈夫ですか?」

 なんとか首を横に振って答えた。

「今、医者を呼んできますから、少々お待ちください」

 バスチアンが去ろうとすると、悠希は思わず彼の服を掴んだ。

「ハァッ…とぉさん…、いっしょにッ、いてよぉ…」

 熱のせいで相手が誰かもわかっていない悠希は、心の奥底に置いていた望みを漏らしてしまった。服に絡んだ手を取り、バスチアンは言い聞かせるように優しく言った。

「…わかりました、一緒にいます。ですが、あなたのために人を呼んできてもいいですか?すぐ戻ってきますから」
「うんっ」

 まるで幼い子どものようだ、と笑って頭を撫でてやると安心したように眠ってしまった。
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