Coffee Break

Pomu

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Heart Beat

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広樹ひろきはきっと、前世はとんでもない音楽家だったか、音楽を全く聴かせてもらえなかった人間だったに違いないと思う。



気がついたら、机をピアノ代わりに叩いていたり、おもむろに大きな声で歌い始めたり、ノートに一心不乱に楽譜や歌詞を書いていたりする。

そんな広樹を、俺は時には尊敬し、時には面白く思い、またある時には不思議に思い、時には呆れ、そして何より…心の底から愛していた。

友達としての情なんかじゃなく、愛していた。

ギターを掻き鳴らす指に触れたかった。

歌を口ずさむ唇にキスをしたかった。





広樹に出会って、恋をしてから三年。

広樹はきっと、卒業したら音楽の道に進む。

あいにく才能の無い俺は、広樹の進む道に、着いてはいけない。

どうせ離れ離れになる。



今でも、必死だったんだ。

音楽しかない広樹の頭の中に、自分の居場所を作るのは。



そばにいられなくなったら、きっとそんな場所は、簡単に埋められてしまう。





広樹は、そういう人間なんだ。

何よりそんなところを、きっと俺は一番愛してやまないのだろうと思う。




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