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『保護決定通知書』
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そんな、その日暮らしの毎日を過ごして、今日も今日とてはした金――あたしにとっては命銭を稼ぐための、ギルドの軽い依頼をこなして、家に帰る、と――見覚えのない差出人、というよりはよく見覚えのある、お役所からの茶封筒。
そういえば、今月は借金の返済がまだだった。
督促か――絶望とともに開封すると、中身は薄っぺらい紙切れ1枚。
【保護決定通知書】
そう書かれている。
あたしは何度も何度もその紙切れを読み直した。読む、と言っても、保護が決定したということと、実際に扶助される金額が書いてあるだけの紙切れなのだが。
『保護決定したことを通知いたします』
『家賃扶助金貨1枚』
『生活扶助金貨3枚』
確かにそう書かれている。
そして、役所でお役人から聞いた話だと、魔力欠乏性貧血以外の医療費も無料になるはずだ。
保護決定?
こんなにあっさり?
あたしは戸惑った。もちろん、通らないと生活が成り立たないのは事実だ。だが、あの日見た、車椅子で片脚のないひとや、おそらく利き腕であろう右腕のないひと、小さな子どもを抱えたお母さん――そんなひとたちと同じように保護を受けられるというのは、戸惑いでしかなかった。
ただ、ひとつだけ問題があった。
家賃扶助は金貨1枚と書いてある。だが、この家の家賃は金貨2枚だ。どうすればいいのだろう? ひとまずは、役所に訊きに行くしかないのだが。
最近は、本当ならバカ高いはずの魔力草をタダでどっさり貰えるおかげで、貧血があまり出なくなってきた気がする。敵との戦闘中に突然倒れることもなければ、帰り道でふらつくこともあまりない、気がする。気のせいかもしれないけれど。
なんにせよ、保護決定だ。これで少しは人並みの生活に、近付けるといいな。
そういえば、今月は借金の返済がまだだった。
督促か――絶望とともに開封すると、中身は薄っぺらい紙切れ1枚。
【保護決定通知書】
そう書かれている。
あたしは何度も何度もその紙切れを読み直した。読む、と言っても、保護が決定したということと、実際に扶助される金額が書いてあるだけの紙切れなのだが。
『保護決定したことを通知いたします』
『家賃扶助金貨1枚』
『生活扶助金貨3枚』
確かにそう書かれている。
そして、役所でお役人から聞いた話だと、魔力欠乏性貧血以外の医療費も無料になるはずだ。
保護決定?
こんなにあっさり?
あたしは戸惑った。もちろん、通らないと生活が成り立たないのは事実だ。だが、あの日見た、車椅子で片脚のないひとや、おそらく利き腕であろう右腕のないひと、小さな子どもを抱えたお母さん――そんなひとたちと同じように保護を受けられるというのは、戸惑いでしかなかった。
ただ、ひとつだけ問題があった。
家賃扶助は金貨1枚と書いてある。だが、この家の家賃は金貨2枚だ。どうすればいいのだろう? ひとまずは、役所に訊きに行くしかないのだが。
最近は、本当ならバカ高いはずの魔力草をタダでどっさり貰えるおかげで、貧血があまり出なくなってきた気がする。敵との戦闘中に突然倒れることもなければ、帰り道でふらつくこともあまりない、気がする。気のせいかもしれないけれど。
なんにせよ、保護決定だ。これで少しは人並みの生活に、近付けるといいな。
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