少年と銀貨 第一章：始まりの世界

第一章：始まりの世界 ”チーム対抗戦”

＃１８１．チーム対抗戦の始まり”８６” 明美の目的②

「マジかっ？　本気マジなのか！？」
　心の声が漏れてしまう清武。
「そ、そんなに驚く事かな？」
　それに対し明美は乙女モードのテンションのまま。
今度はしっかりと両目で清武の目を見詰める。
　
（モジモジ姿が意外とカワイイと思ってしまったが
本当に信じて大丈夫なんだろうかという不安も無い
と言えば嘘になる状況だ。普通に考えれば、よりを
戻したいと考えてる人間が相手に対してヒジテツを
くらわせてくるのだろうか？）
　考えれば考える程、こんがらがって迷路をさまよ
ってる気分になった。だが待っていても状況は良く
ならないので更に質問する清武。

「何で俺なんだ？　他にも候補は、たくさん居るだ
ろう？」
「まぁ、もっともな意見ね。美人でスタイルも良く
て金持ちで三拍子そろってても付き合う彼氏はどれ
も飾りでしかなくて私が危険な目にあったら助ける
どころか逃げの一手か土下座で、その場をしのぐか、
または金で解決するしか能が無いのよね~」
「実に合理的で良いんじゃないか。身体を鍛えてい
ても実戦はまるでダメなんてのは、よくある話だ」
「そう、その合理的がダサく感じちゃたのよ。あな
たと別れてから特にね！」
「何かしたっけか？」
「あぁー武道の天才は弱者に対しては記憶も持ち合
わせて無いって事なんだぁー。それはそれで嫌かも」
　両頬をふくらます明美だった。