408 / 428
2
55
しおりを挟む
「うわぁ、めっちゃ凝ったお弁当ですね!これ、彩香先輩が作ったんですか?」
戻ってきてからずっと彩香にくっついている佳奈が、瞳をハートにしながら尋ねた。
「今朝は彩乃と結衣ちゃんと3人で作ったのよ」
「いいなあ。私も彩香先輩と一緒に作りたかったぁ」
一度抱きついてたがが外れてしまったのか、佳奈は躊躇なく彩香に腕を絡めてきた。
「こ、今度ね・・・」
佳奈の勢いに、彩香はただ頷くしかできなかった。
「本当ですかぁ!うれしぃ!」
佳奈は嬉しそうに横から彩香を抱きしめた。
「か、かなちゃん・・・」
「お姉ちゃん。お弁当、こんな感じでいい?」
そんなラブラブなところに、彩乃と結衣がやってきた。
佳奈の密着ぶりを見て結衣は思わず手を口にあてたが、彩乃は平然としていた。
中学から佳奈の後輩である彩乃は、佳奈の彩香好きを熟知していたのだ。
「彩乃。結衣ちゃんありがとう。い、いいと思うわ・・・佳奈ちゃん、レフ、お願いしていいかししら?」
「あっ、すいません」
佳奈は名残惜しそうに彩香から離れて、レフ板を手に取った。
彩香は佳奈に見られないように、ふぅっとため息をついた。
「うわぁ、今日はキャラ弁なんだ。いつも以上に気合入ってるね」
メイク直しをし終えた明衣が、ゆずと一緒に戻ってきた。
「今日は『手作りお弁当デート』って言うコンセプトだから」
お弁当箱の中は可愛い装飾満載だった。
「おむすびニコニコしてる、かわいい」
一つ目のお弁当箱の中には小さなおにぎりがたくさん入っていた。
「卵焼きもおにぎりと同じ三角で海苔も一緒なんですね。こっちも笑ってる」
「それね、甘い薄焼き卵で、くるくる巻いておにぎりにしてあるの」
「くまさんのおにぎりはケチャップライス?」
「その方がくまさんぽいでしょ?」
「こっちのお弁当箱はおかず?ブロッコリーと赤いウインナーとちっちゃなから揚げは、お花畑みたい」
「?これは?人?」
「はい。ウインナー宇宙人が、お花畑でデートしてるんです」
よく見ると少し大きさの違う笑顔のウインナー2体が手を繋いでいるようだった。
「本当だ、ちゃんと手繋いでる。すごいね」
「これはハンバーグ、だよね?」
「それ、宇宙船なんです」
ハンバーグは子供が絵に書くような宇宙船の形をしていた。
「言われてみると、なんか宇宙船ぽい形してる」
明衣が物珍しそうにお弁当箱を覗き込んでいると、
「こうやって、ケチャップで窓をつけると・・・」
彩乃がハンバーグにちょんちょんとケチャップを乗せて行った。
「あはは。宇宙船ぽくなった」
「やっぱりかわいいのがいいですよね、デートだし。結衣も頑張ったんだよね」
「う、うん」
「あれぇ、結衣たん。もしかして好きな人、いるのかなぁ?」
妹を追い込む姉。
「い、いないよ、そんな人!」
「あれぇ、結衣たんなんだか顔、赤くなってなぁい?」
「も、もう、お姉ちゃん!」
結衣は、顔を真っ赤にさせながら逃げ回る明衣を追いかけた。
「あいつ、相変わらずだな」
「だな」
少し離れたところで、鷹文と大和が頷きあった。
「はあ・・・で、ゆずたんは誰にあーんするか決めた?」
結衣の追走をかわし切った明衣が、今度はゆずに矛先を向けた。
「あーん、って・・・」
ぽっと頬を赤らめるゆず。
「大和くん、お願いしていい?」
見かねた彩香が大和に声をかけた。
「えっ、俺⁉︎」
「ゆずがいちばん怖がらないの、大和くんだから」
そういえば最初の頃は鷹文のことめっちゃ怖がってたよなぁ、と思い出す大和。
「わかったよ彩香ちゃん!彩香ちゃんの芸術のために、俺も協力するぜ!
よろしくな、ゆずちゃん!」
「ひゃ、ひゃい!」
大和の大きな手がゆずの肩に乗せられて、ゆずは飛び上がるように答えた。
「ほらほら、佳奈先輩はこっちですよ!」
「あーん、彩乃ちゃん。彩香せんぱぁい・・・」
いつの間にかまた彩香の横にしっかり陣取っていた佳奈だったが、彩乃に背中を押されながら光源となる位置に連れて行かれた。
普段から彩香に鍛えられている彩乃は、彩香の欲しいものもしっかり心得ている。
「これくらいの角度で・・・佳奈先輩、お願いしますね」
「はぁい。彩乃ちゃん、ずいぶん慣れてる感じね」
「しょっちゅうやらされてますから。カメラ姫に」
彩乃は自信たっぷりに答えた。
「先輩姫様ぁ」
佳奈は膝をついて、彩香を拝んだ。
「じゃあゆず、お願い」
ゆず「う、うん・・・あ、あーん」
大和「・・・あーん・・・ぱくっ」
彩香は大和の横からゆずにカメラを向けている。
今は本番前の練習中。
「そう、そんな感じでお願い」
数回のあーんのあと、やっと彩香からOKが出た。
「ね、ねえさいちゃん・・・まだやるの?」
あーんを始めてからずっと耳まで真っ赤になったままのゆずは、すでに疲労困憊の様子。
「一応押さえも撮ってあるけど、撮影用のお弁当でちゃんと撮らないと。もう少しだからゆず、頑張って!」
「う、うん・・・」
視界から大和が消えて少しだけ赤みの抜けたゆずが、こくんと頷いた。
「俺は、彩香ちゃんの弁当ならいくら食っても大丈夫だぜ!」
「むぅ・・・」
大和の言葉に、少しだけ頬をふくらますゆずだった。
戻ってきてからずっと彩香にくっついている佳奈が、瞳をハートにしながら尋ねた。
「今朝は彩乃と結衣ちゃんと3人で作ったのよ」
「いいなあ。私も彩香先輩と一緒に作りたかったぁ」
一度抱きついてたがが外れてしまったのか、佳奈は躊躇なく彩香に腕を絡めてきた。
「こ、今度ね・・・」
佳奈の勢いに、彩香はただ頷くしかできなかった。
「本当ですかぁ!うれしぃ!」
佳奈は嬉しそうに横から彩香を抱きしめた。
「か、かなちゃん・・・」
「お姉ちゃん。お弁当、こんな感じでいい?」
そんなラブラブなところに、彩乃と結衣がやってきた。
佳奈の密着ぶりを見て結衣は思わず手を口にあてたが、彩乃は平然としていた。
中学から佳奈の後輩である彩乃は、佳奈の彩香好きを熟知していたのだ。
「彩乃。結衣ちゃんありがとう。い、いいと思うわ・・・佳奈ちゃん、レフ、お願いしていいかししら?」
「あっ、すいません」
佳奈は名残惜しそうに彩香から離れて、レフ板を手に取った。
彩香は佳奈に見られないように、ふぅっとため息をついた。
「うわぁ、今日はキャラ弁なんだ。いつも以上に気合入ってるね」
メイク直しをし終えた明衣が、ゆずと一緒に戻ってきた。
「今日は『手作りお弁当デート』って言うコンセプトだから」
お弁当箱の中は可愛い装飾満載だった。
「おむすびニコニコしてる、かわいい」
一つ目のお弁当箱の中には小さなおにぎりがたくさん入っていた。
「卵焼きもおにぎりと同じ三角で海苔も一緒なんですね。こっちも笑ってる」
「それね、甘い薄焼き卵で、くるくる巻いておにぎりにしてあるの」
「くまさんのおにぎりはケチャップライス?」
「その方がくまさんぽいでしょ?」
「こっちのお弁当箱はおかず?ブロッコリーと赤いウインナーとちっちゃなから揚げは、お花畑みたい」
「?これは?人?」
「はい。ウインナー宇宙人が、お花畑でデートしてるんです」
よく見ると少し大きさの違う笑顔のウインナー2体が手を繋いでいるようだった。
「本当だ、ちゃんと手繋いでる。すごいね」
「これはハンバーグ、だよね?」
「それ、宇宙船なんです」
ハンバーグは子供が絵に書くような宇宙船の形をしていた。
「言われてみると、なんか宇宙船ぽい形してる」
明衣が物珍しそうにお弁当箱を覗き込んでいると、
「こうやって、ケチャップで窓をつけると・・・」
彩乃がハンバーグにちょんちょんとケチャップを乗せて行った。
「あはは。宇宙船ぽくなった」
「やっぱりかわいいのがいいですよね、デートだし。結衣も頑張ったんだよね」
「う、うん」
「あれぇ、結衣たん。もしかして好きな人、いるのかなぁ?」
妹を追い込む姉。
「い、いないよ、そんな人!」
「あれぇ、結衣たんなんだか顔、赤くなってなぁい?」
「も、もう、お姉ちゃん!」
結衣は、顔を真っ赤にさせながら逃げ回る明衣を追いかけた。
「あいつ、相変わらずだな」
「だな」
少し離れたところで、鷹文と大和が頷きあった。
「はあ・・・で、ゆずたんは誰にあーんするか決めた?」
結衣の追走をかわし切った明衣が、今度はゆずに矛先を向けた。
「あーん、って・・・」
ぽっと頬を赤らめるゆず。
「大和くん、お願いしていい?」
見かねた彩香が大和に声をかけた。
「えっ、俺⁉︎」
「ゆずがいちばん怖がらないの、大和くんだから」
そういえば最初の頃は鷹文のことめっちゃ怖がってたよなぁ、と思い出す大和。
「わかったよ彩香ちゃん!彩香ちゃんの芸術のために、俺も協力するぜ!
よろしくな、ゆずちゃん!」
「ひゃ、ひゃい!」
大和の大きな手がゆずの肩に乗せられて、ゆずは飛び上がるように答えた。
「ほらほら、佳奈先輩はこっちですよ!」
「あーん、彩乃ちゃん。彩香せんぱぁい・・・」
いつの間にかまた彩香の横にしっかり陣取っていた佳奈だったが、彩乃に背中を押されながら光源となる位置に連れて行かれた。
普段から彩香に鍛えられている彩乃は、彩香の欲しいものもしっかり心得ている。
「これくらいの角度で・・・佳奈先輩、お願いしますね」
「はぁい。彩乃ちゃん、ずいぶん慣れてる感じね」
「しょっちゅうやらされてますから。カメラ姫に」
彩乃は自信たっぷりに答えた。
「先輩姫様ぁ」
佳奈は膝をついて、彩香を拝んだ。
「じゃあゆず、お願い」
ゆず「う、うん・・・あ、あーん」
大和「・・・あーん・・・ぱくっ」
彩香は大和の横からゆずにカメラを向けている。
今は本番前の練習中。
「そう、そんな感じでお願い」
数回のあーんのあと、やっと彩香からOKが出た。
「ね、ねえさいちゃん・・・まだやるの?」
あーんを始めてからずっと耳まで真っ赤になったままのゆずは、すでに疲労困憊の様子。
「一応押さえも撮ってあるけど、撮影用のお弁当でちゃんと撮らないと。もう少しだからゆず、頑張って!」
「う、うん・・・」
視界から大和が消えて少しだけ赤みの抜けたゆずが、こくんと頷いた。
「俺は、彩香ちゃんの弁当ならいくら食っても大丈夫だぜ!」
「むぅ・・・」
大和の言葉に、少しだけ頬をふくらますゆずだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる