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第一章:始まりの世界 ”準備運動編” 

♯68.かけっこバトル⑳ ラスト勝負2 ー決着ー

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 陸城が堀部の後ろにピッタリと着いて残り10mを
切った所で堀部のどうようを誘うように攻撃を仕掛け
た。並走した状態になると堀部の耳元で「堀部くん。
この勝負は僕が貰うよ」と、ささやきながらグングン
と加速していく。
 堀部は真後ろで体力を温存してた事に気付いたが、
疲労がちくせきしており、もうついする力が残っては
いなかった。

 陸城を応援している人々は、大歓声で勝利の瞬間を
今か今かと待ち望んでいる状態だった。城ヶ崎も興奮
状態になっており、タカフミの左隣りで見守っていた。

 残り3mを切ったところで立花が小悪魔の表情で、
タカフミをの背後に回り込んで膝カックンを仕掛けた。

 事前に何も知らされていないタカフミは膝を擦りむ
く痛みが増えるのを回避しようと左隣にいた城ヶ崎の
スカートをつかんでしまう。あっという間に膝下まで
下がって下半身がスースーする状態な事に城ヶ崎が気
付いてスカートを両端を力強く固定して足元まで落ち
るのを食い止めると立花がタカフミの両脇を持ち上げ
て上体を起こしスカートをつかんだ手を離させる事に
成功した。

 タカフミの手が離れた事を確認すると素早くスカー
トの位置を戻して何事も無かったかのように落ち着い
た表情を取り戻してから真っ赤な表情に激変して怒り
をあらわにする城ヶ崎ミサト。
「大山さん。よりによって私のスカートをつかんで、
下に降ろすってヘンタイ丸出しですわね! 私、不愉
快だから、これで帰らせてもらいますっ」
 
 タカフミはとっさの事に何が起こったのか理解出来
なかったが城ヶ崎の恥ずかしい姿を真正面で目撃した
陸城は鼻血が流れて股間が大きくなってしまい。武器
である大きなスライドが影も形も無くなり失速してし
まう。

 急な失速に何が起こったのか理解できずにいた堀部
だったが一気に抜き去り、ゴールテープを切った。

 タイムは14秒6で最速を叩き出したがギャラリー
は何が起こったのか全く分からなくて大混乱となった。


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