38 / 90
第二章
37話 番犬
しおりを挟む
一方その頃、ライアンとエミリアの部屋ではエミリアが鼻歌を歌いながら荷物を解いていた。
「ライアン。上着を脱いだら?」
「え? あ、ああ……」
ライアンはエミリアにそう言われてはじめて上着に手をかけた。
「……手伝いましょうか」
「ああ……」
もぞもぞと慣れない様子のライアンにエミリアはそっと手を貸した。
「ライアンはご兄弟は?」
「……居ない。母上が早くに亡くなったから」
「そうですか。私と同じですね」
ライアンは意外そうな顔してエミリアを見た。エミリアはふっと笑うとライアンの上着を洋服かけにかけた。
「そうか」
ライアンはそれっきりベッドに腰掛けて窓の外を眺めていた。村の木立の向こうから夕闇がじわじわと迫ってくるのを、じっと。エミリアはそれを見て一体この小さな体には何を背負っているのだろうと思いながらも黙ってそれを見守っていた。
「そろそろ夕食だと」
そうこうしている間に名無しが部屋の扉を叩いた。
「ええ、じゃあ行きましょう」
一行は教会の食堂に集まった。司祭はすでに席についていて、皆に着席を促した。
「さぁ、ささやかではありますが食事をご用意しました」
「ありがとうございます。お心遣い感謝いたします」
フレドリックがぺこりと頭をさげて、皆席についた。すると、すぐにグラスにワインを注がれた。ライアンには水で割ったものが供された。
「この地方独特のワインです。食前酒にどうぞ」
「まぁ。随分甘いのですね」
一口飲んだ、エミリアはその濃厚な甘みに驚いた。とろりと蜜のような味わいのワインなのでライアンもくぴくぴ飲んでいる。
「そこの方も。どうぞ」
「ああ……」
名無しも司祭に促されてワインを口にした。小さなグラスの琥珀色の液体を、一口。
「どうです、この村の自慢なんですよ」
にこにこと話す司祭に、名無しは曖昧な笑みを浮かべグラスを空けた。
「それではご馳走様でした」
「はい、旅の疲れもあるでしょう、ごゆっくりお休みください」
夕食が終わり、一同はそれぞれの部屋に解散した。
「なんだか疲れましたなぁ……今日は」
「色々あったしな」
「ええ」
フレドリックも疲労を訴え、ベッドに横になった。名無しは部屋にある文机の前に腰掛けながら眠りに落ちるフレドリックを眺めていた。
「……なかなかお上品だな」
すうすうといびきもかかずに眠るフレドリックを見て名無しは苦笑した。
「まあ、助かる」
名無しはベッドに移動すると、ライアンとエミリアの部屋に面した壁に耳を押し当てた。そして待つしばし。窓の外の月が高く昇り、そして傾きかけた頃。名無しは動いた。
名無しの足が廊下に向く、そしてゆっくりと扉を開け隣の部屋を開けた。
「……何してる」
「ひっ……」
そこには眠るライアンとエミリア。そしてエミリアの荷物を漁っている司祭の姿があった。その司祭の手には荷物にしまわれたエミリアの巡礼者のローブが握られている。
「仮にも坊さんが、盗みか……? いや、違うな」
「馬鹿な、お前も薬入りのワインを飲んだはずっ!」
司祭は腰を抜かしながら、叫んだ。その声を聞いてもライアンもエミリアも目を覚まそうとしない。
「生憎、そういうのには敏感なんだ。パンに吸わせて吐き捨てたさ」
名無しは自分で毒物や眠り薬を扱うこともあった。当然、あのワインを一口飲んだ瞬間から違和感を感じていたのだ。
「眠らせて巡礼者かどうかを確かめようってか」
「う……ぐっ」
図星を指されて司祭は呻いた。名無しはつかつかと司祭に歩み寄ると、その小剣を突きつけた。
「そして? 巡礼者だったらどうするつもりだった?」
「ほ、報告を……」
「ふん」
司祭は名無しの研ぎ澄まされた殺意を向けられ、がたがたと震えだした。名無しはこいつは小心者の小物にすぎない、と思った。
「……今夜、お前は何も見なかった」
「な、なにを言って……?」
「しばらくその口をつぐめばお前はもうちょっと長生きするだろうな」
「……あ、ああ……」
司祭はコクコクと玩具のように頷いた。名無しは懐から金貨を出すと司祭に握らせた。
「これはほんの気持ちばかりだが……お前の神の守護がありますように」
「はっ……はい」
そうして司祭は這いずるようにして部屋から出て行った。
「……面倒だな、やっぱ」
名無しは口封じに司祭を殺してしまうのが手っ取り早いとは思ったが、自分達が訪れた後に司祭が死んでいたらそれこそ怪しまれる。とっさに握らせた金貨の威力がどれほどのものか。
「……念には念をだな」
名無しはライアンとエミリアの部屋の扉の前に陣取ると、座り込んでようやく眠りについた。
「痛っ!」
「あら……アル。どうしてこんな所で寝てるんです?」
うつらうつらしていた名無しは、エミリアが思いっきり開けた扉に背中を打ち付けられた。
「……俺は護衛だから」
「そんな事言って、これからずっとこんなとこで寝る気ですか? ちゃんと休まないと」
「休んでるよ。十分だ」
名無しはそう言い残して部屋へと戻った。するとフレドリックが難しい顔をして名無しのいるはずの空のベッドを睨み付けていた。
「どうした、フレドリック」
「……アル、一晩中隣を見張っていたのか?」
「まあな」
「……すまない」
フレドリックはがしがしと頭を掻いた。名無しはそんなに乱暴に扱って髪は大丈夫かと思った。
「あんたも一服盛られたんだ。しかたない」
「えっ!?」
フレドリックは目をむいた。そしてそれを聞いて無力感に震えているフレドリックの肩を軽く叩いた。
「まあ、あんたのとこの坊ちゃんもついでに守ってやるよ」
「あんた……何者なんだ」
「……護衛さ」
名無しは素っ気なく答えた。
「ライアン。上着を脱いだら?」
「え? あ、ああ……」
ライアンはエミリアにそう言われてはじめて上着に手をかけた。
「……手伝いましょうか」
「ああ……」
もぞもぞと慣れない様子のライアンにエミリアはそっと手を貸した。
「ライアンはご兄弟は?」
「……居ない。母上が早くに亡くなったから」
「そうですか。私と同じですね」
ライアンは意外そうな顔してエミリアを見た。エミリアはふっと笑うとライアンの上着を洋服かけにかけた。
「そうか」
ライアンはそれっきりベッドに腰掛けて窓の外を眺めていた。村の木立の向こうから夕闇がじわじわと迫ってくるのを、じっと。エミリアはそれを見て一体この小さな体には何を背負っているのだろうと思いながらも黙ってそれを見守っていた。
「そろそろ夕食だと」
そうこうしている間に名無しが部屋の扉を叩いた。
「ええ、じゃあ行きましょう」
一行は教会の食堂に集まった。司祭はすでに席についていて、皆に着席を促した。
「さぁ、ささやかではありますが食事をご用意しました」
「ありがとうございます。お心遣い感謝いたします」
フレドリックがぺこりと頭をさげて、皆席についた。すると、すぐにグラスにワインを注がれた。ライアンには水で割ったものが供された。
「この地方独特のワインです。食前酒にどうぞ」
「まぁ。随分甘いのですね」
一口飲んだ、エミリアはその濃厚な甘みに驚いた。とろりと蜜のような味わいのワインなのでライアンもくぴくぴ飲んでいる。
「そこの方も。どうぞ」
「ああ……」
名無しも司祭に促されてワインを口にした。小さなグラスの琥珀色の液体を、一口。
「どうです、この村の自慢なんですよ」
にこにこと話す司祭に、名無しは曖昧な笑みを浮かべグラスを空けた。
「それではご馳走様でした」
「はい、旅の疲れもあるでしょう、ごゆっくりお休みください」
夕食が終わり、一同はそれぞれの部屋に解散した。
「なんだか疲れましたなぁ……今日は」
「色々あったしな」
「ええ」
フレドリックも疲労を訴え、ベッドに横になった。名無しは部屋にある文机の前に腰掛けながら眠りに落ちるフレドリックを眺めていた。
「……なかなかお上品だな」
すうすうといびきもかかずに眠るフレドリックを見て名無しは苦笑した。
「まあ、助かる」
名無しはベッドに移動すると、ライアンとエミリアの部屋に面した壁に耳を押し当てた。そして待つしばし。窓の外の月が高く昇り、そして傾きかけた頃。名無しは動いた。
名無しの足が廊下に向く、そしてゆっくりと扉を開け隣の部屋を開けた。
「……何してる」
「ひっ……」
そこには眠るライアンとエミリア。そしてエミリアの荷物を漁っている司祭の姿があった。その司祭の手には荷物にしまわれたエミリアの巡礼者のローブが握られている。
「仮にも坊さんが、盗みか……? いや、違うな」
「馬鹿な、お前も薬入りのワインを飲んだはずっ!」
司祭は腰を抜かしながら、叫んだ。その声を聞いてもライアンもエミリアも目を覚まそうとしない。
「生憎、そういうのには敏感なんだ。パンに吸わせて吐き捨てたさ」
名無しは自分で毒物や眠り薬を扱うこともあった。当然、あのワインを一口飲んだ瞬間から違和感を感じていたのだ。
「眠らせて巡礼者かどうかを確かめようってか」
「う……ぐっ」
図星を指されて司祭は呻いた。名無しはつかつかと司祭に歩み寄ると、その小剣を突きつけた。
「そして? 巡礼者だったらどうするつもりだった?」
「ほ、報告を……」
「ふん」
司祭は名無しの研ぎ澄まされた殺意を向けられ、がたがたと震えだした。名無しはこいつは小心者の小物にすぎない、と思った。
「……今夜、お前は何も見なかった」
「な、なにを言って……?」
「しばらくその口をつぐめばお前はもうちょっと長生きするだろうな」
「……あ、ああ……」
司祭はコクコクと玩具のように頷いた。名無しは懐から金貨を出すと司祭に握らせた。
「これはほんの気持ちばかりだが……お前の神の守護がありますように」
「はっ……はい」
そうして司祭は這いずるようにして部屋から出て行った。
「……面倒だな、やっぱ」
名無しは口封じに司祭を殺してしまうのが手っ取り早いとは思ったが、自分達が訪れた後に司祭が死んでいたらそれこそ怪しまれる。とっさに握らせた金貨の威力がどれほどのものか。
「……念には念をだな」
名無しはライアンとエミリアの部屋の扉の前に陣取ると、座り込んでようやく眠りについた。
「痛っ!」
「あら……アル。どうしてこんな所で寝てるんです?」
うつらうつらしていた名無しは、エミリアが思いっきり開けた扉に背中を打ち付けられた。
「……俺は護衛だから」
「そんな事言って、これからずっとこんなとこで寝る気ですか? ちゃんと休まないと」
「休んでるよ。十分だ」
名無しはそう言い残して部屋へと戻った。するとフレドリックが難しい顔をして名無しのいるはずの空のベッドを睨み付けていた。
「どうした、フレドリック」
「……アル、一晩中隣を見張っていたのか?」
「まあな」
「……すまない」
フレドリックはがしがしと頭を掻いた。名無しはそんなに乱暴に扱って髪は大丈夫かと思った。
「あんたも一服盛られたんだ。しかたない」
「えっ!?」
フレドリックは目をむいた。そしてそれを聞いて無力感に震えているフレドリックの肩を軽く叩いた。
「まあ、あんたのとこの坊ちゃんもついでに守ってやるよ」
「あんた……何者なんだ」
「……護衛さ」
名無しは素っ気なく答えた。
1
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~
【書籍化決定!】
本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました!
第1巻は10月下旬発売!
よろしくお願いします!
賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。
その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。
一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。
こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる