家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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お正月もあっという間に過ぎ去り、今日から3学期。
冬の空は雲一つなく晴れ渡っていて、冷たい風が吹き抜けていった。
そんな朝、鷹文が玄関を出ると、タイミングよく明衣がやってきた。
「鷹文、おはよう!彩香は?」
「片付け終わったみたいだから、もう少しじゃないか」
「そう・・・彩香と一緒に行かないの?」
明衣は鷹文の脇腹を肘でグリグリした。
「い、行かねえよ!」
鷹文はプイと顔を背けて、ひとりで行ってしまった。

「明衣、お待たせ」
少し待っていると彩香が出てきた。
「おはよう彩香!うー、やっぱ朝は寒いよねぇ」
明衣は寒そうに自分の両腕をこすりながら、足踏みを始めた。
「そうね・・・えい!」
彩香が明衣の両頬にいきなり手をあてた。
「うわっ!彩香。冷たいって!」
「さっきまで水仕事してたからね。明衣のほっぺあったかぁい」
彩香は嬉しそうに明衣の頬をさわさわした。
「・・・彩香にそんな風にされると、なんか変な気分になるね」
触られている明衣は、妙に色っぽい声を出した。
「な、何言ってるの、明衣」
彩香は戸惑いながら、明衣の頬から手を離した。
「あはは!」
「もう、明衣!」
「おはよう、さいちゃん、明衣ちゃん」
「ゆず、待ってたよぉ、えい!」
今度は明衣がゆずの頬に手をあてた。
「明衣ちゃん、冷たいよぉ」
いきなりの冷たさに、ゆずは目をつぶった。
「うりうり、どうだゆず!参ったか!」
「ま、参った・・明衣ちゃん、冷たい、でしゅ・・・」
「おお、こっちもなかなか」
明衣はゆずの量頬をつまんでムニュムニュし始めた。
「めい・・・ふゅあん・・」
「コラ、明衣!いい加減にしなさい!」
見かねた彩香が、ゆずの頬から明衣の手を退けた。
「ゆず、大丈夫?」
彩香がゆずの頬に優しく触れる。
「う、うん・・・」
ゆずも自分の頰を気にしている。
「あはは、じゃあ行こっか!」
そんなことはお構い無しに、明衣は元気よく歩き始めた。
彩香とゆずも並んで歩きだした。
「ゆずはお正月、どこか行ったの?」
「うん、家族みんなで小田原のおばあちゃんのところに、新年のご挨拶に」
「へー、ゆずって小田原なんだ」
「うん。お母さんの実家なの」
「小田原ってことは、やっぱ、かまぼことかいっぱい出るの?」
「ふ、普通だよ!たしかにかまぼこは美味しいけど」
「高級かまぼこってさぁ、歯ごたえのしなやかな感じ?がいいよね」
明衣は今食べたかのように、あむっと口を閉じた。
「うん。プリッとしてて美味しいの」
ゆずもうっとりとその感触を思い出した。
「ねえ、ゆず。おみやげは?」
「えっ・・・ない、よ」
ゆずの顔が一瞬曇った。
「えー、かまぼこ食べたいぃ!」
「そ、そんなこと言われても・・・」
素直なゆずは、明衣の無茶振りに困ってしまった。
「じゃあさじゃあさ、今度お弁当で持ってきてよ、かまぼこ」
「い、いいけど・・・」
今までだって飾り切りしたかまぼこ持ってきたことあるのに・・・とゆずは密かに思った。
「やったぁ!かまぼこ」
明衣は、ひとり元気よく走って行ってしまった。
「・・・絶対忘れるよね、あれ」
「・・・さいちゃんもそう思う?」
どんどん行ってしまう明衣を見ながら、二人も学校へ向かった。
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