黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査最終日

85. 十一日目(謹慎三日)、山城の告白④

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 程なくして山城が麦茶をお盆に乗せて運んでくると二人は黙って
乾いた喉を潤していった。
「先生が話していた助っ人と言うのは黒沢警部と庭村さんだったん
ですね?」
「えぇ、鋭い読みで感服します。地元でも札付きの不良生徒でした
よ。当時の黒沢は三度の飯より喧嘩が好きでして武器を必要としな
い素手で戦うのを好んでました。対する庭村は野球部に所属しては
居ましたが備品を盗んで喧嘩に木製バットを度々使用している目撃
情報が多数ありました」
「そうですか。ステゴロに拘った者と凶器攻撃を得意とする者を組
ませた訳ですね」
「えぇ。おっしゃる通りです。特に他校の生徒を半殺しにするまで
一方的に攻撃した庭村を教頭は嫌ってまして退学処分という意見が
多かったんです。でも学年主任である私がイジメ問題を解決できた
ら停学処分に変更して欲しいと懇願しました。もちろん第三者に、
見付からない極秘で動く事を条件に納得して貰いましたがね」
「どうして、そこにイジメ問題の解決が入ってくるんですか? 私
には何が何だか分かりませんよ」
「説明してませんでしたね。室木の父親は当時、公安のトップだっ
たんですよ。住民への聞き込みも常に高圧的だったと聞きましたし、
かなり恨まれていたらしいですから、その子供だという情報は復讐
したい人間には情報が漏れてまして知人の探偵に調べて貰ったら、
とんでもない事実が判明したんです」
「室木真司のイジメに関わった全メンバーの両親または姉弟を含む
親戚関係に恨みを持つ人間が含まれていたんですよっ」
「つまり、子供達が自発的に行動した訳では無いと言いたいんです
ね? 八人は大人の人間にイジメをするように言われていたと!?」
「えぇ、火種を探していた事になります」
「それが本当なら実に怖い話になりますよ」
 後藤は背筋に冷たいものを感じられずにはいられなかった。
「庭村に伝えたら『面白そうじゃん』と快諾して黒沢との共闘にも
不満は無いと応えたんですが黒沢は冷静な判断をしてまして標的が
多い事にバレるリスクの方が高いのにと不満を漏らしていました。
 黒沢を説得するのに一週間の期間を要しまして、その期間を含む
二人による極秘調査開始から二週間は学校に行ってるフリを通すよ
うに室木に伝えました。
「八人が確実に標的になった訳ですからリスクは多いにあります。
黒沢警部を何で釣ったんですか?」
「あの当時は育ち盛りですからね。色気より食い気でしたよ。おか
げで翌週には財布の中は、すっからかんでしたがね」
 山城は当時の様子を財布を逆さにしてのジェスチャーで表現して
みせた。
「つまり黒沢、庭村コンビの誕生ですかっ」
「結果的にそうなります」

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