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捜査開始
6. 二回目の訪問 (箱庭&隆本人との対面)
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午後三時に病院へ着くと中に入って受付を済ませる。患者と面会する時は受付
用紙に鉛筆で氏名と訪問時(退出時)を記入しなければいけない規則になってい
た。最初に来た時から受付の人が不在なのだが東氏の話によると産休を取ってい
るとの事だった。
隆が生活している部屋へ案内されると天井の蛍光灯が眩しく感じる。カーテン
が閉め切られているからだと分かり、目が慣れるまで一点を見詰めるのを避け、
部屋の周りを観察する事にした。
「時間通りですね」
東は、白衣姿で現れると車椅子に乗った隆を部屋の中へ入れて後藤の目の前で
停止させる。
「時間にルーズでは、この仕事には向いていませんから」
挨拶が終わると東が席を離れて茶菓子を盆に載せて戻ってくる。午後三時は、
おやつの時間だという。今日は隆の好きなアーモンド入りのカップケーキとオレ
ンジジュースだと説明を受けて休憩時間となった。休憩中は東が後藤を質問責め
にしていた。新しい人が来ると職業病で、つい多めに聞いてしまうという。その
間、一切飲み物を口にしていない後藤の様子を見ると安心させる為に東がジュー
スを飲み干していく。
「体に悪い物は入っていませんから」
「お気遣い感謝します」
危険な物が何も入ってない事が分かると乾いた喉にジュースを流し込んでいた。
休憩時間が終わると東から患者である隆の現在の状態と治療についての簡単な
説明が始まる。それに寄ると隆は、失語症(成長と共に一旦形成された言語機能
が大脳の病変により障害され、言語の理解障害や表出障害を来した状態)の中の
ブロカ失語に分類されて聴理解と読解の能力は残っているが発話や書字能力が著
しく低下しているという。つまり、会話をする事が難しいという。
次に箱庭療法の説明が長々と続いたが要点をまとめて警察手帳に記録しておい
た。自宅に戻ったら、目を通して勉強する予定だ。題字の左側に重要項目を意味
する二重丸の印を付けて顔を上げると東氏の姿が無かった。きっと用事があって
席を外しているのだろう。隆と二人だけの空間になったので念の為、会話を試み
るも返事は無かった。気付いた点と言えば顎髭は生えておらず、両手の指の爪の
手入れが驚く程、綺麗に施されて艶々と光っていたので介護士でも雇っているの
かもしれない。他に目立つ事と言えば両手首に装着されている黒のリストバンド
位だ。発病前は、お洒落だったのかもしれないが誰かが故意に身に着けさせた可
能性を否定できる根拠もなかった。
後藤は間が持たないので箱庭を観察する事にした。箱庭の枠の高さが7センチ
の説明だけは耳に残っており、日本の有名な精神科医が考案したらしい。隆が遊
んでいる箱庭には本人の名前が書かれた人形と未来と過去から来たとされる二体
の人形が置かれていた。ベッドの上には女性の人形がある。おそらく、映像に映
っていた彼女だろう。名前は”愛里”と書かれていた。読み方までは分からない。
部屋の一角にピンク色で統一されていてる所があり、彼女の部屋だろうという
事が一目で分かった。箱の隅の方には楕円の形をした黄色いリングと短い針金が
置かれていた。何を意味するのかは分からない。見慣れない物を観察して脳に、
負担が掛かって片頭痛がしたので考えるのを止めて隣の様子を見る。隆は言葉を
発する事無く、彼女に似せた人形で遊んでいた。
用紙に鉛筆で氏名と訪問時(退出時)を記入しなければいけない規則になってい
た。最初に来た時から受付の人が不在なのだが東氏の話によると産休を取ってい
るとの事だった。
隆が生活している部屋へ案内されると天井の蛍光灯が眩しく感じる。カーテン
が閉め切られているからだと分かり、目が慣れるまで一点を見詰めるのを避け、
部屋の周りを観察する事にした。
「時間通りですね」
東は、白衣姿で現れると車椅子に乗った隆を部屋の中へ入れて後藤の目の前で
停止させる。
「時間にルーズでは、この仕事には向いていませんから」
挨拶が終わると東が席を離れて茶菓子を盆に載せて戻ってくる。午後三時は、
おやつの時間だという。今日は隆の好きなアーモンド入りのカップケーキとオレ
ンジジュースだと説明を受けて休憩時間となった。休憩中は東が後藤を質問責め
にしていた。新しい人が来ると職業病で、つい多めに聞いてしまうという。その
間、一切飲み物を口にしていない後藤の様子を見ると安心させる為に東がジュー
スを飲み干していく。
「体に悪い物は入っていませんから」
「お気遣い感謝します」
危険な物が何も入ってない事が分かると乾いた喉にジュースを流し込んでいた。
休憩時間が終わると東から患者である隆の現在の状態と治療についての簡単な
説明が始まる。それに寄ると隆は、失語症(成長と共に一旦形成された言語機能
が大脳の病変により障害され、言語の理解障害や表出障害を来した状態)の中の
ブロカ失語に分類されて聴理解と読解の能力は残っているが発話や書字能力が著
しく低下しているという。つまり、会話をする事が難しいという。
次に箱庭療法の説明が長々と続いたが要点をまとめて警察手帳に記録しておい
た。自宅に戻ったら、目を通して勉強する予定だ。題字の左側に重要項目を意味
する二重丸の印を付けて顔を上げると東氏の姿が無かった。きっと用事があって
席を外しているのだろう。隆と二人だけの空間になったので念の為、会話を試み
るも返事は無かった。気付いた点と言えば顎髭は生えておらず、両手の指の爪の
手入れが驚く程、綺麗に施されて艶々と光っていたので介護士でも雇っているの
かもしれない。他に目立つ事と言えば両手首に装着されている黒のリストバンド
位だ。発病前は、お洒落だったのかもしれないが誰かが故意に身に着けさせた可
能性を否定できる根拠もなかった。
後藤は間が持たないので箱庭を観察する事にした。箱庭の枠の高さが7センチ
の説明だけは耳に残っており、日本の有名な精神科医が考案したらしい。隆が遊
んでいる箱庭には本人の名前が書かれた人形と未来と過去から来たとされる二体
の人形が置かれていた。ベッドの上には女性の人形がある。おそらく、映像に映
っていた彼女だろう。名前は”愛里”と書かれていた。読み方までは分からない。
部屋の一角にピンク色で統一されていてる所があり、彼女の部屋だろうという
事が一目で分かった。箱の隅の方には楕円の形をした黄色いリングと短い針金が
置かれていた。何を意味するのかは分からない。見慣れない物を観察して脳に、
負担が掛かって片頭痛がしたので考えるのを止めて隣の様子を見る。隆は言葉を
発する事無く、彼女に似せた人形で遊んでいた。
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