黒庭 ~閉ざされた真実~

五十嵐 昌人

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捜査最終日

105. 十一日目(謹慎三日)、情報整理と間違い電話

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 高橋真悠子が帰ってからスエットのズボンでテントを張っているイチモツを
鎮めるのに何が良いのか考えていた。今日の19時に秘密の暗号を見なきゃい
けないので無駄に抜く訳にもいかなかった。気分を変える為にテレビの電源を
入れて天気を確認する。夕方から大きく崩れるとあり、降水確率が80%とな
っていた。

 時刻を確認すると13時を少し回っている所だったので今までの情報を整理
する事にした。最新情報としては、高橋から得られた資料室での資料の変化が
あった。だから警察内部の人間の犯行と考えるのが妥当であろう。それが誰を
意味するのかは未だ分かっていないが確実に迷宮入り事件の関係者が潜んでい
るに違いない。次は山城先生から貰った室木真司の携帯電話の番号が書かれた
メモ用紙を取り出して眺めていた。この番号が本物なのかどうかの判断は掛け
てみなければ判らないし迂闊に呼び出されれば罠にハマる可能性だってある。
しかし、新たな手掛かりには違いなくゴミ箱に捨てる事も出来無かった。

 確実に言える事は、鑑識官である室木とコンビを組んでいる上司の黒沢警部
と庭村の三人は中学時代の同級生であり、庭村は被害者の父親である事が判明
した。中学時代の庭村の苛めをきっかけに二人と強力な結び付きがある可能性
は高かった。庭村の娘の交通事故死の事件に対して室木と黒沢警部が絡んでい
る事に偶然にしては、かなり出来すぎている気がしてならなかった。

 室木本人と会話すれば、その情報が引き出せるのかは分からなかったが卒業
アルバムにも本人の顔が載っていないんでは確認のしようが無かった。残る手
段は魔の三角地帯で唯一訪れていない虻沼宅だが直接会う勇気はどうしても沸
いてこなかった。虻沼の事を考えた所で下半身を確認するとイチモツは、平常
サイズへと戻っている事が分かった。

 その時、携帯電話の着信音が鳴り響いた。
「テロンテロン、テロン」
「もしもし、連絡遅くなりました。小林です。例の人探しの件ですが三十六歳
前後で額に縫い傷がある男性の居場所を未だ探す事が出来ておりません」 
 同期の小林の声である事が分かったが話の内容に全く覚えがないので掛け間
違いだろうとも思ったが誰に頼まれているのかまでは分からない。そこは事前
に取り決めがなされていただろうと容易に推測できた。
「悪い、小林。同期の後藤だけど一体誰を探してるんだ?」
「ごっ、後藤の電話番号なのか!? お前には関係ないよっ」
 後藤だと知ったとたん電話を切られたので何度も掛けなおしたが3回目で、
留守電へと切り替わり、連絡を取る事が出来なくなった。

(小林は誰に人探しを頼まれていたんだ?)
 おそらく秘密の調査をしている事は間違いないだろう。携帯電話での対応か
らも激しく動揺している事が見受けられた。信頼していただけに気軽に連絡が
取れなくなってしまったショックの方が大きかった。緊張の糸がプツリと切れ
て瞼が鉛の様に重くなり、眠気を止める事が出来ずにソファーに倒れこんだ。
 
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