家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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もう日付が変わろうと言う頃、ゆずが寝入ったのを確認した彩香は、準備してあったバッグを持って静かに部屋を出た。
リビングに降りると、鷹文はすでに座って待っていた。
「ごめんね鷹文くん、こんな夜中に」
「それはいいんだけど、明日の朝、大丈夫なのか?」
「うん。朝ごはんはゆずと結衣ちゃんの日だから、少し寝坊しても大丈夫」
「そっか。じゃあ行くか」
「うん!」
二人は静かに別荘を出て行った。

門を出た彩香たちは、のんびり歩きながら夜空を眺めていた。
「星、綺麗だね」
「ああ。この辺は家も少ないからな。たくさん見える」
「あ、今流れた!」
「どこ?」
「もう消えちゃったよ。今年は少なめなんだって。でもちゃんと流れるんだね」
「そうだな」
とりとめもない会話をしながら二人は裏山を登って行った。
「ありがとな、大和の誕生日の準備」
改めて鷹文は彩香にお礼を言った。
「ほんとは8日にちゃんとお祝いしてあげたかったよね」
「ああ。俺もうっかりしてた」
「っていうかみんなだよね。明衣も結衣ちゃんも、大和くんも」
彩香は自分の誕生日を忘れていた大和を思い出して、クスッと笑った。
「だな。あいつ適当だから」
「鷹文くんの誕生日は?」
「お、俺のは・・・」なぜか鷹文は言い淀んだ。
「あ、また流れた」彩香は星空に夢中のようだった。

「気をつけて上がってこいよ」
「うん」
小屋に入りハシゴを出した鷹文は、三脚を背負って先に屋根に上がっていた。
「屋根の上、手すりとかないからな」
比較的緩やかな屋根だが、手すりもないので、二人は気をつけて屋根の上に立った。
「この辺りに、一応三脚固定できるから」
とあらかじめ調べてあったのか、鷹文は、唯一とも行っていい固定できそうな場所に、三脚を設置した。
「ありがとう」
お礼を言った彩香は、慎重に鷹文と入れ替わって、三脚の後ろに立ち、和泉から借りたカメラをセットした。
「いつも使ってるのと違うんだな」
「うん。和泉さんの借りたの。こっちの方が暗い場所ではいいから」
と言いながら彩香はカメラを起動して、あらかじめ準備してあった設定を確認した。
「このカメラとっても便利なんだよ。スマホで操作できるの」
と準備の終わった彩香が、鷹文の隣に座った。
「へえ。どうやって」
「ほら見て。ちょっとくらいけど見えるでしょ。星」
スマホの画面には、なんとなくではあるが星が見えていた。
「これね。そっちの一眼で今写ってる画像なんだ。でここ押すと」
彩香がスマホの画面にタッチすると、カシャという音がカメラから聞こえてきた。
「でね、もう一回押すと・・・」
またカメラがカシャっと言った。
「今バルブにしてあるから、今みたいに好きなタイミングでシャッター開けたり閉じたりできるの」
バルブ?と思いながらも鷹文は彩香のする様子を見ていた。
「ほら見て、鷹文くん」
と彩香がスマホを鷹文に見せた。肩がぴったりとくっついている。
「ほら、星、流れてるでしょ!」
「あ、ああ」
彩香の肩が自分の腕に触れているのが気にって仕方ない鷹文は、上の空で返事した。
「やっぱいいなあ、一眼って」
と言いながら、何度もシャッターを切る彩香。
鷹文がふと見た彩香の横顔は、いつもより生き生きとしていた。
「おまえ、そんな顔もするんだな」
「え?」
「なんていうかさ。いつもより、生き生きしてるな」
「そ、そう?」
言われて少し恥ずかしくなった彩香だった。
それからも彩香は少しずつカメラの角度を変え、写真を撮り続けた。
「ふう。鷹文くんありがとう!たくさん撮れたわ」
「そっか。よかったな」
「うん!」彩香は、嬉しそうな笑顔を鷹文に向けた。
間近に彩香の笑顔を見た鷹文は、どきっとして身動きができなかった。
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