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退寮~これからどうする?~
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あたしはまたやってしまった。朝の掃除に寝坊だ。何故こんなにも寝坊してしまうのだろう。
あたしは身体が弱い。だけど、最近は調子がいいと思っていた。そして――このところひたすら眠っていたから、今日こそは、と思ったにも関わらず。
恐る恐る食堂へ行く午前9時。寮長さんは冷たく言う。
「寮費も貰っていませんしね、申し訳ありませんがあなたはここの寮での生活に向いていません。すぐに荷物をまとめて出て行ってください」
――だと思った。
受給者なんて、寮長さんから見たら、都合のいい金づるなんだ。
取りっぱぐれることもなく、勝手に掃除や料理もしてくれる、都合のいい金づるのうちのひとり、それがあたしだったんだ。
そんなことにも気付かずに寮生活を快適に送っていた自分に腹が立つ。ぼったくりだと気付いてはいたというのに。
寮生活が楽しかったのも事実だ。だが、こういう状況に置かれてなお『楽しかった』という感想だけを浮かべるほどのバカではない。けれど、あたしはバカだったのだ。浮かれていたのだ。
あたしは身体が弱い。だけど、最近は調子がいいと思っていた。そして――このところひたすら眠っていたから、今日こそは、と思ったにも関わらず。
恐る恐る食堂へ行く午前9時。寮長さんは冷たく言う。
「寮費も貰っていませんしね、申し訳ありませんがあなたはここの寮での生活に向いていません。すぐに荷物をまとめて出て行ってください」
――だと思った。
受給者なんて、寮長さんから見たら、都合のいい金づるなんだ。
取りっぱぐれることもなく、勝手に掃除や料理もしてくれる、都合のいい金づるのうちのひとり、それがあたしだったんだ。
そんなことにも気付かずに寮生活を快適に送っていた自分に腹が立つ。ぼったくりだと気付いてはいたというのに。
寮生活が楽しかったのも事実だ。だが、こういう状況に置かれてなお『楽しかった』という感想だけを浮かべるほどのバカではない。けれど、あたしはバカだったのだ。浮かれていたのだ。
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