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生倉 湊
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「今日はありがとうございました」
やっとのことでメイクのコツをつかんだ私は、最後のメイクをして片付けを終えた後、智さんにペコんと頭を下げた。
「だいぶ頑張ったわね。今のメイク、なかなかよ」
「ありがとうございます」
智さんに褒められると自然とにやけてしまう自分に気づいて、私は一生懸命真顔を作った。
「あ、それから1つだけ忠告、というかこれ、絶対に守りなさいよ」
と言いながら智さんは神妙な顔で私を見つめた。
「これから1ヶ月間、言い寄ってくる男は全部断りなさい」
「えっ!ななな、なんでですか?」
私、早く新しい彼氏欲しい!
「あのねぇ・・・あんたさっき自分のメイクした顔、見たでしょ。ここに来た時と今、どっちの自分がかわいいと思う?」
「今の方が、か、かわいい・・・」
自分をかわいいと言うのが恥ずかしかった。
「でしょ。それ、あんただけじゃなくってみんなも思うの。今まであんたのこと全然気にも留めなかった男たちが『あれ?この子かわいいじゃん』って思って近づいてくるわけ。もちろんクラスの連中もね。あんたが振られたって知ったらなおさらよ」
「は、はい・・・」
「それって、どんな連中かわかる?」
「・・・顔だけで、近寄ってくる人、たち・・・」
私は、答えながらちょっと悲しくなった。
「わかってるじゃない。そうよ、あんたの『顔』だけが目当てってこと。中身なんか全然知りもしない奴らなの。そんな連中があんたのこと大切にしてくれると思う?」
私は、声もなく首を振った。
「そうよね。あんたの前の男みたいなどうしょもないのばっかりよ。近づいてくるの」
「じゃ、じゃあどうして、私、キレイにならなくちゃいけないんですか?」
もうわけがわからなかった。
「ねえ、あんた。あの男の子とまだ好きなの?」
「うっ・・・き、嫌いです。あんな、ひどい、やつ・・・」
あの日のことを思い出してしまった私は、涙目になってしまった。
「見返してやりたいって思わない?」
智さんの声が優しい。
「見返し・・・たい・・・」
涙がポロポロ落ちる。
「ほら、拭きなさいよ」
智さんがティッシュを渡してくれた。
「あ、ありがとう・・・」
私は、受け取ったティッシュをそっとまぶたに当てた。
「見返したいんだったら綺麗にならなきゃ。綺麗になってあんたなんか目じゃないわよって笑いとばしてやんなさいよ」
智さんの手が私の背中に優しく置かれた。
「う、うん・・・」
それから涙がおさまるまで、二人とも言葉はなかった。
やっとのことでメイクのコツをつかんだ私は、最後のメイクをして片付けを終えた後、智さんにペコんと頭を下げた。
「だいぶ頑張ったわね。今のメイク、なかなかよ」
「ありがとうございます」
智さんに褒められると自然とにやけてしまう自分に気づいて、私は一生懸命真顔を作った。
「あ、それから1つだけ忠告、というかこれ、絶対に守りなさいよ」
と言いながら智さんは神妙な顔で私を見つめた。
「これから1ヶ月間、言い寄ってくる男は全部断りなさい」
「えっ!ななな、なんでですか?」
私、早く新しい彼氏欲しい!
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「今の方が、か、かわいい・・・」
自分をかわいいと言うのが恥ずかしかった。
「でしょ。それ、あんただけじゃなくってみんなも思うの。今まであんたのこと全然気にも留めなかった男たちが『あれ?この子かわいいじゃん』って思って近づいてくるわけ。もちろんクラスの連中もね。あんたが振られたって知ったらなおさらよ」
「は、はい・・・」
「それって、どんな連中かわかる?」
「・・・顔だけで、近寄ってくる人、たち・・・」
私は、答えながらちょっと悲しくなった。
「わかってるじゃない。そうよ、あんたの『顔』だけが目当てってこと。中身なんか全然知りもしない奴らなの。そんな連中があんたのこと大切にしてくれると思う?」
私は、声もなく首を振った。
「そうよね。あんたの前の男みたいなどうしょもないのばっかりよ。近づいてくるの」
「じゃ、じゃあどうして、私、キレイにならなくちゃいけないんですか?」
もうわけがわからなかった。
「ねえ、あんた。あの男の子とまだ好きなの?」
「うっ・・・き、嫌いです。あんな、ひどい、やつ・・・」
あの日のことを思い出してしまった私は、涙目になってしまった。
「見返してやりたいって思わない?」
智さんの声が優しい。
「見返し・・・たい・・・」
涙がポロポロ落ちる。
「ほら、拭きなさいよ」
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「あ、ありがとう・・・」
私は、受け取ったティッシュをそっとまぶたに当てた。
「見返したいんだったら綺麗にならなきゃ。綺麗になってあんたなんか目じゃないわよって笑いとばしてやんなさいよ」
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「う、うん・・・」
それから涙がおさまるまで、二人とも言葉はなかった。
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