家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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委員会があったのでいつもより遅く学校を出た麻紀は、駅前にある塾に向かって歩いていた。
「もう!あと何日かで入試なんだから、少しは気を使ってよね!
早く行かなくちゃ、もう授業始まっちゃうよ・・・
あれ?斉藤先輩⁉︎とあれは・・・」
麻紀が通りの反対側の歩道を見ると、制服姿の鷹文が駅へ向かって歩いていた。
偶然出会えたことが嬉しくなり、『先輩』の声が出かかったのだが、隣に制服の女子が歩いてるのを見つけた麻希は、その声を飲み込んでしまった。
「あれってこの前の・・・」
視力のいい麻希は、すぐにその女子が彩香だと(初詣の和服の女性だと)わかった。
結衣から聞いてはいたのだが、鷹文が彩香と一緒に歩いているのを実際に目撃して、麻紀はなんとも言えない悲しい気持ちになった。
「せ、先輩・・・」
麻紀は呆然としたまま、二人を追いかけ始めた。

気づかれないように麻紀が後をつけていると、彩香たちはスーパーへ入っていった。
「家政婦って、ほんとなんだ・・・」
呆然と呟きながら、少し遅れて麻希も店内へと足を踏み入れた。

「今日はお鍋よ」
野菜を物色しながら、彩香は鷹文に今晩のメニューを伝えた。
「またか?」
「和泉さんからのリクエストでね。晩酌のお供にいいんだって」
「和泉さんが家主みたいだな」
鷹文がため息をついた。
「そうね。和泉さんには勝てないよね」
彩香が笑った。
「で、今日は何鍋なんだ?」
気を取り直して鷹文が尋ねた。
「うん。カキがいいんだって」
「なら・・・まあいっか」
「鷹文くんもカキ好きなの?」
「ああ、最近はやめてるけど、小さい頃はよく生でも食ってた」
「おいしいよね。レモン醤油で食べるの」
彩香はカキのつるんと入っていく喉越しを思い出していた。
「ああ・・・なんか久しぶりに食いたくなってきたな」
「どうして今は食べないの?」
「・・・食中毒、怖いだろ」
言いながら、鷹文は生食用の牡蠣を見た。
「そう?私は気にならないけど」
「・・・なら、俺も食ってみるか」
どうやら彩香には負けたくないらしい。
「大丈夫?」
「彩香が平気なら、多分・・・な」
鷹文は自信なさげに答えた。
「えー、なんか怖がってない?」
「そ、そんなことない!大丈夫だって」
彩香に覗き込まれて、鷹文は思わず後ずさった。
「でも、気分でなっちゃう人もいるんだよ。プラセボ、だっけ?」
「ああ、プラセボ、偽薬効果・・・大丈夫だ」
鷹文は、さも自信ありげに答えた。
「じゃあ、鷹文くんがまた食べたくなるように、美味しそうなのにしなくちゃ・・・」
鷹文を可笑しそうに見ながら、彩香は生食用のカキを選び始めた。

「仲、いいんだ・・・」
物陰から二人を見ていた麻希は、くやしそうに唇をかんだ。
「・・・あっ、塾!」
やっと思い出した麻希は、慌ててスーパーを後にした。
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