284 / 428
1
283
しおりを挟む
お正月もあっという間に過ぎ去り、今日から3学期。
冬の空は雲一つなく晴れ渡っていて、冷たい風が吹き抜けていった。
そんな朝、鷹文が玄関を出ると、タイミングよく明衣がやってきた。
「鷹文、おはよう!彩香は?」
「片付け終わったみたいだから、もう少しじゃないか」
「そう・・・彩香と一緒に行かないの?」
明衣は鷹文の脇腹を肘でグリグリした。
「い、行かねえよ!」
鷹文はプイと顔を背けて、ひとりで行ってしまった。
「明衣、お待たせ」
少し待っていると彩香が出てきた。
「おはよう彩香!うー、やっぱ朝は寒いよねぇ」
明衣は寒そうに自分の両腕をこすりながら、足踏みを始めた。
「そうね・・・えい!」
彩香が明衣の両頬にいきなり手をあてた。
「うわっ!彩香。冷たいって!」
「さっきまで水仕事してたからね。明衣のほっぺあったかぁい」
彩香は嬉しそうに明衣の頬をさわさわした。
「・・・彩香にそんな風にされると、なんか変な気分になるね」
触られている明衣は、妙に色っぽい声を出した。
「な、何言ってるの、明衣」
彩香は戸惑いながら、明衣の頬から手を離した。
「あはは!」
「もう、明衣!」
「おはよう、さいちゃん、明衣ちゃん」
「ゆず、待ってたよぉ、えい!」
今度は明衣がゆずの頬に手をあてた。
「明衣ちゃん、冷たいよぉ」
いきなりの冷たさに、ゆずは目をつぶった。
「うりうり、どうだゆず!参ったか!」
「ま、参った・・明衣ちゃん、冷たい、でしゅ・・・」
「おお、こっちもなかなか」
明衣はゆずの量頬をつまんでムニュムニュし始めた。
「めい・・・ふゅあん・・」
「コラ、明衣!いい加減にしなさい!」
見かねた彩香が、ゆずの頬から明衣の手を退けた。
「ゆず、大丈夫?」
彩香がゆずの頬に優しく触れる。
「う、うん・・・」
ゆずも自分の頰を気にしている。
「あはは、じゃあ行こっか!」
そんなことはお構い無しに、明衣は元気よく歩き始めた。
彩香とゆずも並んで歩きだした。
「ゆずはお正月、どこか行ったの?」
「うん、家族みんなで小田原のおばあちゃんのところに、新年のご挨拶に」
「へー、ゆずって小田原なんだ」
「うん。お母さんの実家なの」
「小田原ってことは、やっぱ、かまぼことかいっぱい出るの?」
「ふ、普通だよ!たしかにかまぼこは美味しいけど」
「高級かまぼこってさぁ、歯ごたえのしなやかな感じ?がいいよね」
明衣は今食べたかのように、あむっと口を閉じた。
「うん。プリッとしてて美味しいの」
ゆずもうっとりとその感触を思い出した。
「ねえ、ゆず。おみやげは?」
「えっ・・・ない、よ」
ゆずの顔が一瞬曇った。
「えー、かまぼこ食べたいぃ!」
「そ、そんなこと言われても・・・」
素直なゆずは、明衣の無茶振りに困ってしまった。
「じゃあさじゃあさ、今度お弁当で持ってきてよ、かまぼこ」
「い、いいけど・・・」
今までだって飾り切りしたかまぼこ持ってきたことあるのに・・・とゆずは密かに思った。
「やったぁ!かまぼこ」
明衣は、ひとり元気よく走って行ってしまった。
「・・・絶対忘れるよね、あれ」
「・・・さいちゃんもそう思う?」
どんどん行ってしまう明衣を見ながら、二人も学校へ向かった。
冬の空は雲一つなく晴れ渡っていて、冷たい風が吹き抜けていった。
そんな朝、鷹文が玄関を出ると、タイミングよく明衣がやってきた。
「鷹文、おはよう!彩香は?」
「片付け終わったみたいだから、もう少しじゃないか」
「そう・・・彩香と一緒に行かないの?」
明衣は鷹文の脇腹を肘でグリグリした。
「い、行かねえよ!」
鷹文はプイと顔を背けて、ひとりで行ってしまった。
「明衣、お待たせ」
少し待っていると彩香が出てきた。
「おはよう彩香!うー、やっぱ朝は寒いよねぇ」
明衣は寒そうに自分の両腕をこすりながら、足踏みを始めた。
「そうね・・・えい!」
彩香が明衣の両頬にいきなり手をあてた。
「うわっ!彩香。冷たいって!」
「さっきまで水仕事してたからね。明衣のほっぺあったかぁい」
彩香は嬉しそうに明衣の頬をさわさわした。
「・・・彩香にそんな風にされると、なんか変な気分になるね」
触られている明衣は、妙に色っぽい声を出した。
「な、何言ってるの、明衣」
彩香は戸惑いながら、明衣の頬から手を離した。
「あはは!」
「もう、明衣!」
「おはよう、さいちゃん、明衣ちゃん」
「ゆず、待ってたよぉ、えい!」
今度は明衣がゆずの頬に手をあてた。
「明衣ちゃん、冷たいよぉ」
いきなりの冷たさに、ゆずは目をつぶった。
「うりうり、どうだゆず!参ったか!」
「ま、参った・・明衣ちゃん、冷たい、でしゅ・・・」
「おお、こっちもなかなか」
明衣はゆずの量頬をつまんでムニュムニュし始めた。
「めい・・・ふゅあん・・」
「コラ、明衣!いい加減にしなさい!」
見かねた彩香が、ゆずの頬から明衣の手を退けた。
「ゆず、大丈夫?」
彩香がゆずの頬に優しく触れる。
「う、うん・・・」
ゆずも自分の頰を気にしている。
「あはは、じゃあ行こっか!」
そんなことはお構い無しに、明衣は元気よく歩き始めた。
彩香とゆずも並んで歩きだした。
「ゆずはお正月、どこか行ったの?」
「うん、家族みんなで小田原のおばあちゃんのところに、新年のご挨拶に」
「へー、ゆずって小田原なんだ」
「うん。お母さんの実家なの」
「小田原ってことは、やっぱ、かまぼことかいっぱい出るの?」
「ふ、普通だよ!たしかにかまぼこは美味しいけど」
「高級かまぼこってさぁ、歯ごたえのしなやかな感じ?がいいよね」
明衣は今食べたかのように、あむっと口を閉じた。
「うん。プリッとしてて美味しいの」
ゆずもうっとりとその感触を思い出した。
「ねえ、ゆず。おみやげは?」
「えっ・・・ない、よ」
ゆずの顔が一瞬曇った。
「えー、かまぼこ食べたいぃ!」
「そ、そんなこと言われても・・・」
素直なゆずは、明衣の無茶振りに困ってしまった。
「じゃあさじゃあさ、今度お弁当で持ってきてよ、かまぼこ」
「い、いいけど・・・」
今までだって飾り切りしたかまぼこ持ってきたことあるのに・・・とゆずは密かに思った。
「やったぁ!かまぼこ」
明衣は、ひとり元気よく走って行ってしまった。
「・・・絶対忘れるよね、あれ」
「・・・さいちゃんもそう思う?」
どんどん行ってしまう明衣を見ながら、二人も学校へ向かった。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる