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13話 プレゼント
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「じゃあ行ってきます!」
「また街に行くのか」
「ええ。買い物と……家で考えててもなにも思いつかないので」
マイアはアシュレイに首をすくめて見せた。あれから部屋で色々と魔道具の構想を考えてみたのだがどうもうまいこと思い浮かばなかった。
「気分転換よ、気分転換」
マイアはてくてくと街までの道を歩いていく。道々、マイアは頭の中でまた新しい魔道具について考えていた。魔石を使っていつでも温かいお茶が飲めるケトル。便利そうだけど、おそらく値段は普通の人の年収の半分くらい。そうまでするなら都度お茶を沸かすだろう……。
マイアはいくつもこんな魔道具を思いついては誰が使うのか思いつかなくてボツにしていた。
「レイモンドさんにあの時会えたのは本当に幸運だったんだわ」
そうしているうちに街が近くなる。なにかヒントになる事があればいいのだけど……。と、マイアは街に入った。
「ま、それはさておきお買い物ね」
まずはマイアは商店の建ち並ぶ通りに向かった。ここで自分で稼いだ金でなにか記念になりそうなものを買おうとマイアは思ったのである。
「そうね……あ、本!」
マイアは本屋を見つけて駆け寄った。とりあえず店頭にあったダグラスの本を見つけてそれを手に取る。この間の本は面白かった。どうもこれはそのうちの一冊のスピンオフ作品とある。
「……これ買おうかしら」
マイアはその本を手に取った。それはとある令嬢が突然決められた結婚相手の悪い噂を聞いて、なんとか破談に持ち込もうというコメディ仕立ての物語のようだった。
「ふんふん……」
「うおっほん!」
本を開いて中を見ていたマイアは突然耳元で咳払いをされて飛び上がった。そこにははげ上がった細身のお爺さんが神経質そうにはたきを持って立っていた。
「立ち読みはご遠慮ください」
「あ、ごめんなさい買います……! あと、お薦めないですか? あの……その……健全なのを……」
マイアはダグラスのまだ読んでいない本と店主の薦めた本を買った。
「寝不足にならないようにちょっとずつ読まなきゃ」
ほくほくで店を出たマイアはすぐにハッとした。
「……何か記念になるようなものを買おうと思ったのに!」
そう、例えばネックレスとか時計とか、新しいよそ行きの服を仕立てるとか……そういうものだ。マイアは商店の建ち並ぶ道に戻った。
「こっちかしら」
マイアは街の道には詳しくない。なんとなく勘でその辺の商店のショーウィンドウを覗きこんだ。
「いらっしゃいませ」
「あ……あの……」
宝飾品の並んだ店を覗いていると女の店員さんから声がかかった。ふいに話しかけられたマイアはしどろもどろになってしまった。
「何かお探しで?」
「あの……ちょっと自分のものを」
「あら、では中でゆっくりご覧下さい」
そう言われてマイアはドキドキしながら宝飾店に入った。大ぶりのサファイアのネックレス、小さなダイヤが敷き詰められたブレスレット、真っ赤なルビーのブローチ……。そんなものがガラスケースに収まっている。
「これなどいかがでしょう」
それらに目を奪われているうちに、店員は小ぶりの宝石のネックレスをいくつか出して来た。手に届きそうにない展示品と違ってこれなら買えそうなものだ。
「お若い方の普段使いにはこういったデザインなどどうでしょう。どんなお召し物でも似合いますよ」
「……は、はい」
それは可愛らしくて確かに素敵だった。……ただマイアには宝石をつけて出かける先がどうも浮かばなかった。
「すみません……やっぱちょっと……違うか……と」
マイアが申し訳ない気持ちで切り上げようとした時だった。店員さんの背後に金の鎖が見えた。
「あれ……なんですか」
「ああ、これは眼鏡の鎖です」
「……それ、ください。あの、私がするんじゃないんですけど」
「畏まりました。贈り物ですね。さっそくお包みいたします」
店員さんは笑顔で金の鎖を小箱にいれて包装してくれた。
「ありがとうございました!」
「はい……」
マイアは手元の箱を見る。眼鏡用の鎖……それはアシュレイへのプレゼントだった。
「もう。自分のものより先にアシュレイさんのもの買っちゃった。……まあいいか」
それからマイアは片っ端から店を覗いていった。帽子屋、小物屋、それから香水店……。
「お客様ですと可憐なすみれの香りなどがよろしいかと」
「……すみません、やっぱいいです」
でもどれもこれもピンとこなくてマイアは店を出た。
「うーん……自分の欲しいものがわからない……」
マイアは道端で頭を抱えた。そもそも田舎の村で育ち、森でひっそりアシュレイと暮らしてきたマイアは華やかなものとは今まで縁がなくて、さほど物欲はないのだった。
「いらないか……自分のは」
買い物に疲れてしまったマイアは来た道を引き返そうとした。その時、フッと鞄店が目に入った。
「鞄かぁ」
マイアの鞄は十三歳でアシュレイの元に身を寄せた時から使っているもので随分とくたびれている。街に行く時のポシェットなんかいいかもしれない。
「すみませーん」
「はいはい。どうぞご自由にごらんください」
マイアは入り口近くにあった、がま口型のポシェットを手に取った。うんシンプルでいい。とマイアは思った。
「これを……」
そう言いかけてマイアは壁際にある鞄に目が吸い寄せられた。
「これは?」
「ああ、これは旅行用の鞄です。中身はこのようにたくさん入りますし、入り口も大きく開きます。それから……」
「わぁ」
その旅行鞄のサイドは開くようになっていて、そこには靴の手入れなどに使う小物が収納できるようになっていた。
「これ……ここにねじ回しとかやすりとか入れたらいいかも……」
中に魔道具をしまって運ぶのもいいし、調整用の工具をしまうのにぴったりだ。
「こ、これください!」
「かしこまりました。でも、これ男性用の旅行鞄ですよ」
「あー……でも私、これが気に入ったので」
「ではちょっとおまけいたしましょう」
店員さんはカウンターをゴソゴソとあさると、金属製の鞄飾りを出してきた。
「どれかお一つさしあげますよ」
「本当ですか? えーと、ではこれを……」
マイアは薄いブルーの五片の花びらをした花のデザインを選んだ。店員さんはにっこりと頷いてその飾りをつけてくれた。
「ほら、可愛らしいですよ」
「本当ですね!」
マイアはそれを包んでもらってウキウキと店を出た。家に帰ったら早速工具をここにしまおう。使うときが楽しみだ。
「……ダグラスさんやキャロルさんもこんな気持ちだったのかな」
マイアはそう思いながら、商店の建ち並ぶ通りを歩いた。すると……。
「ばっかやろう!」
そんな気持ちをふっとばす大声がした。マイアはびっくりしてその声をした方向を見た。そこはおそらく雑貨店で、入り口に俯いている男性と、怒鳴り散らしている店主とおぼしき男性が立っていた。
「もう昼すぎだぞ! ふざけるな!」
「申し訳ございません!」
「とっとと帰れ!」
店主はそう言うと、男性を追い出して店のドアを閉じた。
「どうしたのかしら……?」
マイアはその様子を首を傾げながら見ていた。
「また街に行くのか」
「ええ。買い物と……家で考えててもなにも思いつかないので」
マイアはアシュレイに首をすくめて見せた。あれから部屋で色々と魔道具の構想を考えてみたのだがどうもうまいこと思い浮かばなかった。
「気分転換よ、気分転換」
マイアはてくてくと街までの道を歩いていく。道々、マイアは頭の中でまた新しい魔道具について考えていた。魔石を使っていつでも温かいお茶が飲めるケトル。便利そうだけど、おそらく値段は普通の人の年収の半分くらい。そうまでするなら都度お茶を沸かすだろう……。
マイアはいくつもこんな魔道具を思いついては誰が使うのか思いつかなくてボツにしていた。
「レイモンドさんにあの時会えたのは本当に幸運だったんだわ」
そうしているうちに街が近くなる。なにかヒントになる事があればいいのだけど……。と、マイアは街に入った。
「ま、それはさておきお買い物ね」
まずはマイアは商店の建ち並ぶ通りに向かった。ここで自分で稼いだ金でなにか記念になりそうなものを買おうとマイアは思ったのである。
「そうね……あ、本!」
マイアは本屋を見つけて駆け寄った。とりあえず店頭にあったダグラスの本を見つけてそれを手に取る。この間の本は面白かった。どうもこれはそのうちの一冊のスピンオフ作品とある。
「……これ買おうかしら」
マイアはその本を手に取った。それはとある令嬢が突然決められた結婚相手の悪い噂を聞いて、なんとか破談に持ち込もうというコメディ仕立ての物語のようだった。
「ふんふん……」
「うおっほん!」
本を開いて中を見ていたマイアは突然耳元で咳払いをされて飛び上がった。そこにははげ上がった細身のお爺さんが神経質そうにはたきを持って立っていた。
「立ち読みはご遠慮ください」
「あ、ごめんなさい買います……! あと、お薦めないですか? あの……その……健全なのを……」
マイアはダグラスのまだ読んでいない本と店主の薦めた本を買った。
「寝不足にならないようにちょっとずつ読まなきゃ」
ほくほくで店を出たマイアはすぐにハッとした。
「……何か記念になるようなものを買おうと思ったのに!」
そう、例えばネックレスとか時計とか、新しいよそ行きの服を仕立てるとか……そういうものだ。マイアは商店の建ち並ぶ道に戻った。
「こっちかしら」
マイアは街の道には詳しくない。なんとなく勘でその辺の商店のショーウィンドウを覗きこんだ。
「いらっしゃいませ」
「あ……あの……」
宝飾品の並んだ店を覗いていると女の店員さんから声がかかった。ふいに話しかけられたマイアはしどろもどろになってしまった。
「何かお探しで?」
「あの……ちょっと自分のものを」
「あら、では中でゆっくりご覧下さい」
そう言われてマイアはドキドキしながら宝飾店に入った。大ぶりのサファイアのネックレス、小さなダイヤが敷き詰められたブレスレット、真っ赤なルビーのブローチ……。そんなものがガラスケースに収まっている。
「これなどいかがでしょう」
それらに目を奪われているうちに、店員は小ぶりの宝石のネックレスをいくつか出して来た。手に届きそうにない展示品と違ってこれなら買えそうなものだ。
「お若い方の普段使いにはこういったデザインなどどうでしょう。どんなお召し物でも似合いますよ」
「……は、はい」
それは可愛らしくて確かに素敵だった。……ただマイアには宝石をつけて出かける先がどうも浮かばなかった。
「すみません……やっぱちょっと……違うか……と」
マイアが申し訳ない気持ちで切り上げようとした時だった。店員さんの背後に金の鎖が見えた。
「あれ……なんですか」
「ああ、これは眼鏡の鎖です」
「……それ、ください。あの、私がするんじゃないんですけど」
「畏まりました。贈り物ですね。さっそくお包みいたします」
店員さんは笑顔で金の鎖を小箱にいれて包装してくれた。
「ありがとうございました!」
「はい……」
マイアは手元の箱を見る。眼鏡用の鎖……それはアシュレイへのプレゼントだった。
「もう。自分のものより先にアシュレイさんのもの買っちゃった。……まあいいか」
それからマイアは片っ端から店を覗いていった。帽子屋、小物屋、それから香水店……。
「お客様ですと可憐なすみれの香りなどがよろしいかと」
「……すみません、やっぱいいです」
でもどれもこれもピンとこなくてマイアは店を出た。
「うーん……自分の欲しいものがわからない……」
マイアは道端で頭を抱えた。そもそも田舎の村で育ち、森でひっそりアシュレイと暮らしてきたマイアは華やかなものとは今まで縁がなくて、さほど物欲はないのだった。
「いらないか……自分のは」
買い物に疲れてしまったマイアは来た道を引き返そうとした。その時、フッと鞄店が目に入った。
「鞄かぁ」
マイアの鞄は十三歳でアシュレイの元に身を寄せた時から使っているもので随分とくたびれている。街に行く時のポシェットなんかいいかもしれない。
「すみませーん」
「はいはい。どうぞご自由にごらんください」
マイアは入り口近くにあった、がま口型のポシェットを手に取った。うんシンプルでいい。とマイアは思った。
「これを……」
そう言いかけてマイアは壁際にある鞄に目が吸い寄せられた。
「これは?」
「ああ、これは旅行用の鞄です。中身はこのようにたくさん入りますし、入り口も大きく開きます。それから……」
「わぁ」
その旅行鞄のサイドは開くようになっていて、そこには靴の手入れなどに使う小物が収納できるようになっていた。
「これ……ここにねじ回しとかやすりとか入れたらいいかも……」
中に魔道具をしまって運ぶのもいいし、調整用の工具をしまうのにぴったりだ。
「こ、これください!」
「かしこまりました。でも、これ男性用の旅行鞄ですよ」
「あー……でも私、これが気に入ったので」
「ではちょっとおまけいたしましょう」
店員さんはカウンターをゴソゴソとあさると、金属製の鞄飾りを出してきた。
「どれかお一つさしあげますよ」
「本当ですか? えーと、ではこれを……」
マイアは薄いブルーの五片の花びらをした花のデザインを選んだ。店員さんはにっこりと頷いてその飾りをつけてくれた。
「ほら、可愛らしいですよ」
「本当ですね!」
マイアはそれを包んでもらってウキウキと店を出た。家に帰ったら早速工具をここにしまおう。使うときが楽しみだ。
「……ダグラスさんやキャロルさんもこんな気持ちだったのかな」
マイアはそう思いながら、商店の建ち並ぶ通りを歩いた。すると……。
「ばっかやろう!」
そんな気持ちをふっとばす大声がした。マイアはびっくりしてその声をした方向を見た。そこはおそらく雑貨店で、入り口に俯いている男性と、怒鳴り散らしている店主とおぼしき男性が立っていた。
「もう昼すぎだぞ! ふざけるな!」
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