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生倉 湊
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「智さん!なんでちゃんと教えてくれなかったんですか⁉︎」
「なんのこと?」
とニヤニヤしながら聞き返してきた。コンニャロ!
「奏くんのことに決まってるじゃないですか」
「やっと気づいたの。やっぱり天然ちゃんよねぇ」
ネイルでも気にするように自分の指を見ながら智さんが言った。
その横顔も美しい。
「むむむ!私だって怒るんですからね!」
「そういえば、奏にお弁当渡してたわね、あれって湊の手作り?」
「なっ・・・あ、あれはママ、が・・・」
私はシュンとなってしまった。
「そうなの。自分の男にはちゃんと自分で作りなさいよ」
さも当然という顔で智さんは私を見て、ニヤっとした。
「そ、奏くん、は私のおとこ、じゃ・・・」
私は真っ赤になって俯いた。
「そんなのわかってるわよ」
おかしそうな顔をする智さん。うームカつく!
「あはは。でもありがと。あんたがそこまでしてくれるなんて思わなかったわ」
智さんは一転して優しい笑顔で私を見た。
「そんな、別に・・・」
私はまた恥ずかしくなった。
「あの子、家じゃお金だけ渡されてほっぽりっぱなしだから、きっと嬉しかったと思うわよ」
「・・・奏くんの家ってどんななんですか?」
「うーん。私が言っちゃっていいのかしら?一言で言うとお金持ち?あ、でもお母さんはいないみたいね」
「お母さん・・・いないんですか?」
私は悲しくなってしまった。
「あー、ゴメン。そんな悲しい理由じゃなくって。別居してるって聞いたわよ」
「べ、別居・・・」
でもお母さんいないんだよね?私の心は沈んだままだった。
「あんた・・・やさしいのね」
智さんが気遣うように私の顔を覗き込んできた。
「でね、お父さんが忙しいらしくって、朝起きるとお金が置いてあるんですって」
「そう、なんですか・・・」
もう私は泣きそうだった。私そんなんだったら生きていけない。
うさぎさんみたいに寂しくて死んじゃうかも。
「もうこの子ったら」
智さんは私を優しく抱きしめてくれた。
「ととと、智さん⁉︎」
私はびっくりしたけど、智さんの腕の中で安心してしまった。
「ほんとにうさぎさんみたいね、あんた」
智さんが優しく微笑みかけてくれた。
「そ、そんなこと、ない、よ・・・」
だんだん恥ずかしくなってきた私は、ゆっくりと智さんを押しのけた。
「奏、寂しくはないみたいだけど、困ってはいるみたいね。色々と」
「そうなんですか?」
少し元気を取り戻した私は、智さんの話に聞き入った。
「あの子、あんまり生活能力ないから。洗濯とかはギリギリできるっぽいけど、料理は全然みたいよ。どっちみちピアノ弾くのに包丁とか持たせられないけどね」
そっか、そうだよね。奏くんピアノ弾くんだもんね。料理、危ないよね。
「だから、お昼だけでもあんたに見てほしいなって思ったのよ」
「・・・わかりました!私、お弁当作ってきます!」
「・・・何もあんたが作らなくてもいいのよ。奏にお金持たせて買いにいかせればいいんだから」
「持ってきます?」
「うーん・・・どうかしら」
智さんは困ったような顔になった。
「あの・・・私、奏くんの家に行っちゃダメですか?」
「行くの?あんたが?」
「はい!だって、一人なんて、寂しいし・・・」
「ほんとあんたって面白いわね」
「だって私、そんなのやだし・・・」
「はいはい。わかったわよ。じゃあ、奏呼びに行きましょうか」
「はい!」
二人は立ち上がって、奏くんがいる教室に向かった。
「なんのこと?」
とニヤニヤしながら聞き返してきた。コンニャロ!
「奏くんのことに決まってるじゃないですか」
「やっと気づいたの。やっぱり天然ちゃんよねぇ」
ネイルでも気にするように自分の指を見ながら智さんが言った。
その横顔も美しい。
「むむむ!私だって怒るんですからね!」
「そういえば、奏にお弁当渡してたわね、あれって湊の手作り?」
「なっ・・・あ、あれはママ、が・・・」
私はシュンとなってしまった。
「そうなの。自分の男にはちゃんと自分で作りなさいよ」
さも当然という顔で智さんは私を見て、ニヤっとした。
「そ、奏くん、は私のおとこ、じゃ・・・」
私は真っ赤になって俯いた。
「そんなのわかってるわよ」
おかしそうな顔をする智さん。うームカつく!
「あはは。でもありがと。あんたがそこまでしてくれるなんて思わなかったわ」
智さんは一転して優しい笑顔で私を見た。
「そんな、別に・・・」
私はまた恥ずかしくなった。
「あの子、家じゃお金だけ渡されてほっぽりっぱなしだから、きっと嬉しかったと思うわよ」
「・・・奏くんの家ってどんななんですか?」
「うーん。私が言っちゃっていいのかしら?一言で言うとお金持ち?あ、でもお母さんはいないみたいね」
「お母さん・・・いないんですか?」
私は悲しくなってしまった。
「あー、ゴメン。そんな悲しい理由じゃなくって。別居してるって聞いたわよ」
「べ、別居・・・」
でもお母さんいないんだよね?私の心は沈んだままだった。
「あんた・・・やさしいのね」
智さんが気遣うように私の顔を覗き込んできた。
「でね、お父さんが忙しいらしくって、朝起きるとお金が置いてあるんですって」
「そう、なんですか・・・」
もう私は泣きそうだった。私そんなんだったら生きていけない。
うさぎさんみたいに寂しくて死んじゃうかも。
「もうこの子ったら」
智さんは私を優しく抱きしめてくれた。
「ととと、智さん⁉︎」
私はびっくりしたけど、智さんの腕の中で安心してしまった。
「ほんとにうさぎさんみたいね、あんた」
智さんが優しく微笑みかけてくれた。
「そ、そんなこと、ない、よ・・・」
だんだん恥ずかしくなってきた私は、ゆっくりと智さんを押しのけた。
「奏、寂しくはないみたいだけど、困ってはいるみたいね。色々と」
「そうなんですか?」
少し元気を取り戻した私は、智さんの話に聞き入った。
「あの子、あんまり生活能力ないから。洗濯とかはギリギリできるっぽいけど、料理は全然みたいよ。どっちみちピアノ弾くのに包丁とか持たせられないけどね」
そっか、そうだよね。奏くんピアノ弾くんだもんね。料理、危ないよね。
「だから、お昼だけでもあんたに見てほしいなって思ったのよ」
「・・・わかりました!私、お弁当作ってきます!」
「・・・何もあんたが作らなくてもいいのよ。奏にお金持たせて買いにいかせればいいんだから」
「持ってきます?」
「うーん・・・どうかしら」
智さんは困ったような顔になった。
「あの・・・私、奏くんの家に行っちゃダメですか?」
「行くの?あんたが?」
「はい!だって、一人なんて、寂しいし・・・」
「ほんとあんたって面白いわね」
「だって私、そんなのやだし・・・」
「はいはい。わかったわよ。じゃあ、奏呼びに行きましょうか」
「はい!」
二人は立ち上がって、奏くんがいる教室に向かった。
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