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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

#157.チーム対抗戦の始まり”62” 大山チームの対応

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 5分休憩を、はさんで、また試合再開とするとい
う内容のアナウンスが流れている。黒服の声だ。 

 明石は大山チームのメンバーに堀部を医務室へと
無事に届けた事を伝える。最後は笑って気を失って
しまったらしい。後で試合間近のメンバー以外に、
見舞いに行かせる事を思い付き、メンバーに伝える。
「じゃあ一番、暇な僕が行かないとねっ」
 牧村が率先して意見を言うと当然ながら反対意見
は上がらなかった。今回のバトルに直接参加してい
ない以上、不都合な理由は何もなかったからだ。
「うん。それは僕からもお願いしたい。後、女性で
誰か、お願いしたいんだけど……」
 タカフミは歯切れの悪い口調で川邑ヒカルと立花
の顔を交互に見ている。
「じゃぁ私が行くわ。立花さんは運営があるから、
今が動く時じゃ無いと思うし」
 ヒカルは迷わずに答えた。
「うぅん。私も行きたいとは思ってたんだけど公平
な立場もあるしイベントが終わったら顔出すって、
事で、どうかな!?」
 さすがに医務室まで付いていくのは難しいと思っ
ていたマイカはヒカルの即決に遠回しな言い方で、
賛同させてもらいつつも自分の意見をメンバーに、
伝えた。

「そ、そうだね。そうしてくれると相手チームの不
満も特に上がって来ないと思う。じゃそれで行こう」
 タカフミは意見がまとまったと思い、その場を離
れようとした瞬間、右手首を強く掴まれたので反射
敵に相手を見やった。哀川だ。
「オイっ。そんなに早く勝手に決めるな。俺が確実
に勝つとは決まってないっ」
 哀川だけが妙に、そわそわしていて、いつもの調
子とは、かけ離れていた事にようやく気付くメンバ
ーだった。

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