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第一章:始まりの世界 ”準備運動編”
♯52.かけっこバトル④
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哀川が100mを通過して残り半分の距離になった
所で控えている二人に立花から移動の指示があり、第
二走者であるタカフミと田崎が定位置へと移動する。
田崎は入念にストレッチを繰り返して身体をほぐし
始め、対照的にタカフミは直立不動のまま、哀川の走
りを眺めていた。100mと200m地点に誰が設置
したのか不明な電光掲示板が置かれていた。中等部で
しか使われないような精密なタイムを計れる代物だ。
100m地点の物は詳しく見る事は難しいが200m
地点の物には『M・J』とイニシャルが書かれていた。
程なくして哀川が何事もなく、第二走者が控えてい
る場所の近くに来るとタカフミがバトンを受け取りや
すい様に速度を極端に落としてバトンの端を親指に掛
けて手渡す。しっかりと哀川からのバトンを受け取っ
たタカフミは地面を蹴って走り出した。
(牧村、頼むから絶対に転ばないでくれよ!)
向かい側で待っていた田崎は舌先を出して今か今か
と牧村の帰りを待ちわびていた。
この時、哀川の前半の100mのタイムが15秒5
と表示されて平均よりも速い事が分かり、ギャラリー
から歓声が上がった。200mのタイムは表示されな
かったが、おそらく最後に出るのであろう。電光掲示
板が2個も設置されていた事とイニシャルを考えると
城ケ崎ミサトの財力が絡んでいる事は明らかだった。
所で控えている二人に立花から移動の指示があり、第
二走者であるタカフミと田崎が定位置へと移動する。
田崎は入念にストレッチを繰り返して身体をほぐし
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100m地点の物は詳しく見る事は難しいが200m
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