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10-5 地下室にて
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私という存在が神を名乗っていたということを認めた上で、自分の使命は人民を救済することだと断言するラリアに、メライアは感心した。
神が虚構であると告げた時、勇者がどんな反応をするのかに、ある程度予想を付けていたメライアだが、まさか神が死んだことを認めた上で、自分の信念として神聖さを失った言葉に従って生きようとするとは想定外だった。
「へぇ。教会に育てられたにしては、面白い考え方を持っているわね」
本心からラリアを褒め称えたメライアに対し、ラリアははっきりと告げた。
「次の質問をしても構いませんか」
「ええ、勿論」
メライアの了承に一つ小さく頷いたラリアは、ここに来た本来の目的を果たすこととする。
「私が出会った人間と魔獣の気配を持った存在、あなたが鳥人と言った存在の事を教えてください」
メライアはニッと笑って立ち上がり、本棚の方へ向かった。
整然と並ぶ背表紙のいくつかを押すと、本棚が左右二つに分かれ、軋む音を立てながら口を開けた。
開かれた先に見えた石造りの下り階段が、重厚な威圧感を放っている。
「ついてきて。この先の地下室で、あなたの質問に答えましょう」
そう言って階段の先の暗闇に呑み込まれていったメライアに続いて、ラリアは階段を下っていく。
メライアが手に発現させている光源を頼りに、螺旋状の軌跡を描いて地下へと進んでいくと、広い空間にたどり着いた。
メライアが指を鳴らすと、壁に掛けてあるランプが灯り、地下室の全貌が照らし出された。
部屋の中央にある大きなテーブルには書類が累積しており、壁の棚には、濁った琥珀色の液体に漬けられた様々な生物の死骸がガラス瓶に入れられて並んでいた。猫や鼠、蛙や蛇、レッサーデーモンやゴブリン等といった生物の全身が、ほとんど生前と同じ状態のまま瓶の中でうずくまっている。
瓶の中の生物を眺めたラリアは、その内の一体と目が合った気がして、背筋に冷たいものが走った。
「鳥人――って言っても、これが正式名称ってわけじゃないんだけれど、彼らはここで生まれた。その棚にある生き物達の漬物は、彼らを生み出すための研究で、実験体として使っていた死体の残りなの」
テーブルの上に腰かけたメライアは、懐かしむように周囲を見渡しながら続ける。
「研究成果を得てからは、ここに入っていなかったの。埃だらけだけど許してね」
「それで、あなたが創り出した、その”彼ら”とはいったい何なんですか」
中々本題を切り出そうとしないことに煮えを切らしたラリアが急き立てると、メライアは軽く首を横に振ってから、無垢な子供に悪知恵を授ける悪魔のような声音で言葉を紡いだ。
「彼らは、魔獣に寄生されることで進化した人間なんだよ」
神が虚構であると告げた時、勇者がどんな反応をするのかに、ある程度予想を付けていたメライアだが、まさか神が死んだことを認めた上で、自分の信念として神聖さを失った言葉に従って生きようとするとは想定外だった。
「へぇ。教会に育てられたにしては、面白い考え方を持っているわね」
本心からラリアを褒め称えたメライアに対し、ラリアははっきりと告げた。
「次の質問をしても構いませんか」
「ええ、勿論」
メライアの了承に一つ小さく頷いたラリアは、ここに来た本来の目的を果たすこととする。
「私が出会った人間と魔獣の気配を持った存在、あなたが鳥人と言った存在の事を教えてください」
メライアはニッと笑って立ち上がり、本棚の方へ向かった。
整然と並ぶ背表紙のいくつかを押すと、本棚が左右二つに分かれ、軋む音を立てながら口を開けた。
開かれた先に見えた石造りの下り階段が、重厚な威圧感を放っている。
「ついてきて。この先の地下室で、あなたの質問に答えましょう」
そう言って階段の先の暗闇に呑み込まれていったメライアに続いて、ラリアは階段を下っていく。
メライアが手に発現させている光源を頼りに、螺旋状の軌跡を描いて地下へと進んでいくと、広い空間にたどり着いた。
メライアが指を鳴らすと、壁に掛けてあるランプが灯り、地下室の全貌が照らし出された。
部屋の中央にある大きなテーブルには書類が累積しており、壁の棚には、濁った琥珀色の液体に漬けられた様々な生物の死骸がガラス瓶に入れられて並んでいた。猫や鼠、蛙や蛇、レッサーデーモンやゴブリン等といった生物の全身が、ほとんど生前と同じ状態のまま瓶の中でうずくまっている。
瓶の中の生物を眺めたラリアは、その内の一体と目が合った気がして、背筋に冷たいものが走った。
「鳥人――って言っても、これが正式名称ってわけじゃないんだけれど、彼らはここで生まれた。その棚にある生き物達の漬物は、彼らを生み出すための研究で、実験体として使っていた死体の残りなの」
テーブルの上に腰かけたメライアは、懐かしむように周囲を見渡しながら続ける。
「研究成果を得てからは、ここに入っていなかったの。埃だらけだけど許してね」
「それで、あなたが創り出した、その”彼ら”とはいったい何なんですか」
中々本題を切り出そうとしないことに煮えを切らしたラリアが急き立てると、メライアは軽く首を横に振ってから、無垢な子供に悪知恵を授ける悪魔のような声音で言葉を紡いだ。
「彼らは、魔獣に寄生されることで進化した人間なんだよ」
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